THAILAND HYPERLINKS ไทยแลนด์ ไฮเปอร์ลิงค์ タイ旅行やタイ生活とタイエンタテイメントのポータルサイト

第31回 YouTube再生回数1億回突破!ラムヤイ・ハイトーンカムが「歌手」として認められた日

2017年3月10日 配信

◆ラムヤイ・ハイトーンカム(ลำไย ไหทองคำ)。2017年3月7日、Work Point Studioにて。◆ラムヤイ・ハイトーンカム(ลำไย ไหทองคำ)。2017年3月7日、Work Point Studioにて。

まさか、こんなに早くこの報告が出来るとは思っていませんでした。

このコラムで以前、ラムヤイ・ハイトーンカムという無名に近い存在の歌手が、ある事をきっかけに注目を集める事になってしまったという記事を書きました。

第25回 ラムヤイ・ハイトーンカム:実力派18歳はヂャ・カンフーを超えるか。

その時はまだ歌で注目されていた訳ではなかったので、歌手であるならば行く行くはちゃんと歌で世間に認められて欲しい、という内容を書いたのですが、それがたった1年で実現してしまうとは、夢にも思っていませんでした。

ラムヤイが2016年11月にYouTubeで公開した曲「プーサオ・カーロッ(ผู้สาวขาเลาะ)」という曲が、先日3月6日に公開から約3ヶ月で1億回の再生回数を記録しました。

◆2017年3月6日17:00頃、1億回の再生回数を達成。
◆2017年3月6日17:00頃、1億回の再生回数を達成。

◆ラムヤイ・ハイトーンカム(ลำไย ไหทองคำ)/プーサオ・カーロッ(ผู้สาวขาเลาะ)

今やコンサートの定番曲にもなって、行く先々でこの歌が歌われるほどの大人気曲となっています。

ラムヤイのコンサートも大盛況で、常時2000~3000人、時にはそれ以上の観客が集まる大盛況。毎日休み無く、日によっては2、3ヶ所を掛け持ちするほどの大忙しです。

◆イサーンでのラムヤイのコンサートの様子。
◆イサーンでのラムヤイのコンサートの様子。

あの騒動の後も筆者は変わらずラムヤイのコンサートには出来る限り足を運びました。

心無い誹謗中傷はあったものの、彼女は以前と変わらず、時にはさらに過激なステージをこなしていました。少しは露出度を下げたりするかと思っていましたが、そのアグレッシブさには、ひいき身ながらも頼もしく思えましたね。

◆2016年3月以降のコンサートでのラムヤイ・ハイトーンカム。
◆2016年3月以降のコンサートでのラムヤイ・ハイトーンカム。 ◆2016年3月以降のコンサートでのラムヤイ・ハイトーンカム。 ◆2016年3月以降のコンサートでのラムヤイ・ハイトーンカム。 ◆2016年3月以降のコンサートでのラムヤイ・ハイトーンカム。

しかし、世間が飽きやすいのはタイに限らずどこの国でも同じ事。時が経つにつれて、世間のラムヤイに対する興味も薄れていき、一時期は増えたコンサートの数も徐々に減っていきました。

それでも全く無いという訳ではありませんでしたし、2016年の10月頃から不思議とまたコンサートの数も増えてきていました。ただ、別に彼女のスタッフ側にも焦りというものは感じられませんでしたし、ラムヤイ本人もまだまだ若いので、地道に歌っていってくれれば良いと、筆者も思っていました。

そんな時に発表されたラムヤイの新曲。作ったのは彼女と同じ事務所の後輩で、自身の歌「アディート・クーイ・パン(อดีตเคยพัง)」も大ヒットしているアーム・チュティマーという17歳の女の子でした(アームについてはコラムの第28回で触れています)。

第28回 ヒット曲はインディーズから生まれる。今、そしてこれからのルークトゥンモーラム注目歌手たち。

レゲエのリズムを取り入れたこの曲を初めて聴いた時、筆者はそれほどピンと来ませんでしたが、確かにそれまでのラムヤイの曲とはかなり違う雰囲気ではありました。正直、これを本気で歌って行くのかな、と思っていたのも事実です。

しかし、公開してから再生回数が徐々に上昇。イサーンでのコンサートが増え始め、なかなかバンコクには来てくれない状況になってきました。

新曲公開後、ようやくバンコクでのコンサートが行われたのは12月に入ってからでした。そこで新曲が歌われた時は、確かにそれまでのラムヤイのコンサートでは見られなかった観客の反応が感じられました。

◆2016年12月6日、ワット・シーガン(ドンムアン)でのラムヤイのコンサート。
◆2016年12月6日、ワット・シーガン(ドンムアン)でのラムヤイのコンサート。

その後もイサーンでのコンサートが急増。12月6日以降、バンコク周辺でのコンサートは全く無い状態となってしまいました。そこからも、イサーンでの人気は相当なものだというのがうかがい知れました。

ようやくバンコクでコンサートが行われたのは、年が変わって2017年1月21日ピン・クラオでのパブでした。

その前に、なかなかバンコクに来てくれないので、しびれを切らしてラヨーンまで観に行ったりもしました。そこではまさにイサーンでの人気を反映したかのような盛り上がりが展開されていたのでした。

「プーサオ・カーロッ」は冒頭とラストの2回歌われたのですが、コンサートの合間にも「あの曲を歌ってくれ」とひっきりなしに客からリクエストされ、チップや握手を求めるファンもコンサート中後を絶ちませんでした。

そして、その曲が歌われるや否や、ステージ前に観客が殺到しサビの部分では大合唱。本当にヒットしているんだ、という事を実感させられました。

◆ラムヤイ・ハイトーンカム/プーサオ・カーロッ@タラート・ドゥアンヂャルーン(2017年1月11日)

また、ピン・クラオのパブは人気歌手のコンサートが頻繁に行われている場所で、かなり大きな箱になっていますが、ラムヤイ人気を受けて、この日はその大きな箱が超満員となる大盛況でした。聞いたところによると4000人が集まったそうです。

ラムヤイが呼び込まれた時の大きな歓声は、彼女の人気を証明しているかのようでした。

◆2017年1月21日、ポー・グンパオ(ピン・クラオ)でのラムヤイのコンサート(この日はアーム・チュティマーとネスカフェとの共演)。
◆2017年1月21日、ポー・グンパオ(ピン・クラオ)でのラムヤイのコンサート(この日はアーム・チュティマーとネスカフェとの共演)。◆2017年1月21日、ポー・グンパオ(ピン・クラオ)でのラムヤイのコンサート(この日はアーム・チュティマーとネスカフェとの共演)。

日に日に拡大する人気。色んなコンサートに行っても、ラムヤイの曲をカヴァーする歌手が増えてきました。

2月に入った頃には再生回数が7000万回を超え、もしかしたら1億回も夢じゃないかも、などとこれまで応援して来た身としては、そうなったら良いなと夢想していたのですが、ペース的にも1億回に達するのは4月くらいだろうなという予想でした。

ですが、日が経つにつれて回数上昇もスピードアップして、予想よりも1ヶ月も早く3月6日夕方の時点でその大台を突破しました。

今ではYouTubeでの再生回数1億回はそれほど珍しくありません。しかし、単独の女性ルークトゥン歌手では2014年にMVが1億回に達成したインリー・シーヂュムポン以来になります。

ただ、インリーの場合は業界最大手のGrammy Goldに所属している歌手。対してラムヤイの所属は個人の小さな事務所です。

さらに、インリーが1億回を達成するまでには1年以上かかっていますが、ラムヤイは3ヶ月ちょっとでの達成です。そういった点からも大きな違いがあります。

そんな人気の余波を受けて、ついに人気テレビ番組からも出演のオファーが来ました。1年前の時のようにワイドショー系の番組ではありません。

◆タイの人気タレント、マム・ヂョクモクさん司会の人気番組「Super Mum」に出演時の様子(2017年3月7日収録)
◆タイの人気タレント、マム・ヂョクモクさん司会の人気番組「Super Mum」に出演時の様子(2017年3月7日収録) ◆タイの人気タレント、マム・ヂョクモクさん司会の人気番組「Super Mum」に出演時の様子(2017年3月7日収録) ◆タイの人気タレント、マム・ヂョクモクさん司会の人気番組「Super Mum」に出演時の様子(2017年3月7日収録)

収録スタジオに入ると、観覧席に座っていた学生達がラムヤイを見つけ、「ラムヤイだ、ラムヤイだ」とささやき合っているのが聞こえました。やはり曲がヒットするというのは、環境が大きく変化するものですね。

たぶんラムヤイがこういった人気番組に出演するというのは今回が初めてだと思いますが、大スターを相手にまったく臆することなく番組をこなしていたのは、大物になる器を感じさせてくれます。

ただ、ラムヤイにとってはこの後が正念場と言って良いでしょう。

自分で歌を作れる人とは違い、歌手は与えられた曲によって大きく左右されます。それに、今回はかなりポップス寄りの曲なので、ラムヤイ本来のラムシンスタイルになった時、どうなるかはまだ分かりません。

しかし、再三言っている様にラムヤイの歌手としての実力は折り紙つきです。必ずやルークトゥン・モーラムの重要な存在になってくれるに違いありません。

このヒットは彼女にとって、まだ歌手としての第1歩。これから先のラムヤイの活動にも、まだまだ目が離せません。

kapiraja
タイ音楽好きが高じて、現在現地調査中。ブログでも情報を発信しております。
「ルークトゥンモーラム・ファンクラブ」 http://luktungmolamfanclub.blogspot.com/
ゆくゆくは日本でのタイ音楽知名度がもっと上がれば良いと思っています。そして、タイと日本のミュージシャンとの交流がもっと盛んになってくれることを期待しています。
スポンサーリンク
スポンサーリンク