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タイ警察中央捜査局(CIB)は、沈黙の中に潜む“再生”の裏側に切り込んだ。舞台はスパンブリー県の一角。住宅街に溶け込む一軒の建物の中で、密やかに回る容器、響く金属音、そして漂う油のにおい──それは再利用か、それとも偽装か。いや、そんな問いなど意味はなさない。
CIB傘下の消費者保護警察部隊(ปคบ.)は、ある種の「臭い」を嗅ぎ取っていた。繰り返し流通する不審な潤滑油。パッケージはまるで新品。だがその中身には、妙な既視感があったという者もいたとか、いなかったとか。
捜査の末にたどり着いたのは、地元で“影響力”を持つ人物の居宅だった。容疑者は古いオイルを各所から集め、化学的に手を加えたうえで、新品に見せかけ再販していたという。自らの“地元ネットワーク”を駆使し、4,400リットル以上の偽潤滑油を蓄え、梱包設備も一式そろえていた。
「これはリサイクルか、それとも犯罪か」そう心の中で叫んだかどうかは不明だが、現場にいた誰もが、その問いに答えを出すことなく任務を遂行していたに違いない。
一見ただの“油”の流れ。その背後に潜むのは、静かで滑らかな違法行為だった。滑ることを許さない警察の意思だけが、そこに存在していた。
タイ中央捜査局(CIB)
プロフェッショナルで中立、国民と共に。
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