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カギは沈黙の夜に握られた~CIB、車両密輸の影に迫る

2025年7月25日 配信

タイ警察中央捜査局(CIB)は、幹線道路に差し込む朝日の中で、2人の女を捕らえた。事件の発端は南部スラタニ。レンタカー業を営む男のもとに、旅行者を装った女たちが現れた。滑走路の先に機体が降りたとき、すでにその筋書きは始まっていたのかもしれない。

女たちは一台の白いSUVを借り、何食わぬ顔で走り去った。だが深夜、GPSの信号が突如として絶たれる。目を覚ました男が見たのは、地図上から忽然と消えた自身の所有物だった。

「これは盗まれた」──そう思ったに違いない。男は警察に通報し、逃走中の車両が照準に入ったのは、海岸線を北上した先、プラチュアップキリカンの交差点だった。

警察が包囲したのは、赤いライトに照らされた車両一台。ナンバープレートは偽物、座席の下にはGPSを遮断する装置、そして、積まれていたのは一冊の赤い車両登録証──移動のためのすべてが、そこに揃っていた。

それは逃走だったのか、あるいは輸送計画の一部だったのか。果たして、その真偽を見極められるのは、天のみだったかもしれない。

取り調べにより、女たちは別々の過去を持っていた。一人は詐欺の常習者、もう一人は過去に口座を開き、名義を売ったことがある。その二人が、“誰か”の指示で車を運び、1台あたり1万バーツで報酬を得ていたという。行き先は東部国境・サケーオ。越境される寸前で、それは止められた。

「旅の途中だっただけよ」そう言ったかもしれない──そして「目的地は覚えてない」と続けたかもしれない。

CIBは彼女たちを「窃盗の共犯」として拘束。裏で糸を引く“ボス”の追跡に着手した。地図にないルート、見えない依頼主、そしてもう二度と戻らないはずだった車。それでも、朝はまたやってくる。

タイ中央捜査局(CIB)
プロフェッショナルで中立、国民と共に。

 

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