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バース・スラデット独占インタビュー「卒業 〜Tell the World I Love You〜」主演ケン役

2023年8月24日 配信

バース・スラデット独占インタビュー「卒業 〜Tell the World I Love You〜」主演ケン役

映画初主演で魅せた役者根性と怒涛のアクション 

2023年8月25日全国ロードショーが決定したタイ映画『卒業 ~Tell the World I Love You~』。
監督は代表作 『バンコク・ラブストーリー』(07年)でブリュッセル独立映画祭の国際コンペティション部門でグランプリを獲得したポット・アーノン監督。
貧しくいじめの対象とされる悩みを抱えながらもバンコクの高校生として、留学を目指していた高校生が、偶然助けてしまった薬の売人。運命的に出会った彼らが、苦悩を抱えながらも困難に立ち向かう姿を描いた青春映画だ。

幼馴染の同級生タイの家に居候しながら、生き別れた母親を探すため、奨学金で中国への留学を目指す高校生のケン。留学に向けた試験が迫るある日、集団から袋叩きにされている青年ボンを目撃し助けてしまう。ケンが助けたのは薬の密売組織から足を洗いたいボン。
闇の組織に関係するボンとの出会いは、普通の高校生だったケン、タイの日常を大きく変えていく。そんな中、ケンをいじめてきた高校のクラスメイトが殺害される事件が起こり、物語は想像もしなかった結末へと突き進んでいくーー

日本でも動画配信サービスで一般的認知度が上がったタイのBLドラマ。この映画は最旬キャストが集っていることで話題となっているものの、これまでネット配信で描かれてきた甘いラブストーリーとは一線を隔すハードボイルドな世界が繰り広げられる。

バンコクの路地裏で繰り広げられるハラハラ、ドキドキのアクションシーンはバイクを使ったアクションや、思わず「痛っ!」と身を縮めてしまうリアルすぎる殴り合いのシーンなど、アジアのアクション映画好きも十分満足できるし、タイが抱える薬物問題の末端を担う若者たちの葛藤も見事に描き切っている。
恋愛の楽しさよりも、根底に流れているのは苦しくプラトニックな愛や、深い深い愛情。友情と愛情の狭間を繊細に描き切っていることで、観客を自然とメインキャストたちの感情に引き込んでゆく。
もちろん、メインキャストたちの熱演もその一翼を担っているだろう。

タイランドハイパーリンクスでは、主演のケンを演じたバースことスラデット・ピニワットにインタビュー。

甘いルックスからは想像できない負けん気の強さ、高い目標と常に戦ってきた芯の強さは、この映画の主人公のケンとシンクロする。
まるでケンに話を聞いているような不思議な感覚に陥るインタビューとなった。

 

エキストラから主演級の俳優になった苦労人

ーーバースさんはとても魅力的な雰囲気の方なんですが、主演クラスの役者としてのスタートではなく、まずはエキストラから役者の仕事を始めたそうですね。

バース:はい(笑)。エキストラから役者の仕事を始めたのは本当ですよ。

ーー日本もそうですが、エキストラから映画の主演ができる役者に登り詰めるには、相当の努力が必要なのではないですか?

バース:そうですね。でも、エキストラだった経験は今の僕にすごく良い影響をもたらしてくれましたよ。
エキストラでドラマ出演をしている間に、カメラに自分がどう映るのか研究できたんですよね。いきなり主演でのデビューだったらとても緊張したと思うんですが、自分の姿がどう映るのかしっかりと身につけられたので、今は本当に良かったと思っています。

ーーここまでの逸材がなぜエキストラからスタートになったのか不思議です(笑)。

バース:実は僕、子どものころは、ぽっちゃりしていたんですよ。

ーーえっ?全然想像ができない!

タイ映画「卒業」~バースのインタビュー映像が解禁「皆さんの期待を裏切りません。どんな世代も楽しめる映画です!」

バース:だから周りからも「役者なんて無理だ」って言われていました。

ーーそんなこと言われるんですか?

バース:役者はみんなスタイルが良いですしね。でも僕は夢をあきらめませんでした。目標に到達するまで精一杯頑張ろうと思って今まで続けてきました。

ーー今はぽっちゃりしていた面影すらありませんが、ダイエットも?

バース:もちろん、ダイエットも頑張りましたよ(笑)。

 

この映画は僕の誇り

ーーいよいよ『卒業 ~Tell the World I Love You~』が8月25日から日本で公開されますね。今の気持ちはいかがですか?

バース:僕は日本が大好きなので、日本で公開されることがとてもうれしいです。この映画は僕たち役者、スタッフ、そして監督一丸となって、とにかく頑張って撮影した作品です。
日本の皆さんがこの映画をサポートしてくれてうれしいし、日本で公開してくれることがうれしいです。

ーー完成した作品を見て感じたことはありますか?

バース:自分の頑張りが報われたなと思いました。力いっぱい演技をしたので、一番疲れた撮影でもありましたけど、今までで一番誇りに思える作品です。それをたくさんの皆さんに見ていただけるので、とても幸せな気持ちです。

ーーアクションシーンが凄かったですよね。アクション映画というジャンルでも通用するレベルでした。練習は大変だったでしょう?

バース:大変でしたよ。撮影クルーの中にアクションチームがあるんです。色々教わって、実際に殴り方も教わりました。

ーーだからリアルだったんですね。

バース:はい。アクションのレッスンもそうでしたが、撮影自体もとっても難しかったですよ。ちゃんと殴っているのに、カメラで撮影すると当たっていないように見えるんです(笑)。だから「カメラを通して殴っているように見えるように」、何度も撮り直ししたんですよね。

ーータイではすでに公開済みですが、どんな反響がありましたか?

バース:ファンの皆さんの反響が良かったです。映画をとても気に入ってくれたみたいで、1回以上…中には3回以上も見に行ってくれた人もいるんですよ。

 

現実でも殴られている人を助けたことがある

ーー映画でケンは麻薬組織の人たちに殴られているボンを助けましたよね。普通の人なら恐いことに巻き込まれそうだから、なかなか助けづらいと思いますけど、なぜケンはボンを助けたのだと思いますか?

バース:実は僕、今より若い頃、殴られていた人を助けたことがあるんですよ。

ーー凄い勇気ですね。

バース:僕はその人に何か悪いことが迫っていると思えば、僕のできる限りのことで助けたいと考えています。ケンもそんな気持ちだったんじゃないかな。

ーー人を助けたいと思う心もそうですが、今回演じたケンはバースさんと似ているところは多いですか?

バース:ケンは他の登場人物と比較するととても冷静な部分があって、自分の気持ちをコントロールできるところが僕と似ていると思います。それと、僕は子どものころから夢を叶えるために戦ってきたので、自分の境遇や人生と戦っているところが僕に似ていると思いましたね。

ーー役者を目指して頑張ってきましたものね。努力家なのかな?

バース:努力というのも自分の一面ではあるんですけど、僕が持っているのは「負けない気持ち」。

ーー負けず嫌い?

バース:そうですね。そっちの方が強いと思います。どんなに努力しても負けない気持ちがないと、自分の目標に到達できないと思うんです。毎回前に向かって進んでいく努力をしてきたからこそ、今ここにいるんだと感じています。

ーーなるほど。

 

側にいてくれる人に対し深い愛情を抱くタイプ

ーー『卒業 ~Tell the World I Love You~』では、ケンを思う友達2人のとても深い友情がありました。ケンと、登場人物の目を通して見ている観客が、それが恋なのか、友情なのか考えさせられるシーンが多かったですよね。バースさんは友情から恋愛に発展するケースはありますか?

バース:あります。友達はもともと大切な存在だし、とても愛している存在です。ずっとそばにいる存在だから、恋愛に発展するケースもあるでしょうね。

ーー登場人物3人とも、お互い相手を思いあっていて、その愛の深さがとても印象深かったです。

バース:僕も愛情は深い方です。父や母、そして友達に対しても、深く愛を感じますね。

ーー『卒業 ~Tell the World I Love You~』では薬の売人のボンにパースさん(日本では『Love by chance』の主演で知られるタナポン・スクムパンタナーサーン)と、同級生でケンにひそかな思いを寄せるタイにネットさん(U-NEXTで2023年5下旬からオンエアされた『Bed Friend』主演のネット・シラホップ・マニティクン)が友達役だったわけですが、共演の感想は?

バース:実は僕らはこの映画の撮影が始まる前から友達だったんですよ。

ーーそうだったんですか!だから息が合っていたんですね。

バース:2人とも僕のかわいい後輩です(笑)。
パースは映画で見てわかる通りかわいい奴だし、ネットはついついからかいたくなるかわいさがあります(笑)。

ーー今回は映画の主題歌も歌いましたよね?

バース:とてもうれしかったですよ。歌詞はケンの内面にあるものが反映されていて、歌う時も感情移入できました。

 

バンコクの「LHONG 1919」にはぜひ行ってみて!

ーー今回の映画はバンコクがとても魅力的に描かれていましたね。気に入っているロケ地はありますか?

バース:「LHONG 1919」ですね。

ーーああ!中華風の施設ですよね!ボンのおばあちゃんの家の設定。

バース:そうです。バンコクのリバーサイドのトンブリー側にあります。とても美しいので日本の皆さんがバンコクに旅行に来たらぜひ行ってみて!検索したらすぐに出てくるから(笑)。

 

X-JAPANのhideにファッション感覚の影響を受けた

ーー映画内ではケンが貧しい境遇だということもあり、学生服以外は破れたTシャツというような衣装が多かったんですけど、いつもはどんなファッションが好きなんですか?

バース:僕が好きなのは80年代のファッションです。とても魅力を感じます。音楽も80年代が好き。なんだかよくわからないけど、80年代が大好きなんです。

ーーInstagram拝見しましたけど、ファッショナブルですよね。

バース:ありがとうございます。僕のファッションの憧れは、hideなんですよね。

ーーhideさんの写真もインスタに上がっていましたね。どんな所に憧れますか?

バース:hideのインタビューを読んだことがあるんですけど「昔、おばあちゃんの服を着てたことがある」って話していたんですよ。
hideはレディースの服を着ることを趣味や嗜好ではなく、ファッションの一環としていたんです。
だから僕も、かっこいいと思えばメンズの服はもちろん、レディースの服も着たいしファションとして性別やジャンルに捕らわれずに楽しみたいなーって思っています。

ーー確かにhideさんのファッションはカラフルで独特なセンスがあったし、時代を問わずおしゃれでしたよね。もしかして音楽もhideさんの影響を受けていますか?

バース:僕は本当にX-JAPANの曲が大好きなんですよ。でも、ジャンル別に憧れの存在がいるくらい、日本の音楽ジャンル全般が大好きです。

 

日本が好きすぎて満面の笑顔

ーーバースさんは、本当に日本のカルチャーが好きなんですね。日本に来たことはありますか?

バース:あります(満面の笑顔)!

ーー何回くらい来たことがあるんですか?

バース:多分2回だと思うんですけど、実は今とってもとっても行きたい国は日本なんですよ(更に満面の笑顔で、とてもうれしそう)。とにかく日本が大好きだから…。

ーーリモートでのインタビューでも日本が好きだと言う熱量が伝わってきます(笑)。日本に来たらどこで何をしたいですか?

バース:レコードを買いに行きたい!あとは、ショッピング。僕はアンティークなものが大好きなんです。日本にはレアなアイテムが多いって聞いたんですよね。だから買いに行きたい。それから日本食が大好きなので食べまくりたいですね(笑)。

 

日本に行って日本のファンの皆さんに会ってみたい

ーー今、タイの俳優さんたちが日本で人気があるんですよ。こういった現象をどう思いますか?

バース:その話をちょっとだけ聞いたことがあるんですけど、僕は日本にだいぶ長い間行っていないので、実際にどんなことになっているのか想像がつかないんですよね。

ーーコロナ禍に動画配信サービスでオンエアされていたことで、ファンになった方がとても多いんですよ。タイに興味がない人にも「今タイのドラマが凄いね」と言われたり、認知度が上がっている気がします。

バース:僕らタイの俳優を好きになってくれるのは本当にうれしいしありがたいです。機会があれば僕も日本に行ってファンの方たちに会ってみたいなあ。

ーーそんな日本のバースさんのファンの皆さんにメッセージをお願いします。

バース:本当にこの映画の応援、ありがとうございます。僕も日本のファンの皆さんを愛しています。

ーーありがとうございました!

 

取材を終えて

主役のケンと、バースは非常に似ている。だからこそ自然に、ケンの中に湧き上がる怒りや闘争心、友の敵との闘いを自然に演じることができたのかもしれない。
映画のケンが光り輝くように魅力的なのは、バース自体の輝きが、ケンに反映されているからに違いない。

映画のポイントは出演者の中に、誰一人として弱い人間が存在しないこと、そしてキャストとして大人が存在するものの、全ての大人が非常に遠い距離感を持って描かれており、唯一身近な味方である大人は、年老いたボンの祖母のみという設定だ。
誰も大人を頼れない、助けてくれる人がいない中、お互いの友情のみが助けとなり、その助けは「弱い存在だから守ってあげたい、助けたい」訳ではない。この点が最後までキャストたちに「男らしさ」を感じさせ、従来のBLドラマとは違う風合いに仕上がった理由なのではないだろうか。
そこにクライマックスまで謎だったある事件の結末が絡み合い、まさかの展開へ。ここにも深い愛情がある。

常に側にいてくれる人は誰なのか?その人をどこまで愛し、その人のためにどこまで尽くせるのか?そして友情と愛情の境目はどこなのか?
もし身近に気になる人がいるのなら、自問したくなる激しくも美しい、愛の物語だった。

また、もう一つ注目していただきたいポイントは、バンコクの景色を、これでもかとばかりに美しく描き出していること。
ワット・パクナムにある巨大な仏像の、穏やかで悟りきった瞳が見守る先で起こる事件、血で血を洗う暴力。その対比が非常に心憎い。
印象的なボンの祖母の家は、バースが気に入ったロケ地と語る「LHONG 1919」だ。少女のようにかわいらしいボンの祖母が住む、ボンが唯一本来の無邪気な少年に戻れる「現実離れ」した場所の設定だけに、この家の存在は物語の中でも重要な位置付けになっている。
そして、敵のアジトとして登場するのは、バンコクの老舗ゲストハウス「リバ
ービューゲストハウス」。最上階にある絶景ダイニングを無機質にセッティングし、効果的に使っている。
タイリピーターには思わず微笑みが漏れる、数えきれないほど「あ!この場所大好き」のオンパレード。
バンコク旅行の次の「行きたい場所探し」にもおすすめしたい。

取材・文:吉田彩緒莉/通訳:高杉 美和

 

卒業 〜Tell the World I Love You〜

[監督・脚本]
ポット・アーノン
[ウェブ]
https://gaga.ne.jp/telltheworldiloveyou/
[出演]
●バース=スラデット・ピニワット
Bas-Suradet Piniwat บาส-สุรเดช พินิวัตร์
https://twitter.com/basjtr
https://www.instagram.com/bbasjtr/
●パース=タナポン・スクムパンタナーサーン|
Perth-Tanapon Sukumpantanasan เพิร์ธ-ธนพนธ์ สุขุมพันธนาสาร
https://twitter.com/perthppe
https://www.instagram.com/perthppe/
●ネット=シラホップ・マニティクン
Net-Siraphop Manithikhun เน็ต-สิรภพ มานิธิคุณ 
https://twitter.com/netsiraphop
https://www.instagram.com/net_siraphop/

107 分/タイ/カラー/シネスコ/5.1ch デジタル/字幕翻訳:林完治/字幕監修:⾼杉美和/配給:ギャガ GAGA★

 ©2021 FLIM GURU CO. LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

生き別れた母親を探すため、幼馴染で同級生のタイの家に居候しながら、奨学金で中国への留学を目指す優等生ケン。留学に向けた試験も迫るある日、集団から袋叩きにされている青年、ボンを目撃し、思わず助けてしまう。薬の密売組織から足を洗いたいボンは、組織から制裁を加えられていたのだ。荒々しくも優しいボンとの出会いは、平穏だったケンたちの日常を大きく揺るがす。本来なら出会うはずがなかった正反対のケン、ボン、そしてタイ。彼らを待ち受ける未来は―…?

まるで子犬のように愛らしい優等生、主人公のケンを演じるのは、タイのBLドラマ「Gen Y The Series」で一躍有名となったバース(スラデット・ピニワット、Instagramのフォロワー数139万人)。同作から成るタイの人気アイドルグループ、SBFIVEのセンターでもある。不良の青年、ボン役には、日本でも大ヒットしたBLドラマ「ラブ・バイ・チャンス」で主演を務めた大人気俳優、パース(タナポン・スクムパンタナーサーン、Instagramフォロワー数311万人、X(旧Twitter) フォロワー数122万人)。ケンの親友で居候先で幼馴染のタイ役は、人気BLドラマ「Bed Friend」で主演を務めたネット(シラホップ・マニティクン、Instagramフォロワー数131万人)が演じる。そのほかにも、個性豊かで今旬な若手俳優たちが脇を固める。

本作のメガホンをとったのは、代表作 『バンコク・ラブストーリー』(2007)でブリュッセル独立映画祭の国際コンペティション部門でグランプリを獲得したポット・アーノン監督。普通の世界を生きる学生と、闇の組織から足を洗おうともがく薬の密売人。運命的に出会った彼らが、苦悩を抱えながらも困難に立ち向かう青春ドラマを鮮やかに描く。

タイ映画「卒業 〜Tell the World I Love You〜」2023年8月25日(金)日本公開

8月25日(金) シネマカリテ ほか全国順次公開

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