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視力を失った野生ガウル、畑に迷い込み救助~カオヤイ国立公園が安全施設へ移送

2025年12月10日 配信

©国立公園・野生動植物保全局

タイ天然資源・環境省 国立公園・野生動植物保全局(DNP)は2025年12月9日、ナコンラチャシマ県パクチョン郡の民家近くに視力を失った野生のガウルが迷い込んだとして、カオヤイ国立公園の職員と獣医チームが救助を実施したと発表しました。

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ガウルが確認されたのは、同郡ムーシー地区・バンワンパルドゥ周辺の農家の野菜畑。周辺住民が通報し、カオヤイ国立公園が獣医と共に現場へ急行しました。

両目がほぼ失明 慎重な鎮静・移送作業に

獣医による初期検査では、右目が萎縮し、左目は角膜が白濁しており、実質的に視力を失った状態であることが判明。歩行時の方向感覚も失われており、興奮した場合に危険を伴うことから、鎮静剤を使用して安全確保を行いました。

職員らはロープで角を固定し、慎重に誘導しながらガウルを移送用ケージへ収容。その後、抗生物質・ビタミン剤・鎮静剤の拮抗薬を投与し、体調の安定を図りました。

 「交換移送」措置でタプラン国立公園へ

今回の移送は、カオヤイ国立公園で保護されていた別の盲目のガウル「ケーンディンソー」との“エリア交換”という形を取っています。

・今回救助された新たな盲目個体 → タプラン国立公園の専用ガウル飼育施設へ移送
・ケーンディンソー → 1年近くカオヤイで生活し環境に順応したため、そのまま同地での飼育継続

タプラン側は設備が整った飼育コーク(囲い)を有しており、同局は「視力を失った個体は自然下で生存が困難であり、専門施設での管理が最善」と説明しています。

複数の“盲目ガウル”が見つかる異例の事態

管轄局によると、今年に入って東北地域で視覚障害を持つガウルが相次いで見つかっており、原因究明と健康モニタリングを強化する必要があるとしています。

スラパサナ保護区第1事務所(プラーチーンブリー)ヨサワット所長は「視覚障害を負ったガウルの保護は、多くの部門が連携しなければならない重要な課題。適切な環境下で飼育することで、個体の安全と生活の質を確保できる」とコメントしました。

今後も当局は、健康異常の原因調査と再発防止策の研究を進める方針です。

 

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