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タイ政府、地雷による負傷事件に抗議声明~「主権と国際法の重大な侵害」

2025年7月21日 配信

タイ外務省は2025年7月20日、東北部ウボンラチャターニー県チャオボク地域で発生した地雷による負傷事件を受け、強く抗議する声明を発表しました。声明では、タイ領内で行われたとされる対人地雷の使用について、「主権と領土保全を侵害するものであり、国際法に著しく反する」と非難しています。タイ政府メディアNBT Connextが伝えています。



3人のタイ兵が負傷

この事件は、7月16日午後、陸軍歩兵中隊の兵士3人が通常の国境パトロール中に地雷を踏んで負傷したものです。そのうち1人は左足首を失いましたが、3人全員の容体は安定しており、現在はウボンラチャターニー県のサラプシットプラソン病院で治療を受けています。

タイ外務省のニコーンデート・プラーンクン報道官は、同日行われた記者会見で、今回の事件に対する深い遺憾の意を表明するとともに、負傷した兵士の早期回復を願うコメントを発表しました。

使用された地雷は「新たに設置されたもの」

陸軍第2管区および国家地雷対策センターの調査によれば、現場で発見された8個の地雷は「新たに設置されたものであり、タイ軍の装備や弾薬庫には存在しない種類」とのことです。これを受けて、タイ政府は「タイ国内での地雷使用は一切行っておらず、今回の事件は外部からの侵害である」と断定しました。

外務省が抗議声明を発表

7月20日、タイ・カンボジア国境問題に関する特別対策本部の事務局会議が開催され、翌21日の本会議に向けた情報整理と対応方針の準備が進められました。

これを受けて外務省は、地雷による負傷事件について正式な抗議声明を発表。声明では「今回の対人地雷の設置は国際人道法と国連憲章の基本原則に反し、対人地雷禁止条約にも明確に違反する行為である」と指摘し、「強く非難する」との立場を明らかにしました。

さらに、タイ政府はカンボジア政府に対し、人道的目的による地雷除去への協力を求めるとともに、既存の二国間メカニズムを通じて冷静かつ建設的な対応を続ける方針を示しました。

SNS上の誤解拡散に警戒

報道官は声明の締めくくりで「現在の状況は極めて繊細であり、SNSなどの誤情報や無用な対立を招く表現には注意が必要だ」と述べ、国民に対し「政府と安全保障機関による冷静な対応を信頼し、国民の団結を最優先にしてほしい」と呼びかけました。

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