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第27回 プミポン国王に想いをはせる歌「ペット・サハラット/あなたを思うと涙が止まらない」

2016年10月17日 配信

◆プミポン国王の崩御が発表された直後のプラトゥナームのショッピングモール
◆プミポン国王の崩御が発表された直後のプラトゥナームのショッピングモール

すでにこのサイトでもお知らせされている通り、タイ王国のプーミポン・アドゥンヤデート国王陛下が10月13日15:52、療養中のシリラート病院で崩御されました。88歳でした。

在位70年という世界最長記録だけでなく、世界でも類稀なほど国民から敬愛された国王がこの世を去った事で、今、タイ全土を巨大な喪失感が覆っています。

筆者がこの知らせを聞いたのは仕事が終わったと同時の19:00(タイ時間)ちょっと過ぎでした。

職場の目の前は有名な繁華街なのですが、外に出た途端、人は大勢いるのに静まり返った街の様子に唖然としました。それもそのはずで、いつも大きな音量で流れていた多数の音楽は全て止められ、生活音しか聞こえない状況でした。

実はこの日も夜は筆者が応援している歌手ラムヤイ・ハイトーンカムのコンサートに行く予定でした。しかし、当然ながらそのコンサートは中心になりました。

分かって入るものの念のためにラムヤイ本人に今夜のコンサートはどうなのか連絡した所、やはり「中止」との返答が。

その答えと一緒にある写真を送ってくれました。国王の崩御が発表された直後のシリラート病院前の様子です。数日前にご容態悪化の情報が流れた頃から、病院前には多くの国民が集まって、国王の回復を願っていたようです。

◆崩御発表直後のシリラート病院前の様子(撮影:ラムヤイ・ハイトーンカム)
◆崩御発表直後のシリラート病院前の様子(撮影:ラムヤイ・ハイトーンカム)

そんな願いも虚しく、10月13日19:00にプラユット首相から発表された国王崩御の知らせ。いつか来るとは分かっていても、来ないでほしいと願っていたこの日がとうとう来てしまった、という思いでした。

街は一見、平静を装っていますが、ほとんどが白と黒の服を身にまとい、言葉少なげに歩いていて、それだけでもタイの人々がどれだけ国王がこの世を去ったことに打ちひしがれているのかが痛いほどに伝わってきます。

◆10月13日21:00頃の王宮の様子。この時はまだ人はほとんど集まっていませんでした。
◆10月13日21:00頃の王宮の様子。この時はまだ人はほとんど集まっていませんでした。

そんなタイの人々の今の気持ちをいち早く歌にしてくれた人がいました。歌手でプロデューサーのペット・サハラットです。

彼の名前は日本ではあまり知られていないかも知れませんが、先日女性ルークトゥン歌手のタカテーン・チョンラダーと結婚した人と言えば分かるかもしれません。

◆ペット・サハラット(เพชร สหรัตน์)。2016年6月2日、タラート・アイヤラーにて(撮影:筆者)
◆ペット・サハラット(เพชร สหรัตน์)。2016年6月2日、タラート・アイヤラーにて(撮影:筆者)

現在のルークトゥン・モーラムに於いて、重要なキーパーソンの1人であるペット。2014年に「アーイ・ターイ・シ・ハイ・ナム・ボ(อ้ายตายสิไห่นำบ่)」が大ヒットし、一躍時の人となりました。その後も歌手だけでなく、作詞・作曲家としても活躍し、数々のヒット曲を生み出しています。

そのペットが作ってくれたこの歌。今の悲しみに暮れたタイの人々の心と国王への思いを、分かりやすい言葉と美しいメロディーにして、歌に託してくれました。

我々外国人は彼らと100%気持ちを同じにすることは出来ませんが、タイを好きな者としては、少しでも悲しんでいる皆の気持ちを理解できればと思い、日本語に訳してみました。

筆者はそれほどタイ語能力が高いわけではありませんので、誤訳などが多々あると思いますが、その点はご了承の程を。

また直訳よりも日本語としての自然な言い回しを重視して訳しています。(例)コンタイ(タイ人)⇒私たち、ポー(父)⇒あなた、など。

◆เพชร สหรัตน์(ペット・サハラット)/น้ำตาไม่หยุดไหล ชาวไทยคิดถึงพ่อ(あなたを思うと涙が止まらない)

หยุดน้ำตาคนไทยไม่ยอมหยุดไหล
ユット・ナムター・コンタイ・マイ・ヨーム・ユット・ライ
止めようと思っても止められない私たちの涙

วันที่หัวใจชาวไทยแหลกสลาย
ワン・ティー・フアヂャイ・チャウタイ・レーク・サラーイ
タイの人々の心が粉々にされた日

70ปี..ที่ร่มเย็น พ่อเป็นดั่งต้นไม้ใหญ่
70(ヂェッシップ)ピー・ティー・ロムイェン ポー・ペン・ダン・トン・マイ・ヤイ
あなたが大樹としてあり続けた70年 この地は安泰していた

ปกคลุมทั่วผืนดินไทย วันนี้พ่อจากไป
ポック・クルム・トゥア・プーン・ディン・タイ ワン・ニー・ポー・ヂャーク・パイ
それはタイの大地すべてを覆いつくした そのあなたが今はいない

น้ำตาชาวไทยยังไหลริน
ナムター・チャウタイ・ヤン・ライ・リン
私たちの涙が大地に注がれ続けている

*เสียงคนไทยร่ำร้องพ่อมองและได้ยิน
シアン・コン・タイ・ラム・ローン・ポー・モーン・レ・ダイイン
あなたを求めるタイの人々の声が見え、そして聞こえる

พ่อยังทรงถวิลถึงทุกถิ่นทั่วฟ้าไทย
ポー・ヤン・ソン・タウィン・トゥン・トゥック・ティン・トゥア・ファー・タイ
あなたの存在はまだタイのすべての空を覆っている

เราชาวไทยทุกคนสำนึกบุญคุณอันยิ่งใหญ่
ラオ・チャウタイ・トゥック・コン・サムヌック・ブンクン・アン・イン・ヤイ
私たちは皆あなたに大きな恩を感じている

พ่อหลวงของปวงชาวไทย   ขอเป็นข้ารองพระบาททุกชาติไป
ポー・ルアン・コーン・プワン・チャウタイ コー・ペン・カー・ローン・プラバート・トゥック・チャート・パイ
タイ人すべての偉大なる父 来世もあなたの元に生まれたい

พ่อหลวงคนไทยสถิตย์อยู่ในใจเรา
ポー・ルアン・コンタイ・サティット・ユー・ナイ・ヂャイ・ラオ
タイの国王陛下は今でも私たちの心の中に存在し続けている

หยุดน้ำตาไม่ยอมหยุดไหล   เราชาวไทยล้วนคิดถึงพ่อ
ユット・ナムター・マイ・ヨーム・ユット・ライ ラオ・チャオタイ・ルアン・キットゥン・ポー
涙が溢れ出て止まらない 私たちは皆あなたを思っている

แผ่นดินสยามสานทอรวมเป็นหนึ่งใจ
ペンディン・サヤーム・サーン・トー・ルアム・ペン・ヌン・ヂャイ
サイアムの地で心はひとつになる

พระภูมิพลราชา คือพ่อผู้ให้อันยิ่งใหญ
プラッ・プーミポン・ラーチャー・クー・ポー・プー・ハイ・アン・イン・ヤイ
プミポン国王は偉大なものを与えてくれた父

วันนี้น้ำตาชาวไทย ไม่ยอมหยุดไหล
ワンニー・ナムター・チャウタイ マイ・ヨーム・ユット・ライ
今日、私たちは涙を抑えきれない

พวกเราชาวไทยอาลัยพ่อของแผ่นดิน
プワック・ラオ・チャウタイ・アーライ・ポー・コーン・ペンディン
我々タイ人はこの地の父に想いをはせる

ซ้ำ(*)
繰り返し(*)

น้ำตาไม่หยุดไหล พวกเราชาวไทยอาลัยพ่อของแผ่นดิน
ナムター・マイ・ユット・ライ プワック・ラオ・チャウタイ・アーライ・ポー・コーン・ペンディン
涙が止まらない 私たちは皆この地の父に想いをはせている

 

タイにおけるプミポン国王の存在は、日本人の我々が容易に想像できるものではないほど大きさだと思います。

タイに一度でも旅行に来た人なら、至る所にプミポン国王の肖像画が飾られているのを目にしたことがあるでしょう。

過去に何度かの歴史的危機をタイが乗り越えられたのも、プミポン国王の存在があったからこそです。

その精神的支柱を失った今、この先タイがどういう未来を築き上げるのかは、誰にも分かりませんし、プミポン国王がいたことで辛うじて保たれていたバランスも崩れてしまうかもしれません。

しかし、タイの事はタイ人が解決するしかありません。我々がとやかく言う事ではないです。

タイが好きな私たちが出来る事は、タイの人々が一日も早くこの悲しみを乗り越えて、再び微笑みを取り戻してくれる事を願うことくらいしかないでしょう。

その方法は様々ありますので、どんな方法でも良いと思いますが、筆者はタイの音楽が好きでタイに興味をもったので、これからも微力ではありますが、音楽を通してタイを応援していきたいと思っています。

最後に、プミポン国王、70年に渡るご公務お疲れ様でした。素晴らしい国を作り上げてくださり、ありがとうございました。安らかにお眠りください。

ธ สถิตในดวงใจไทยนิรันดร

(陛下は永遠にタイの人々の心の中に存在しています)

kapiraja
タイ音楽好きが高じて、現在現地調査中。ブログでも情報を発信しております。
「ルークトゥンモーラム・ファンクラブ」 http://luktungmolamfanclub.blogspot.com/
ゆくゆくは日本でのタイ音楽知名度がもっと上がれば良いと思っています。そして、タイと日本のミュージシャンとの交流がもっと盛んになってくれることを期待しています。
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