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診療室に忍び寄る銃声、CIBが教えた生還の条件

2025年8月9日 配信

タイ警察中央捜査局(CIB)は、突如として訪れる恐怖に備えるべく、ある異例の訓練に乗り出した。それは銃を持たぬ者たち──医療従事者に向けた、銃乱射事件対策の教育だった。



2025年8月8日、舞台はマヒドン大学歯学部に併設された病院。その診療室にはいつもと違う緊張感が漂っていた。CIBの特殊部隊「ハヌマーン」の講師チームが現れたのだ。彼らが伝えに来たのは「撃ち返す力」ではなく、「生き残る知恵」であった。

講義は理論だけではない。銃声が響く仮想の現場を再現し、突発的な暴力にどう向き合うかを身体で学ぶ。キーワードは「Run, Hide, Fight」。逃げるか、隠れるか、戦うか──だが、戦う術を持たぬ者にとって、「選択」は時に「絶望」そのものでもあった。

それは恐怖との向き合い方を学ぶ時間だったのか、あるいは「日常が壊れる音」の予行演習だったのか。いや、そんな問いなど意味はなさない。ただ一つ言えるのは、この訓練が「何かを守るため」のものであったということだ。

CIBは日々、銃を構える側として任務に就いている。しかし今回は「構えない者たち」を導く役目を引き受けた。「机を盾にしろ」「消火器で反撃せよ」──そんな非常識にも思える戦術が、極限の場では唯一の希望となる。

「何もできないわけではない」そう心の中で叫んだかどうかは不明だが、歯科医たちの瞳は確かに、戦う覚悟ではなく、生き延びる意志に満ちていた。

タイ中央捜査局(CIB)
プロフェッショナルで中立、国民と共に。

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