インタビュアーのひと言
職場の同僚や友人との会話で、上司の悪口や会社への不満、あるいは社会への文句ばかりを延々と聞かされ、どっと疲れてしまった経験はありませんか? 私たちが暮らすタイでも、異文化の壁や思い通りにいかない環境に対して「タイだから仕方ない」「周りが動かない」と不満を並べる声を耳にすることがあります。しかし、不平不満を口にし続けても、目の前の現実が好転することはありません。 今回、変人ポー氏に伺ったのは、不満を垂れ流す生き方から抜け出し、人生の主導権を取り戻すための思考法です。「すべては自分のせい」と捉えることの真意、そして多くの人が陥りがちな“自虐”との決定的な違いについて、タイでの実体験を交えながら語っていただきました。(インタビュアー:梅田隼人)
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インタビューと回答
梅:周りを見渡すと、会社の愚痴や上司への不満、政治や社会に対する文句ばかりを言っている人が少なくありません。正直、聞いている側も気分が滅入ってしまいます。
変:そういった人たちには、明確な共通パターンがあります。それは、物事を「人のせいにしている」、もっと言えば「自分以外の何かのせいにしている」ということです。会社が悪い、上司が悪い、国が悪い、時代が悪い……そうやって責任を外へなすりつけているから、不満がとめどなく溢れ出てくるわけです。
梅:他責にしている限り、根本的な解決には向かいませんよね。
変:はい、その状況から抜け出すことは永遠にできません。問題の原因が自分以外の誰かや何かにあると思い込んでいるため、自分自身が変わろうとしないからです。もし今の人生に少しでも「このままでいいのか?」という疑問を抱いているなら、まず心得てほしいのは「すべては、自分のせい」と捉えることです。
梅:すべてを自分のせいにする、というのは一見するとかなり厳しく、落ち込んでしまいそうですが……。
変:大丈夫です、最後まで聞いてください。よく「他人と過去は変えられない」と言いますが、まさにその通りなんです。文句や批判を言って他人を変えようとするのはエネルギーの無駄遣いであり、不満を溜め込んでストレスになるだけです。しかし、唯一自分の意思で変えられる存在があります。それが「自分」です。物事を「自分のせい」と捉えることで、初めて「じゃあ、自分に何ができるだろう?」という改善点を探す思考に切り替わります。これが人生を好転させる大きな一歩になるんです。
梅:ポーさん自身、タイで仕事をされていた際にもそうした場面があったのでしょうか。
変:はい。あるタイ人従業員が、慢性的に遅刻を繰り返していました。「タイではよくある話だ」と流すこともできますが、会社としては困ります。もし私が彼の遅刻を「彼のせいだ」と決めつけていたら、注意し、叱責し、最終的には彼が辞めるかクビにして終わりだったでしょう。そして新しい人が入ってきても同じ問題が繰り返される負のループに陥ります。
梅:そこで「自分のせい」と捉え直したわけですね。
変:そうです。「彼の遅刻は、自分のせいだ」と考えた瞬間、思考が180度変わりました。「なぜ彼は遅刻するのか?」「タイの文化や価値観を私は本当に理解しているか?」「時間通りに来たくなる職場環境を作れているか?」と自問し、タイの文化を猛烈に勉強しました。彼らが大切にする「サバーイ(心地よい)」と「サヌック(楽しい)」を職場に取り入れ、コミュニケーションやルールを見直していったんです。
梅:結果はどうなりましたか?
変:彼の遅刻は減り、職場全体の雰囲気が格段に良くなって、他の従業員のパフォーマンスまで上がりました。「彼のせいだ」と責任転嫁して優越感に浸っていたら、この改善はあり得ませんでした。問題の根本原因は、変わろうとしない「自分自身」にあったんです。 他人のせいにしているうちは、人生の脇役に過ぎません。主役になりたいなら、脚本も主演も自分でやる必要があります。
梅:ただ、「自分のせい」と抱え込みすぎて精神的に追い詰められてしまう人もいるように思います。
変:そこは非常に重要な注意点です。物事を「自分のせい」と捉える人には、「自己肯定感なし」で自分のせいにする人と、「自己肯定感あり」で自分のせいにする人の2種類がいます。この二つは天国と地獄ほどの差があります。 自己肯定感がないまま「全部、私が悪いんだ…」と自分を責めてしまうのは、優しさではなくただの自虐です。ストレスを溜め込み、うつ病や暴飲暴食、最悪の場合は自傷行為などの悲しい選択に繋がってしまう危険性すらあります。もしそうやって自分を責めて落ち込む傾向があるなら、今すぐその考え方はやめてください。
梅:一方で、自己肯定感がある人の「自分のせい」とはどう違うのでしょうか。
変:確固たる自己信頼を土台に持っているため、「自分のせい」と捉えることが「自分を責めること」になりません。彼らにとっての「自分のせい」とは、現状を改善し、自分を成長させるための「建前」であり「戦略」なんです。「この問題が起きたのは、自分のここに改善点があったからだ。よし、次はこうしてみよう!」と前向きに成長の糧にできるからこそ、次のステージへ進んでいけます。
梅:その土台となる自己肯定感を育てるには、まず何から始めればよいですか。
変:本質はたった一つ、「自分を好きになること」です。強固な自己肯定感を育むために、まず何よりも自分を好きになる必要があります。自分を好きになれないまま闇雲に「自分のせい」にしても苦しいだけですから、これが最優先事項です。 「自分を好きになる」という大きな戦略を立てたら、それを達成するための戦術は人それぞれで構いません。
- ・周りの目を気にするのをやめてみる
- ・一日一善、小さな親切をしてみる
- ・意識して笑顔の回数を増やしてみる
- ・子供の頃に夢中になった趣味にもう一度没頭してみる
色々と試してみて、「違ったな」と思えば別の戦術に変えればいい。失敗ではなく、最高の自分にたどり着くためのデータ収集です。
梅:「自分を責める」ことと「自分のせいにする」ことは、全くの別物だということですね。
変:その通りです。「自分のせいにする」というのは、あくまで状況をより良く改善するための建前であり、成長のきっかけに過ぎません。「この状況をどうすればもっと面白くできるかな?」くらいのゲーム感覚でいいんです。 私たちは自身の人生の脚本家であり、監督であり、主演俳優、言わば物語の主人公です。他人のせいでつまらない物語を生きるのはもうやめにして、明日から身の回りで起こる一つの出来事を「自分のせい」と捉え直してみてください。「じゃあ、どうする?」と考え始めるその一歩が、満たされた人生へと繋がっていきます。
<内容紹介>
『
変人ポーの人間力』
もっと早く読んでいれば……!母国日本の未来を圧倒的スケールと独自哲学で綴る啓蒙書。テクノロジーの現代に必見の英知を凝縮した一冊。葉装家 稲荷重藏氏推薦!
『
変人ポーの平和論』
世界80億人が必見!”それ”を維れ新めるにはこの本にあるような教育が必要だ。教育は、全てである。 郷士坂本家十代目 坂本匡弘氏推薦!
全国の書店、Amazon、Kindleにて好評発売中!

『変人ポーの人間力』『変人ポーの平和論』二冊同時出版をしたその理由とは!?
別書『人間力』はこれからの時代における自己啓発がテーマとなる。具体的にはテクノロジーとグローバル社会においての“超実践的”自己啓発本で、本書『平和論』 はその“超具体的”方法論の一つをまとめた内容となっており、両書は“対”になっていることが特徴だ。そしてこれは“知識”と“知恵”の対のことであるとも言えよう。つまり、知識の『人間力』、知恵の『平和論』ということにもなり、どちらか一方が欠けてもその魅力は半減してしまう。
ここで知識と知恵の違いについては、変人ポーの言葉をそのまま引用する。
「知識はあくまで知識だ。知識は行動を伴うことにより知恵となる。そして、この知恵は答そのものだ」
よって書籍『人間力』だけでは単なる自己啓発本に過ぎず、これでは従来の自己啓発本とともに単なる知識で終わってしまうこととなる。書籍『人間力』は、知恵の『平和論』という背景があってより現実的な哲学として完成する。
また書籍『平和論』だけでは机上の空論、あるいは“事実と意見の違い”もわからぬままに誤解され兼ねない。書籍『平和論』は、知識の『人間力』という裏付けがあってはじめて現実的な方法論となる。
本書を読み終える時にはこの意義が本当の意味で理解していただけることを祈念しつつ、ここに紡いでいく。
<『変人ポーの平和論』はじめにより抜粋>