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タイで日系企業や現地社会に深く関わってキャリアを積んでいると、職場の人間関係や環境のギャップ、日常的に飛んでくる理不尽な言葉に疲弊してしまう場面は少なくありません。私自身、タイ現地で働くビジネスパーソンから「社内の愚痴や批判に巻き込まれて精神的に参っている」「どう対応すればいいかわからない」という相談を日々受けます。
今回インタビューしたのは、バンコクを中心に異彩を放つ思考法で異国の地を軽やかに生き抜く「変人ポー」氏です。
彼が語るのは、精神論ではなく「生き残るための実用的なキャリア論・メンタル戦略」。なぜ言葉ひとつで現実が変わるのか、そして理不尽な批判や老害的発言に対してビジネスパーソンはどう振る舞うべきなのか。現地で戦うすべてのタイ在住者へ向けた、実用的かつ刺激的な提言を語っていただきました。
(インタビュアー:梅田隼人)
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梅:ポーさん、タイで働く日本人ビジネスパーソンや在住者の方々から、キャリアや人間関係が「どうも思い通りにいかない」「毎日息苦しい」といった相談をよく受けるんです。この現状をどう捉えていますか?
変:どうも、変人ポーです。
さて、突然ですが、あなたの人生が今、思い通りにいっていないとしたら…その原因の一つが、あなた自身が普段使っている「言葉」にあるのかもしれない、なんて考えたことはありますか?
梅:言葉、ですか。「そんな、まさか」「言葉だけで人生やキャリアが変わるなら苦労しないよ」と思う読者も多い気がしますね。
変:ええ、わかります。私も昔はそう思っていましたから。でもね、これが、驚くほど関係しているんですよ。今日は、私たちの人生を縛り付けているかもしれない「言葉の呪い」を解き放ち、もっと楽しく、もっと楽に生きるための、ちょっと変わったアプローチをお話しします。今日の話を聞き終える頃には、明日から出会う人、交わす言葉、そのすべてが違って見えるかもしれません。
梅:思考や言葉の使い方が、ダイレクトに現実の生きやすさや成果に繋がっていると。
変:日本では古くから「言霊(ことだま)」という考え方が信じられてきました。まあ、小難しく考える必要はなくて、要するに、言葉には魂が宿っていて、口にした言葉が良いことであれば良い現実を引き寄せ、悪い言葉であれば悪い現実を引き寄せる、というシンプルな思想です。
バカバカしいと思いますか?でも、古代の日本では「事(こと)」、つまり出来事や現実は、「言(こと)」、つまり言葉と、もともと同じ意味の言葉として扱われていたくらい、言葉の力を重要視していたんです。これ、現代を生きる私達も、決してバカにしてはいけない力なんですよ。
梅:なるほど。ビジネスや日常の場でも、その差ははっきり出ますよね。
変:例えば、あなたの周りにいる人を思い浮かべてみてください。いつもなんだか上手くいっていないAさんと、いつも楽しそうで物事がスムーズに進んでいるBさん。仮にそんな二人がいたとしましょう。
で、よーく耳を澄ませてみると、Aさんが無意識によく使っている言葉って、こんな感じじゃないでしょうか。
* 「いや、それはできないって」
* 「絶対に無理だよ」
* 「もし失敗したらどうするの?」
* 「あの人みたいになれたら良いのになあ」
* 「ああ、忙しい忙しい」
* 「ほんと、ツイてないわ」
* 「うらやましい…」
* 「時間がないんだよね」
そして、深〜い、溜息。「はあぁ…」
どうです?あなたの周りにもいませんか、こういう「呪いの言葉」を振りまいている人。もしかしたら、あなた自身が使ってしまっている言葉もあるかもしれません。
梅:確かに、職場の雰囲気を悪くする人やキャリアが停滞している人は、無意識にネガティブな発言が多いですね……。一方で上手くいっているBさんはどうでしょうか?
変:一方で、いつも楽しそうなBさんがよく使う言葉は、こんな感じです。
* 「できる!」
* 「とりあえず、やれるとこまでやってみよう!」
* 「私、ツイてる!」
* 「これ、めっちゃ楽しい!」
* 「すごい!そんな考え方があったか!」
* 「いいね〜!それ乗った!」
* 「なんか面白くなってきた!」
* 「よし、次いってみよう、次!」
* 「私はこうしたいんだ!」
* 「これからは、こうしていくぞ!」
もう、お分かりですよね。二人の人生が対照的なのは、偶然じゃないんです。その人の思考、その人のマインドセットが、使う言葉としてハッキリと表れているんです。ネガティブな思考はネガティブな言葉を生み、その言葉がさらにネガティブな現実を呼び寄せる。まさに負のスパイラルです。
梅:言葉と思考の相互作用ですね。
変:でも、ここからが重要なポイントです。逆もまた真なり、なんです。つまり、意識して使う言葉を変えることで、思考そのもの、そして現実さえも、やがて変わってくる。これは「深層自己説得」とも呼ばれるもので、脳科学の世界でも言われている、紛れもない真実なんです。毎日「ツイてる!」って言い続けてみてください。脳が勝手に「ツイてる証拠」を探し始めますから。騙されたと思って、やってみてください。
梅:自分の発する言葉を変える重要性はよく理解できました。しかし、タイ現地の日系社会や職場などで、他者から理不尽な悪口や批判、ネガティブな言葉を投げつけられた場合はどう対処すべきでしょうか?
変:さて、言葉の力がわかったところで、次のステップです。自分自身の言葉はコントロールできる。でも、他人から投げつけられる不本意な言葉、例えば悪口や批判、皮肉や嫌味、そういうものにはどう対処すればいいんでしょうか。
よく人から「ポーさんは悪口を言っているのを見たことがない」なんて言われることがあります。まあ、言わないようにしている、というよりは、言う必要がない、というのが正直なところなんですが。じゃあ逆に、悪口を言われたり、批判されたりした時にどうするのか。
私の戦略は、ただ一つです。
結論から言いますね。ありとあらゆる不本意な言葉、愚痴、文句、不平不満、悪口、批判、非難、誹謗中傷、皮肉、嫌味、叱責、悪い噂、クレーム…そのすべてに対する唯一にして最強、そして最もスマートな戦略。それは、相手にしないことです。
梅:相手にしない……ですか。シンプルですが、実践となると「それができたら苦労しない」と感じる読者も多そうです。
変:ふふふ。そう言うと思いました。でも、あえて聞きますけど、あなたは、本当に「相手にしない」ことができていますか?
おそらく、できていないはずです。特に私達日本人は、真面目で、優しい人が多いですから、投げられたボールを律儀に受け取ってしまう。真正面から反応してしまうんです。反応しさえしなければ一気に解決することなんですが、私が見る限り、世の中の9割以上の人が、これらの不本意な言葉を、見事に「相手にしてしまっている」ように思えます。
だから、人は悩むんです。ストレスを抱えるんです。人生が楽しくない、心から笑えないと感じてしまうんです。幸福度が上がらない大きな原因は、ここにあると私は睨んでいます。
梅:ですが、理不尽な上司やクライアントなど、「どうしても相手にせざるを得ない環境」に身を置いているビジネスパーソンも多くいます。その点はどうお考えですか?
変:「でも、相手にしないなんて無理な環境もある!」という声も聞こえてきそうですね。「会社のムカつく上司を相手にしないなんて、できるわけないじゃないか!」と。
ええ、もちろんです。だから言ったじゃないですか、「戦略」だって。
「相手にしない」というのは、あくまで戦略です。この戦略を成功させるために、私達は、自分がおかれた環境に合わせて、様々な「戦術」を使い分ければいいんです。
梅:戦略(ゴール)と、現場での戦術(打ち手)を明確に分けるわけですね。具体的な戦術とは?
変:例えば、そのムカつく上司を「相手にしない」という戦略を立てたとしましょう。そのための具体的な「戦術」は何か。例えば、嘘でもいいから、いったん相手を認めてしまうことです。何をグチグチ言われても、「そうですね」「おっしゃる通りです」と、同調の相槌を打ちながら、柳のように受け流すんです。嵐が過ぎ去るのを待つように、ただただ、その言葉をスルーさせる。
梅:感情的にぶつかられた場合の戦術はありますか?
変:もし感情的に怒鳴られたら?戦術例としては「ごめんなさい」です。そこでカチンときて「しかし、私の意見としては…!」なんて自分の正義を主張した瞬間に、あなたは相手の土俵に引きずり込まれて、試合開始のゴングが鳴ってしまいます。不毛な議論という名の泥仕合に、あなたの貴重な人生の時間を費やすことになる。そんなの、まっぴらごめんでしょう?
不本意な言葉に自分の思考や感情を働かせるのは、人生という限られた時間における、最も愚かな無駄遣いです。この時間の考え方に関しては第4章の時間力で追求していきます。
梅:メンタルのリソースを無駄な論争に割かないための合理的な戦術ですね。
変:話は戻して、すでにお話してある通り潜在意識は、良くも悪くも、あなたが強く意識したことを現実化しようとします。上司の悪口に腹を立てれば、あなたの潜在意識は「もっと腹の立つこと」を律儀に探し始めてしまう。そんなことに、あなたの大切な思考力を使ってはいけないんです。
梅:なるほど。他人の発言に感情を支配されないための工夫ですね。
変:そして、もっとわかりやすい例をお話しましょう。老害な人っているじゃないですか。
【代表的な老害の特徴】
* 自分の意見を押し付ける
* 過去の武勇伝を繰り返す
* 新しいものを否定する
* 空気が読めない言動
* 怒りっぽく、イライラしやすい
* とにかく人のせいにしてくる
こんな老害な人を、あなたは相手にしていちいち反応しますか?
梅:もちろん本心としては相手にしたくないですけど、人間関係などで相手にせざるを得ない状況もあると思います。
変:そうでしょう。梅田さんがそう思っているのなら、そういう事です。では、若害はどうですか?
【代表的な若害の特徴】
* 敬語が使えない、いきなりタメ口で話す
* 理由のないドタキャン
* 義務を果たさず権利を主張
* 注意されるとすぐに泣く or 不機嫌
* 少しの指導で「パワハラ」と訴える
* デジタル依存によるコミュニケーションの欠如
梅:最近聞く言葉ですね、若害。これは状況にも寄りますかね。しかし、自分が指導する立場なら別として、やはり本心は相手にしたくない。というか、関わりたくないのが本心かもです。めんどくさそうだから…
変:…はい。では最後の質問です。あなたが友だちの家に遊びに行ったら3歳児の子どもがちょうどご機嫌斜めであなたにもつっかかって来ました。あなたはそれを相手取って、本気で議論しますか?
梅:いや、それは。3歳児相手に本気で議論や喧嘩はしませんね(笑)。
変:しないですよね。3歳児と本気で喧嘩する大人ってヤバいですから。あなたは3歳児に対していちいち反応する代わりに、その子をあやしてあげると思います。もしくは、子どもが苦手な人であっても、せいぜい無視するとか。←ほら。相手にしてない。
だから、老害も若害も、3歳児と一緒。3歳児の言う事に反応して相手にするということは、つまり3歳児と同じ土俵に立つこと。老害や若害に反応すれば、彼らの土俵に立つ。文句や誹謗中傷その他に反応すれば、それらに引きずり込まれてたちまちのうちに同じ土俵に立つことになる。
←これを周りから見るとどうなるか、想像してみてください。そう。同じ土俵にいる限り、あなたはもう彼らと同類です。だから、戦略はあくまでも「相手にしない」こと。この場合の戦術としては「(老害であろうが若害であろうが)相手を3歳児と思う」こと。
梅:言葉の戦略・戦術を身につけることで、海外や過酷なビジネス現場でもしなやかに生き抜いていけそうです。
変:どうでしょう。私自身が何か特別なことをやっているわけではない、というのがお分かりいただけたでしょうか。
そもそも、私たちにとって不本意な言葉を言ってくる人というのは、私たちとはただ「考え方が違う」だけなんです。それ以上でも、それ以下でもありません。私たちは、みんな違う人間なんです。考え方も、価値観も、正義も、育ってきた環境も、すべてが違う。その大前提を、まず受け入れてしまうんです。
梅:価値観の違いを理解した上で、不要な言葉はスルースキルで対処すると。
変:その上で、不本意な言葉の一つひとつに、いちいち反応しない練習をしてみましょう。その人自身を嫌いになる必要はありません。ただ、その人が発する「あなたにとって不本意な言葉」だけを、そっと横に置いておく。相手にしない。このスキルを身につけるだけで、あなたの人生は、驚くほど楽(ラク)になり、楽しくなります。
あなたは今まで、他人の言葉に振り回されすぎていたのかもしれません。もう、そんな必要はないんです。
もっと、楽(ラク)していいんですよ。
梅:他者の言葉に惑わされず自分の軸でキャリアや人生を進めるために、非常に明快で今日から実践できる教えでした。最後に読者へメッセージをお願いします。
変:さあ、今日のインタビューはここまでです。明日から、ほんの少しだけ、自分が使う言葉、そして周りが使う言葉に耳を傾けてみてください。そして、もし不本意な言葉に出会ってしまったら、心の中でこう唱えるんです。
「はい、戦略発動。相手にしない」。
この小さな変化が、あなたの存在意義を確かなものにし、満たされた人生へとつながる、大きな扉を開く鍵になるはずです。

<内容紹介>
『変人ポーの人間力』
もっと早く読んでいれば……!母国日本の未来を圧倒的スケールと独自哲学で綴る啓蒙書。テクノロジーの現代に必見の英知を凝縮した一冊。葉装家 稲荷重藏氏推薦!
『変人ポーの平和論』
世界80億人が必見!”それ”を維れ新めるにはこの本にあるような教育が必要だ。教育は、全てである。 郷士坂本家十代目 坂本匡弘氏推薦!
全国の書店、Amazon、Kindleにて好評発売中!


『変人ポーの人間力』『変人ポーの平和論』二冊同時出版をしたその理由とは!?
別書『人間力』はこれからの時代における自己啓発がテーマとなる。具体的にはテクノロジーとグローバル社会においての“超実践的”自己啓発本で、本書『平和論』 はその“超具体的”方法論の一つをまとめた内容となっており、両書は“対”になっていることが特徴だ。そしてこれは“知識”と“知恵”の対のことであるとも言えよう。つまり、知識の『人間力』、知恵の『平和論』ということにもなり、どちらか一方が欠けてもその魅力は半減してしまう。
ここで知識と知恵の違いについては、変人ポーの言葉をそのまま引用する。
「知識はあくまで知識だ。知識は行動を伴うことにより知恵となる。そして、この知恵は答そのものだ」
よって書籍『人間力』だけでは単なる自己啓発本に過ぎず、これでは従来の自己啓発本とともに単なる知識で終わってしまうこととなる。書籍『人間力』は、知恵の『平和論』という背景があってより現実的な哲学として完成する。
また書籍『平和論』だけでは机上の空論、あるいは“事実と意見の違い”もわからぬままに誤解され兼ねない。書籍『平和論』は、知識の『人間力』という裏付けがあってはじめて現実的な方法論となる。
本書を読み終える時にはこの意義が本当の意味で理解していただけることを祈念しつつ、ここに紡いでいく。
<『変人ポーの平和論』はじめにより抜粋>
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