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ビジネス書を読み漁り、自己啓発セミナーに通い、知識だけは誰よりも豊富なのに、なぜか現実のキャリアや人間関係が一向に好転しない――そんな「ノウハウコレクター」の罠に陥っているビジネスパーソンは少なくありません。特にタイという異国の地で働き、言語や文化の違い、理不尽なトラブルに直面したとき、「相手を尊重しよう」「ポジティブに捉えよう」という頭の知識は、一瞬の怒りやストレスで吹き飛んでしまいがちです。
「本当に思考を変えるだけで現実が変わるなら、なぜ世界から争いはなくならないのか?」
今回は、誰もが一度は抱くこの根源的な疑問を切り口に、2000年前の偉人の教えから、泥臭いビジネス現場での人間関係の打開策、そして思考を確実に「実行」へと落とし込む唯一の方法について、変人ポー氏にじっくりとお話を伺いました。知識を行動へ昇華させたいすべての方に捧げるインタビューです。(インタビュアー:梅田隼人)
梅: ポーさん、よろしくお願いします。本日は「思考と行動」について伺いたいのですが、世の中には「良い言葉を使えば良い現実を引き寄せる」といった自己啓発の教えが溢れていますよね。でも正直なところ、「そんなに簡単な話なら、とっくに世界中の人が幸せになっているはずだし、貧困や戦争だってなくなるはずだ」と冷ややかに見てしまう自分もいるんです。
変: 私もまったく同じツッコミを、身近な人から受けたことがあります(笑)。「良い言葉を使って考えるだけでプラスのスパイラルが回るなら、歴史の中でとっくに証明されて誰もが実践しているはずだ。それで結果が出るなら、なぜ世界で紛争が起こるのか?」と。実に的を射た、ぐうの音も出ない鋭い指摘ですよね。
梅: まさにそこなんです。ポジティブ思考を知っている人は大勢いるはずなのに、なぜ現実はそうならないのでしょうか。
変: 実は、その問いに対する答えは、今から2000年も前にはっきりと示されていたんです。その答えを説いた人物こそ、イエス・キリスト。彼が遺したあまりにも有名な言葉に、「汝の敵を愛せよ」という教えがありますよね。
梅: キリスト教徒でなくとも知っている有名なフレーズですね。ただ、一般的には「道徳的な教え」や「博愛主義」として受け取られているように思います。
変: もちろんそうした側面もありますが、私はキリストがこの言葉を通じて、宇宙と人間の心理における普遍的な真理――すなわち「鏡の法則」を伝えたかったのだと考えています。 私たちが誰かに笑顔を向ければ、相手も自然と笑顔になる。逆に、眉をひそめて怒りの表情を向ければ、相手も警戒し、怒りを返してくる。人間のコミュニケーションは、自分が投げかけたものがそのまま反射して返ってくる「鏡」のような性質を持っています。
梅: 投げかけたものが返ってくる。至極納得できます。
変: 通常、人間は自分を攻撃してくる「敵」に対して、身を守るために抵抗するか、やり返すのが自然な防衛反応です。しかし、キリストはその真逆を説いた。なぜなら、攻撃に攻撃で返せば、相手もさらに攻撃で返し、憎しみの応酬は永遠に終わらないからです。 ですが、もし理不尽な攻撃に対して「愛」を返すことができたらどうなるか? 鏡の法則に従えば、相手はやがて「愛」を返すしかなくなります。この憎しみの連鎖を断ち切る唯一の手段は、こちらから一方的にでも「先に愛を与えること」だと、彼は見抜いていたんです。だからこそ、この教えは2000年もの時を超えて世界中に広まりました。
梅: 道理としては完璧ですね。……ですが、そうなると余計に疑問が湧きます。それほど強力な教えが広まっているのに、なぜ現代のテレビやニュース、日々の職場でも言い争いや紛争が絶えないのでしょうか?
変: 答えは極めてシンプルです。「知っているだけで、実行していないから」。もっと正確に言えば、「いざという時に行動しようとしても、できないから」です。私たち人間は、感情が昂る局面や追い詰められた瞬間に、その大切な教えをすっかり「忘れてしまう」生き物なんですよ。
梅: 「忘れてしまう」、ですか。
変: はい。ここで私の恥ずかしい過去をお話ししましょう。今でこそこうして偉そうに語っていますが、私も若い頃は感情に振り回されてばかりでした。20代前半のサラリーマン時代、満員電車に揺られて営業をしていた頃の話です。 当時の私の担当先に、それはもう一癖も二癖もある手強いクライアントがいまして。社内の誰もが嫌がり、その会社名が社内に出るだけで事務所の空気が一瞬で凍りつくような相手でした。
梅: 営業現場で最も胃が痛くなるシチュエーションですね……。
変: 私自身、途中から生理的な拒否反応が出てしまって、電話の着信画面にその名前が出るだけで心臓がキュッと縮こまり、メールの署名を見るだけで体が強張る状態でした。社内でも「もう取引を打ち切ろうか」と本気で議論されていたほどです。 そんなある日、追い詰められてボロボロになっていた私を見かねて、当時の社長がこう言い放ったんです。「彼らを、笑わせてやろう!」と。
梅: 笑わせてやろう、ですか!?
変: 私はポカンと口を開けてしまいましたよ(笑)。「こっちは精神的に限界を迎えているのに、笑わせるなんて冗談じゃない!」と。 人間は追い詰められると、他人の嫌な部分ばかりを拡大鏡で見て勝手に苦しんでしまうものです。そんな状況で「笑わせる」という逆転の発想ができる社長には脱帽するしかありませんでしたが、その一言が私の思考のスイッチをカチッと切り替えたんです。「どうすればあの気難しい人たちを笑わせられるだろう?」と。
梅: 意識のベクトルが180度変わったわけですね。
変: その日以降、私の対応は劇的に変わりました。嫌味を言われてもユーモアで返し、理不尽な要求を突きつけられたら「まいりましたねぇ」と笑いながら代替案を提示する。すべてのやり取りを「彼らを笑わせるゲーム」だと捉え直したんです。 すると、あんなに険悪で冷え切っていた関係が、少しずつ、本当に少しずつ雪解けのように和らいでいきました。
梅: 思考を切り替えただけで、過酷なビジネスの現実が動いたと。
変: そうなんです。ですが、ここからが一番重要な教訓です。 実は当時の私は、すでに本を読んで「思考の力」や「潜在能力」の理屈を完璧に知っていました。それどころか、この鏡の法則を直々に教えてくれた張本人こそが、先ほどの社長だったんです。だから、「鏡の法則」のこともその時は知っていたんです。 それなのに、なぜ私は最悪の状況に陥るまでその知恵を使わなかったのか。理由は明白です。目の前の嫌なクライアントのことで頭がいっぱいで、鏡の法則なんて綺麗さっぱり「忘れていた」からです。
梅: 頭で「知っている」ことと、いざという極限状態で「実行できる」ことの間には、深い溝がある、ということですね。
変: その通りです。どれほど思考の偉大さを理解している人でも、追い詰められた本番では「それどころではない」状態になり、知識を置き去りにして感情的な反応をしてしまう。知っているだけでは、人生は1ミリも動きません。
梅: では、私たちはどうすれば、いざという危機的な場面でも教えを忘れず、行動へと移せるようになるのでしょうか?
変: 忘れないようにする方法は、世の中にたった一つしかありません。それは、思考の整え方を「習慣」にしてしまうことです。
梅: やはり「習慣」に行き着くのですね。
変: はい。泥臭いようですが、これ以外に道はありません。 思考のコントロールも、鏡の法則も、ポジティブな言葉選びも、最初は強い意識が必要です。毎朝歯を磨き、顔を洗うのと同じように、毎日自分の思考を整え、潜在意識へ何度も何度も語りかける時間をルーティンとして確保する。 そうして潜在意識がそれらを完全に受け入れた時、その思考は「無意識の習慣」となり、血肉となって初めて現実を動かす力に変わるんです。当時の私はこの思考について勉強こそ熱心でしたが、それをまだ日々の習慣にまで昇華できていなかったから、本番で忘れてしまったわけです。
梅: キャリアやビジネスの現場で成果を出し続けるためにも、知識を潜在意識レベルの習慣に落とし込む作業が不可欠なんですね。
変: もう一点付け加えるなら、習慣化できたからといって驕らないことです。「初心忘るべからず」。思考力という花は、一度咲かせたら終わりではなく、毎日水をやり続けなければあっという間に枯れてしまいます。定期的に自分を観察し、「悪い虫(慢心やネガティブ)がついていないか」「葉の色は悪くないか」とケアを怠らないこと。その地道な手入れを続けた人だけが、人生を豊かに彩る大きな果実を手にできます。
梅: 非常に実践的で、背筋が伸びるお話でした。最後に、読者が明日から実践できる具体的なアクションがあれば教えていただけますか?
変: 明日からできる小さな一歩として、今あなたが「苦手だな」「嫌なやつ」「老害」と感じている職場の人や、困難な状況を一つだけ思い浮かべてみてください。 そして、その対象に対して心の中でこう唱えてみるんです。「彼らを、笑わせてやろう!」と。 難しく考えず、ゲーム感覚で構いません。その小さな思考の切り替えが、凝り固まった現実を打破する最初の一撃になるはずです。
梅: 「笑わせてやろう」というゲーム感覚、ぜひ日々の仕事の中で実践してみたいと思います。ポーさん、本日もありがとうございました!

<内容紹介>
『変人ポーの人間力』
もっと早く読んでいれば……!母国日本の未来を圧倒的スケールと独自哲学で綴る啓蒙書。テクノロジーの現代に必見の英知を凝縮した一冊。葉装家 稲荷重藏氏推薦!
『変人ポーの平和論』
世界80億人が必見!”それ”を維れ新めるにはこの本にあるような教育が必要だ。教育は、全てである。 郷士坂本家十代目 坂本匡弘氏推薦!
全国の書店、Amazon、Kindleにて好評発売中!


『変人ポーの人間力』『変人ポーの平和論』二冊同時出版をしたその理由とは!?
別書『人間力』はこれからの時代における自己啓発がテーマとなる。具体的にはテクノロジーとグローバル社会においての“超実践的”自己啓発本で、本書『平和論』 はその“超具体的”方法論の一つをまとめた内容となっており、両書は“対”になっていることが特徴だ。そしてこれは“知識”と“知恵”の対のことであるとも言えよう。つまり、知識の『人間力』、知恵の『平和論』ということにもなり、どちらか一方が欠けてもその魅力は半減してしまう。
ここで知識と知恵の違いについては、変人ポーの言葉をそのまま引用する。
「知識はあくまで知識だ。知識は行動を伴うことにより知恵となる。そして、この知恵は答そのものだ」
よって書籍『人間力』だけでは単なる自己啓発本に過ぎず、これでは従来の自己啓発本とともに単なる知識で終わってしまうこととなる。書籍『人間力』は、知恵の『平和論』という背景があってより現実的な哲学として完成する。
また書籍『平和論』だけでは机上の空論、あるいは“事実と意見の違い”もわからぬままに誤解され兼ねない。書籍『平和論』は、知識の『人間力』という裏付けがあってはじめて現実的な方法論となる。
本書を読み終える時にはこの意義が本当の意味で理解していただけることを祈念しつつ、ここに紡いでいく。
<『変人ポーの平和論』はじめにより抜粋>
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