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タイ政府は2025年7月25日、現在カンボジアとの間で発生している国境付近の軍事衝突について、公式声明を発表しました。声明では、カンボジア側が先に武力を行使したことを深く遺憾とし、これは国際法および人道的原則に対する重大な違反であり、病院や住宅地への攻撃によって13人の民間人が死亡するなど甚大な被害が出ているとしています。
タイ政府によりますと、ここ数ヶ月間、タイ側はたび重なる挑発にも最大限の自制と忍耐をもって対応し、国際法と人道的原則に従った平和的手段を選んできたとのことです。しかし、カンボジア側が軍事力を行使し、非戦闘員を含む市民を狙った攻撃を行ったことは、戦争犯罪に該当すると非難しています。
7月24日には、タイの外務大臣が国連事務総長に現在の状況を説明しました。さらに、タイ政府は国連安全保障理事会にも書簡を送付し、無差別な武力攻撃を最も強い言葉で非難するとともに、国際社会にもこの非人道的行為を糾弾するよう呼びかけました。
政府は、市民の犠牲に深い哀悼の意を表するとともに、タイ軍は国際法および国連憲章に基づく自衛権の範囲内で対応し、攻撃の発信地となったカンボジア軍の拠点を限定的に攻撃したと説明しています。
また、被災地からはすでに10万人以上の市民が避難しており、政府は犠牲者の家族には1人あたり100万バーツ、障がいを負った方には70万バーツ、重傷者には20万バーツ、負傷者には10万バーツの補償金を支給する方針です。さらに、緊急時に備えて在カンボジアのタイ人を帰国させる特別便を航空会社と連携して準備しているとのことです。
7月26日には政府の担当大臣が、ウボンラーチャターニー県、シーサケート県、スリン県、ブリラム県の被災4県を訪問し、住民の安全確保と精神的支援を行う予定です。
声明では、「今こそ国民が一丸となり、国の主権と領土保全、そして国民の安全を守るために任務にあたっている兵士たちを励まし、支えていくべき時である」と呼びかけています。また、「今回の衝突は両国政府および軍によるものであり、国民同士の対立ではなく、戦争の宣言でもない」と強調しています。
最後に、国王陛下および王妃陛下がこの状況に深いご憂慮を示され、負傷者全員を王室の庇護下に置かれたことに対して、最大限の感謝が述べられました。
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