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タイへの中国人観光客、年末2か月で20%減少の懸念~中国大使館の注意喚起が影響か

2026年11月7日 配信

タイ旅行業協会(ATTA)は、2026年11月から12月にタイを訪れる中国人観光客が、前年同期比で約20%減少する可能性があるとの見方を示しました。中国大使館による渡航時の安全に関する注意喚起が旅行者の心理に影響しているとみられ、10月の中国人観光客数は前年同月比13.57%減の30万8,942人となりました。タイ経済紙クルンテープ・トゥラキット(Bangkok Biz News)が11月5日に伝え、The Nationも11月6日に報じています。



10月の中国人観光客は13.57%減少

タイ観光・スポーツ省の統計によると、2026年10月にタイを訪れた中国人観光客は30万8,942人で、前年同月から13.57%減少しました。中国人観光客が前年同月を下回るのは、2026年2月以来となります。

10月は中国の国慶節(10月1日)に伴う大型連休があり、海外旅行需要が高まる時期ですが、タイへの旅行者数は前年を下回りました。

背景には、中国人旅行者の安全に対する懸念があります。2025年1月には中国人俳優の王星さんがタイからミャンマーへ連れ去られる事件が発生し、タイ旅行の安全性が中国国内で大きな関心を集めました。

さらに2026年10月には、在タイ中国大使館が偽の求人情報を利用した詐欺などに注意するよう中国国民に呼びかけました。

中国人団体旅行は40%以上減少との推計も

ATTAのタナポン・チーワラッタナポン会長は、中国大使館による注意喚起が中国人旅行者の信頼感に影響していると指摘しています。

ATTAの推計では、10月の中国人団体旅行市場は前年同月比で少なくとも40%縮小したとみられています。

さらに、タイ政府による信頼回復策が十分に進まなければ、11月から12月の中国人観光客全体が前年同期比で約20%減少する可能性があるとしています。

2027年初めの春節(旧正月)連休についても、状況が改善しない場合、中国人団体旅行客が前年同期比で50%以上減少する可能性を懸念しています。

なお、20%、40%、50%という数字はいずれもATTAによる予測・推計であり、タイ観光・スポーツ省が発表した確定統計ではありません。

タイ政府も中国人観光客の信頼回復へ対応

タイ政府も中国人旅行者の安全に対する懸念への対応を進めています。

タイ政府広報局の10月20日の発表によると、スラサック・パンチャルーンウォラクン観光・スポーツ相は、中国大使館の注意喚起を受けて、タイが国際犯罪の中継地点として利用されることを防ぐ方針を示しました。

また、タイの関係機関や中国当局と連携し、観光客の安全確保と相互理解の強化に取り組むとしています。

ATTAは、タイ政府と中国当局による協議の強化を求めるとともに、タイ国政府観光庁(TAT)に対しても、中国国内での観光プロモーションや旅行業界と連携した信頼回復活動の強化を求めています。

さらに、アヌティン首相が11月18~19日に中国・深圳で予定されているAPEC首脳会議の機会を活用し、タイと中国の友好関係やタイ観光の安全性をアピールすることにも期待を寄せています。

2026年の中国人観光客は累計424万人、日本人は約84万人

一方、2026年1月1日から10月31日までの中国人観光客は424万4,376人で、前年同期比12.44%増加しています。10月単月では減少したものの、年間累計では前年を上回り、国・地域別でも中国が最多となっています。

同期間のタイへの外国人観光客総数は2,546万4,306人で、前年同期比4.59%減少しました。観光収入は約1兆2,411億バーツで、前年同期比2.85%減となっています。

日本からの観光客は83万8,893人で、前年同期比4.41%減少しました。

タイ観光業界では、中国市場の回復が年末の旅行需要に大きく影響するとみられており、今後の安全対策と中国人旅行者の動向が注目されています。

※出典
Bangkok Biz News(11月5日)
The Nation(11月6日)
タイ政府広報局(10月20日)

 

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