カンボジア国防省、タイとの国境緊張を背景に「軍の撤退は一切ない」と声明

タイとカンボジアの国境地帯で緊張が続く中、カンボジア国防省は2025年6月9日、自国の主権領域から軍を撤退させたとの報道を否定する声明を発表しました。声明では、現在もすべての部隊が主権の範囲内に正当に配置されていると強調し、領土保全に対する揺るぎない姿勢を示しています。

声明の主な内容は以下のとおりです。

１，軍の撤退は行っていません
　カンボジアの主権が及ぶ地域、特に長年にわたって駐留している拠点から、軍が撤退した事実はないと明言しています。

２，すべての軍事行動は自国領内で合法的に実施されています
　部隊の配置、展開、調整、動員といったあらゆる軍事行動は、国の主権の枠内で行われており、領土保全を目的としたものだとしています。

３，平和的解決を支持しつつ、必要があれば即応します
　カンボジア軍は紛争の平和的解決を望んでいるものの、領土への侵害があった場合には、政府の命令に従って即座に対応する準備ができていると述べています。

４，タイとの国境問題については協議を継続します
　未解決の国境エリアについては、タイとの**合同国境委員会（JBC）**を通じて協議を続けていく方針です。一部の争点については、**国際司法裁判所（ICJ）**への提訴も検討されています。

さらにカンボジア国防省は、国民および報道機関に対し、信頼できる情報源として政府および国防省の公式声明に基づく情報のみを参照するよう呼びかけています。誤情報の拡散を防ぐため、未確認の情報には注意するよう求めています。