データベースの先にある国境、CIBが迎えた“沈黙の共闘者”

【2025年5月7日】タイ警察中央捜査局（CIB）は、スペイン国家警察テロ対策部門の代表団を迎え、両国間の情報システムと法執行技術の共有について協議を行った。交わされたのは、言葉だけではなく“兆し”だった。

今回の会合は、CIB幹部による静かな迎撃から始まった。訪れたのは、I3と呼ばれる情報基盤を軸にテロ対策を構築しているスペイン国家警察の連絡官チーム。表向きの目的は経験の共有、だがその背景に流れるのは、単なるノウハウではなく、国境を越えた“対話の必要性”という名の重圧である。

I3──それが何を分析し、誰を記録し、何を排除するのか。CIBはその構造を正面から見つめた。全ての情報が“正義”に従うわけではない。その事実を、最もよく知っているのが警察という存在なのだ。

それは連携だったのか、あるいは、静かに交わされた“視線の共有”だったのか。果たして、その真偽を見極められるのは、天のみだったかもしれない。

今回得られた知見をCIBは組織内で共有し、今後の基盤整備と運用に活用していくという。直接的な行動はまだ起きていない。だが、静かに交わされた握手の裏には、“何かが動き出す予感”が確かにあった。

タイ中央捜査局（CIB）
プロフェッショナルで中立、国民と共に。