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「このままでいいのだろうか」——異国の地バンコクで挑戦を続けるビジネスパーソンやクリエイター、あるいは日々の業務に追われる現地採用や駐在員の方々から、ふとした夜にそうした漠然とした焦りや不安を耳にすることがあります。昼間は仕事や人との付き合いで気を紛らわせても、部屋に戻って一人ベッドで天井を見上げた瞬間、過去の後悔や将来への不安が黒い影のように押し寄せてくる。
今回は、そんなキャリアや人生の行き詰まりに悩む人に向けて、タイの「変人ポー」氏に話を伺いました。彼が説くのは、ただの能天気なポジティブ思考ではありません。最悪を想定し覚悟を決めた上で、すべての逆境を資産に変えてしまう「戦略的楽観主義」という思考術です。タイという変化の激しい環境で自分らしく生き抜くための実践的な処方箋を、じっくりとお届けします。(インタビュアー:梅田隼人)
梅田:ポーさん、タイに暮らす日本人やキャリアの岐路に立っている人たちと話していると、「自分の人生、本当にこのままでいいのか」と一人で思い悩んでしまう夜を抱えている人が実に多いんです。
変人ポー:わかります。めちゃくちゃわかりますよ。仕事中や友人といる時は紛らわせても、お風呂に入っている時やベッドで天井を眺めている時に、将来への不安や過去への後悔、言いようのない絶望感が暗闇のモンスターのように心を蝕んでいく。私も昔はそうでしたから。だからこそ、そんな不安を希望に変える「戦略的楽観主義」について今日はお話ししましょうか。
梅田:その戦略的楽観主義、ぜひ詳しく教えてください。
変人ポー:私の若い友人「とら」のエピソードがわかりやすいでしょう。当時、彼は俳優を目指してタイの芸能プロダクションの養成所に通っていましたが、才能あるライバルに囲まれ、オーディションに落ち続ける日々にすっかり光を見失っていました。将来の夢を聞いても暗くうつむくだけの彼に、私は「どんな逆境にも、それ相応かそれ以上の利益の種が必ずある」と伝え、一緒にその種を探すことにしたんです。
梅田:逆境の中に隠された「利益の種」ですか。
変人ポー:はい。そこで「このまま進んで起きる最大の失敗は何か」と尋ねたら、彼は「俳優になれないこと」と答えた。じゃあ、なれなかったらどうなるのか。「死ぬわけでもない。最悪の失敗を想定したところで、たかが『俳優になれない』だけのことではないか」と返したんです。それを聞いた瞬間、彼の表情から長年こびりついていたモヤがスッと晴れていきました。
梅田:最悪のケースを突き詰めてみたら、命を取られるわけでもなく、恐れるに足らないと気づいたわけですね。
変人ポー:その通りです。さらに養成所での経験を洗い出してみると、落選の悔しさや現場の緊張感、無数の細かい失敗など、濃密な行動の履歴が次々と出てきました。何百人という同級生の中で、実際にその挑戦をしている人間なんて1%にも満たない。「とらはすでに他の99%が経験していない世界を体験している。その感情やすべての経験こそが、行動した者だけが得られるかけがえのない『知恵の種』なんだ」と伝えました。
梅田:自分の行動そのものが、すでに独自のキャリア資産になっているという視点は、多くのタイ在住者にとっても勇気づけられますね。
変人ポー:私たちには人生を楽しむ権利があります。不安は常に悲観的な心から生まれ、健康を蝕み、行動を鈍らせ、人生や運命そのものを狂わせかねない。なぜなら「思考は現実化する」からです。「こうなったらどうしよう」と未だ起こっていない未来を恐れて何かメリットはありますか? それはドライブ前に交通事故を恐れて家から出ないのと同じで、電車の脱線や通り魔を恐れて引きこもるのと同じです。
梅田:極論に聞こえますが、本質を突いていますね。
変人ポー:家にいたって強盗に遭うかもしれないし、隕石や飛行機が落ちてくるかもしれない。どこにいたってリスクはゼロにはなりません。起きるかどうかもわからない未来を憂いて今を浪費するのは、百害あって一利なしです。江戸時代、寒い日に「寒い」と言うのは野暮とされました。「寒い」と思考すれば意識がそこに集中して余計に寒くなる。「疲れた」と言えば潜在意識がキャッチしてさらに疲弊し、「昨日寝てない」と言えばどんどん体がだるくなるのと同じ原理です。
梅田:言葉や思考が現実を引っ張ってしまうわけですね。ただポーさん、それは「何も考えずに楽観的になれ」という能天気さとは違うのでしょうか?
変人ポー:そこを勘違いしてほしくないんです。私が言っているのは単なる能天気な思考停止ではありません。ネガティブ思考の人はよく「最悪の事態を想定できるから対策が打てる」と言いますよね。変人ポー流に言えば、それこそが「覚悟」なんです。
梅田:ネガティブな想定を、「覚悟」へと昇華させる…
変人ポー:ええ。真にスマートな「戦略的楽観主義者」は、うまくいかない可能性も緻密に想定してリスクマネジメントを行い、その上で「覚悟」を決めています。戦国武将の藤堂高虎は「寝室を出る時から、今日は死ぬ番であると心に決めなさい。その覚悟があれば、ものに動じることがない」と言ったそうです。
梅田:死ぬ覚悟があれば、日々の想定外に動じることはないと。
変人ポー:最悪の事態を想定し、それを受け入れる覚悟を決める。覚悟さえあれば心は動じず、いざトラブルが起きても即座に対応できます。その確固たる覚悟を土台にした上で、日頃は基本的にワクワクと楽観的でいる。これこそが私の提唱する「戦略的楽観主義」です。
梅田:守りを固めて腹を括っているからこそ、心置きなく攻めの姿勢で人生を楽しめるわけですね。
変人ポー:私たちは楽しい将来に向かって生きているはずです。苦しい未来に向かえなんて誰も命じていません。面白い未来へ進むプロセスなんですから、ワクワク・ドキドキしながら考えていい。現実問題、どちらにせよ誰かには怒られるんです。でもそれは怒る側の「人間力の欠如」の問題であって、あなたの問題ではありません。
梅田:最後に、先行きの見えない不安を抱える読者へ、今日から実践できるアクションを教えてください。
変人ポー:まずは、いま抱えている悩みを紙に書き出してみてください。そして、その悩みにおける「最悪の事態」を具体的に想像してみる。想像できたら、それを「受け入れる覚悟」を決めるんです。すると、「なーんだ、大したことないな」と拍子抜けするはずです。
その上で、これまでの逆境の中に隠された「利益の種」を探してみてください。その試練から何を学び、どんな感情を味わったか。それは自ら行動したあなただけが手に入れた、唯一無二の資産です。あなたの人生の主人公はあなた自身。どうせなら、戦略的にハッピーエンドを描いていきましょう。

<内容紹介>
『変人ポーの人間力』
もっと早く読んでいれば……!母国日本の未来を圧倒的スケールと独自哲学で綴る啓蒙書。テクノロジーの現代に必見の英知を凝縮した一冊。葉装家 稲荷重藏氏推薦!
『変人ポーの平和論』
世界80億人が必見!”それ”を維れ新めるにはこの本にあるような教育が必要だ。教育は、全てである。 郷士坂本家十代目 坂本匡弘氏推薦!
全国の書店、Amazon、Kindleにて好評発売中!


『変人ポーの人間力』『変人ポーの平和論』二冊同時出版をしたその理由とは!?
別書『人間力』はこれからの時代における自己啓発がテーマとなる。具体的にはテクノロジーとグローバル社会においての“超実践的”自己啓発本で、本書『平和論』 はその“超具体的”方法論の一つをまとめた内容となっており、両書は“対”になっていることが特徴だ。そしてこれは“知識”と“知恵”の対のことであるとも言えよう。つまり、知識の『人間力』、知恵の『平和論』ということにもなり、どちらか一方が欠けてもその魅力は半減してしまう。
ここで知識と知恵の違いについては、変人ポーの言葉をそのまま引用する。
「知識はあくまで知識だ。知識は行動を伴うことにより知恵となる。そして、この知恵は答そのものだ」
よって書籍『人間力』だけでは単なる自己啓発本に過ぎず、これでは従来の自己啓発本とともに単なる知識で終わってしまうこととなる。書籍『人間力』は、知恵の『平和論』という背景があってより現実的な哲学として完成する。
また書籍『平和論』だけでは机上の空論、あるいは“事実と意見の違い”もわからぬままに誤解され兼ねない。書籍『平和論』は、知識の『人間力』という裏付けがあってはじめて現実的な方法論となる。
本書を読み終える時にはこの意義が本当の意味で理解していただけることを祈念しつつ、ここに紡いでいく。
<『変人ポーの平和論』はじめにより抜粋>
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