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タイの記録遺産3件がユネスコ「世界の記憶」に登録

2025年5月1日 配信

タイの記録遺産3件が、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の「Memory of the World Register(世界の記憶名簿)」2025年版に新たに登録されました。2025年4月30日にタイ広報局が伝えています。



今回登録されたのは以下の3件です。

1. The Manuscript of Nanthopananthasut Kamlaung
18世紀に制作された、全190ページのコーイ紙に書かれた写本で、仏陀がナントパナンタナーガ(蛇神)を調伏する姿を描いた仏教文学を翻訳・脚色したものです。アユタヤ時代における仏教、翻訳、多言語リテラシー、写本文化の交差を象徴しており、文学や歴史、美術、仏教研究の分野で高く評価されています。電子化によって広く公開され、仏教コミュニティからも精神的な支持を集めています。序文の詩は、国際的な災害時などに「吉兆・寛容・平和」を祈って歌われることもあります。

2. The King of the White Elephant and the Archival Documents
1940年に製作された英語劇映画『The King of the White Elephant and the Archival Documents(白象の王)』は、同名の英語小説を原作とする35mm白黒映画で、戦前のタイ映画としては唯一現存しています。国際的な配給を意識して制作されたこの作品には、平和と外交のメッセージが込められており、タイの伝統芸能と西洋の映画技術が融合しています。歴史的・文化的資料としても非常に貴重な映像作品です。

3. The Birth of the Association of Southeast Asian Nations (ASEAN)
(Archives about the Formation of ASEAN, 1967–1976)
インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイの4か国によって共同提出されたアーカイブ資料で、ASEAN創設に関する歴史的文書、写真、映像、音声、口述記録などが含まれています。1967年のASEAN設立宣言などが収録されており、互いに信頼関係を築こうとする地域外交の出発点を記録した貴重な資料群です。新興独立国が国際政治の中でどのように影響力を発揮したかを示す証拠でもあり、「ASEAN方式」と呼ばれる外交姿勢の原点ともされています。

これまでにもタイからは、「ワット・ポーの碑文アーカイブ」「ラームカムヘーン大王碑文」「プラタートパノム縁起の葉書文書コレクション」などが世界の記憶に登録されており、同国の文化的豊かさを象徴しています。

ユネスコの「世界の記憶」プログラムは1992年に創設され、風化や災害の危機にある人類の記録遺産を保護し、広くアクセスできるようにすることを目的としています。

 

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