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高層ビルがひしめく混沌としたバンコクの中心部から、少しだけ離れたラマ9世通りの一角。そこに、37階建ての「カシア ラマ9 バンコク ホテル(Cassia Rama 9 Bangkok Hotel)」があります。
このホテルは、あの「バンヤンツリー」などを展開するBanyan Groupが手がける「カシア(Cassia)」ブランドの、バンコク初進出となる施設。それだけで、宿泊前から自然と期待が高まっていました。

駅から近いわけでもなく、大型のショッピングモールが隣接しているわけでもない。いわゆる「とても便利」な立地ではないのに、ホテルは思った以上に賑わっていました。ロビーのソファには多くの人が座り、チェックインカウンターにも順番待ち、ロビーバーではカクテルを楽しむ人々がいます。
今回滞在したのは、35階にあるロフトタイプの客室(全室がロフトタイプです!)。ロビーの雰囲気や食事、そして朝と夜で表情を変える眺望まで、滞在の様子を順を追って、その人気の秘密を振り返っていきます。

天井が高く、開放感がある1階ロビー。壁や柱のあちこちには、中華街やカオサン通りなどバンコク各地の観光スポットをモチーフにしたイラストが描かれていて、全体としてはポップで明るい印象の空間です。高級感とは少し違う、親しみやすさがあり、自然と緊張がほぐれます。

その中央にあるのが、フロントとロビーバーが一体となったアイランドスタイルの大きなカウンター。スムーズにチェックインをすませ、カードキーを受け取ります。

今回宿泊したのは、35階にあるロフトタイプの客室です。このホテルにはポーターはおらず、荷物は自分で運ぶスタイル。人件費を抑えることで、宿泊費も抑えられているんですね。
今回宿泊したのは、35階にあるロフトタイプの客室です。このホテルにはポーターはおらず、荷物は自分で運ぶスタイル。人件費を抑えることで、宿泊費も抑えられているんですね。

部屋に入ってまず感じたのは、天井の高さでした。ロフトタイプの構造になっているため、ワンフロアの客室よりも縦に広く、開放感があります。

部屋の外には小さなベランダもついていて、外気を感じながら景色を楽しめるのが嬉しいところ。バンコクのホテルでは、はめ殺し窓の客室も多いため、ベランダ付きというだけで、ぐっと滞在の快適さが増します。ちなみに同じ35階でも、ロフト構造のぶん高さがあり、他のビルの35階よりもさらに高く感じられるようでした。下の写真はベランダからの眺めです。

先述のとおり室内は、リビングとロフトに分かれた造り。

リビングスペースには、ゆったりとしたソファとテーブル、椅子が配置され、大型のテレビも備えられています。大きな窓越しに広がるバンコクの街並みを眺めながら、部屋で過ごす時間も贅沢なひとときに。

リビングの手前、入口すぐのスペースにはキッチンがあり、IHヒーターやシンクのほか、包丁・まな板・フライパンなどの調理器具、電子レンジ、食器も一通りそろっていました。


隣にはミニバーコーナーがあり、無料のコーヒーやお茶、ペットボトルの飲料水も。冷蔵庫も備えられています。


入口の右手にはバスルーム。

ゆったりとしたバスタブがあるのが嬉しすぎ!水量も多いため、お湯はすぐにたまりました。


トイレには、お尻を洗うタイプの手動ウォッシュ機能がついており、「なくちゃ困る!」という方も安心。ドライヤーはパナソニック製で、使い勝手も良好です。もちろん歯ブラシは備え付け。ひげそりなど足りないものはホテルからでてすぐのローソンで揃えることができます。

ロフトの階段を上がると、寝室スペース。

大きなベッドのほかに、デスクやクローゼット、大型のテレビも備えられていて、生活空間としても十分な設備がそろっています。

空気清浄機もありましたが、動作音がやや大きいため、就寝時はリモコンでオフにするのがよさそうです。ロフト専用のエアコンも設置されており、ガラス張りの構造ながら冷気が逃げにくい点も快適でした。

チェックインカウンターと一体になった、アイランドスタイルのロビーバー。ここでは、好みに合わせて様々なカクテルをオーダーすることができます。

ユニークなのは、バーテンダーに作ってもらうだけでなく、希望すれば自分でカクテルを作る「DIYカクテル体験」も楽しめるという点。ちょっとしたイベントのような感覚で、滞在の思い出にもなりそうです(今回は普通にオーダーしました)。

今回は、シグネチャーカクテルの中から「Midnight Sugar」と「Innocent Trap」の2種類を試してみました。価格はいずれも320バーツ。見た目にも楽しく、バーで過ごすひとときにぴったりの一杯です。

ホテルの37階には、「Sky Pool」と名付けられた屋外プールがあります。

バンコクの街を一望できる開放的な空間で、泳ぐというより“景色を楽しむ”ための場所という印象。プールサイドにはバーも併設されていて、1階ロビーバーと同じドリンクを注文することもできます。

そして、プールと同じフロアには、もうひとつの注目スポットが。バルコニーというより、屋外スペースといったほうが正確かもしれませんが、遮るもののない広々とした場所があり、そこからの眺めが格別なのです。


特に夕方から夜にかけては、太陽がバンコクの都市景観の向こう、西の空へと沈み、夜には街の灯りが一面に広がります。人が集まってきて、自然とゆるやかな空気が生まれる場所でした。

そのほかの施設としては、23階にフィットネスジムとキッズルームが。フィットネスは、ランニングマシンやダンベルなど必要最低限の機材がそろっていて、滞在中の軽い運動には十分です。

1階に戻ると、ロビーのすぐ横にコインランドリーも設置されていました。

また、ロビーから外に出てすぐ右手にはATMがあり、そのまま20~30メートルほど歩けばローソンも。雨の日でも、屋根付きの通路を通ってアクセスできるため、濡れることなく買い物ができるのも嬉しいポイントです。

宿泊したこの日の日の出は5時59分。客室のベランダからの眺めです。

朝食は、ホテルと同じ敷地内にあるレストラン「THE MOON」でいただきます。

1階ロビーから外へ出て、すぐ目の前。同じ敷地内なので雨の日でも濡れずにアクセスできるのが嬉しいポイントです。

朝食はビュッフェスタイルで、洋食とタイ料理がバランスよくそろっています。エッグステーションでは、目玉焼きやオムレツなどを好みに合わせてその場で調理してくれるので、朝の定番をしっかり楽しめます。

この日は、タイヌードルや炒め物、おかゆに加え、おなじみのタイ料理「パッタイ」も登場していました。旅先でこういう定番に出会えるのは、なんだか安心しますよね。


最後は、南国フルーツや菓子パンで締めくくり。大きな窓から朝の光が差し込む明るい店内で、ゆったりとした朝の時間を過ごすことができました。

「Cassia Rama 9 Bangkok」は、今のバンコクにぴったりのホテルかもしれません。
全室がロフト付きのメゾネット構造というユニークなデザイン。高層階ならではの眺望、開放感のある35階のプール、暮らすように過ごせるキッチンやコインランドリーなど、充実した設備が揃っています。朝はロフトの窓から朝日が差し込み、夜には屋上階からバンコクの夜景を一望。滞在そのものが心に残る体験になるはずです。
アクセス面も魅力です。MRTラマ9世駅前のセントラルラマ9までは、無料シャトルバスが毎日運行。

さらに、今後開業予定の地下鉄オレンジラインの新駅も徒歩圏内。ナイトライフの定番RCAや、コンサートなどが行われるラチャマンガラ国立競技場へもタクシーで15分ほどと、アクティブな滞在にも便利な立地です。タクシー運賃の安いバンコクだからこそ、「どこへ行くにも電車を使わずタクシーで」という選択肢も現実的です。
観光にも、ビジネスにも、そして長期滞在にも。このホテルの人気の理由は、デザイン性と実用性を兼ね備えた“バランスの良さ”にあるのかもしれません。

[住所]
Cassia Rama 9 Bangkok, 395/1063, Rama 9 Road, Bangkapi, Huai Khwang, Bangkok Thailand, 10310
[電話]
02-716-5999
[メール]
reservations-rama9@cassia.com
[ウェブ]
https://cassiarama9bangkok.com/
https://www.facebook.com/cassiarama9bangkok
https://www.instagram.com/cassiarama9/
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