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「ありがとう」の反対語|タイの変人ポーにインタビュー

2026年5月30日 配信

インタビュアーのひと言

スマホ一つで買い物から仕事、エンタメまで何でも完結する令和の現代。世の中が便利になればなるほど、なぜか私たちの心はカサカサに乾いていくような、奇妙な焦燥感を覚えることはありませんか?「都会の人は冷たい」なんてよく言いますが、それは個人の性格の問題ではなく、便利すぎる環境が人の心を摩耗させているのかもしれません。今回、タイを拠点に「人間力」を提唱する変人ポーが切り込んだのは、私たちが日常で何気なく使っている「ありがとう」という言葉の裏に隠された恐ろしい罠、そしてこれからの時代に個人の市場価値を爆上げするためのキャリア論です。自動化が進む社会で生き残るヒントが、このインタビューに隠されています。
(インタビュアー:梅田隼人)

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「ありがとう」の反対語は?

梅: ポーさん、今回は「ありがとう」の反対語をテーマに、これからの時代を生き抜くための「人間力」や市場価値の高め方についてお伺いしたいと思います。さっそくですが、「ありがとう」の反対語とは一体何なのでしょうか?

変: はい、どうも。変人ポーです。答えを言ってしまうと、「ありがとう」の反対語、それは「あたりまえ」です。

梅: 「あたりまえ」、ですか?「どういたしまして」や「ごめんなさい」ではなく?

変: そうです。「ありがとう」という言葉の成り立ちを紐解けば、すぐに腑に落ちますよ。「ありがとう」は漢字で書くと「有難う」「有り難い」、つまり「有ることが、難しい」と書きます。本来は「こんなことは滅多にない、奇跡のようなことで、本当に感謝します」という意味なんです。昔の時代劇で使われる「有り難き幸せ」というセリフがまさにそれですね。

梅: なるほど。「滅多にない奇跡」の対義語だから、「あって当然」の「あたりまえ」になるわけですね。

変: その通りです。では、今の時代はどうでしょう。テクノロジーが進化して社会システムが効率化された結果、かつては「有ることが難しかった」奇跡のような出来事が、次から次へと「あたりまえ」に変わっていきました。夜中に急にお腹が空いても24時間開いているコンビニがある、ボタンをポチッと押せば翌日には荷物が届く、遠く離れた人といつでも顔を見て話せる。これ、数十年前の人から見たら全部魔法の様であり、奇跡ですからね。

梅: 確かに、便利すぎてそれが日常の風景になってしまっています。

変: でも、私たちはそれを「あたりまえ」だと思ってしまっている。そこに「有り難い」という感謝の気持ちはなかなか生まれません。便利になればなるほど「あたりまえ」が増え、それに反比例して「ありがとう」が減っていく。これは単に言葉が一つ減るという表面的な話ではなく、感謝の心がなくなることで、人の心が少しずつ冷たく、機械的になっていくということなんです。世の中がギスギスしたり、人との繋がりが希薄に感じられたりする根本的な原因は、実はここにあると私は思っています。

梅: 身につまされるお話です。私自身も、生活の利便性に慣れきってしまっている部分があります。

変: いや、何を隠そうこの私だって、ついつい便利さに溺れてしまうことがありますよ。ネット注文した商品が時間通りに届くのを「あたりまえ」だと思って、玄関で受け取るときに愛想なくも受け取ってしまう。後から「あぁ、あの人も雨の中、重い荷物を運んでくれたんだよな……『ありがとう』の一言くらい、ちゃんと心を込めて言えばよかった」なんて、一人で反省会をしていますからね。情けない話ですけど。でも、この「あたりまえ」という感覚こそが、これからの時代、人生の満足度や自分自身の存在意義を静かに、しかし確実に蝕んでいく恐ろしい罠なんです。

AI時代に価値が爆上がりする「人間力」

梅: 便利さと引き換えに、私たちは大切なものを失っているのですね。それが、変人ポーさんが一貫して発信されている「人間力」につながるのでしょうか?

変: その通りです。そしてこの「人間力」こそが、これからのAI時代に何よりも求められ、個人の市場価値を爆発的に高める最大の財産になります。世の中が便利になって失われるのは「ありがとう」という感謝の心だけではありません。それとセットで、人間らしい温もりや相手を思いやる心、つまり「人間力」そのものが失われていくんです。

梅: 昨今は「AIが人間の仕事を奪う」というキャリア論が盛んに議論されていますが、その点についてはどうお考えですか?

変: 私はその意見に対して、半分正解で、半分間違いだと思っています。確かに、計算したり、分析したり、決められた作業をこなしたりする仕事は、どんどんAIに置き換わっていくでしょう。でも、感謝を伝えたり、誰かを励ましたり、相手の心の機微を察して行動したりするような、人間的な温かみや「人間力」だけは、絶対にAIには真似できません。むしろ、社会全体が効率化・自動化されればされるほど、人間らしい心の働きができる人の価値は、相対的に爆発的に上がっていくんです。

梅: 具体的には、どのような差として現れるのでしょうか。

変: 考えてみてください。レストランに行ったとき、完璧な配膳ロボットに無表情で料理を運ばれるのと、少しドジだけど「お客様、今日のおすすめはこちらなんですよ!」ととびっきりの笑顔で話しかけてくれる店員さん、梅田さんはどちらの店に「また来たい」と思いますか?どちらのサービスに心を動かされ、お金を払いたいと思いますか?

梅: それは間違いなく、後者の温かみのある店員さんですね。

変: 答えは明白ですよね。でも、恐ろしいことに世の中のほとんどの人は、この真実に気づいていません。あるいは薄々気づいていたとしても、目の前の便利さや楽な方へと自ら流されていってしまう。だって、その方が楽ですから。いちいち感謝したり、人のことを考えたりするのって、ちょっとエネルギーを使いますからね。だからこそ、今この話を聞いて「ハッ」としたあなたには、市場価値を大きく高めるチャンスがあるわけです。

「その他大勢」を抜け出すための二つの覚悟

梅: 周りが便利さに流されている今だからこそ、意識的に人間力を磨くことで差別化ができる、と。

変: ただし、先にお伝えしておかなければいけないことがあります。これには「覚悟」が必要です。周りがみんな便利さに溺れていく中で、一人だけ人間力を磨こうとするのは、正直しんどい時もあります。マイノリティ、つまり少数派になるということですから。「あの人、ちょっと面倒くさいよね」「いちいち熱いんだよな」なんて、陰で言われることもあるかもしれない。私なんて年中言われていますからね、「変人ポー」ですから(笑)。でも、その覚悟さえあれば道は開けます。

梅: その覚悟とは、具体的にどのようなものでしょうか。

変: 大きく分けて二つあります。一つは、「初心忘るべからず」という覚悟です。どんなに便利な世の中になっても、感謝の心を忘れない。どんなに自分が成功して経験を積んでも、謙虚な心や素直な気持ちを忘れない。これが、便利さという名の沼に溺れないための、唯一の浮き輪になります。

梅田: 常に自分を律する軸を持つということですね。では、もう一つの覚悟とは?

変人ポー: こちらの方が、もっと重要かもしれません。それは「批判される覚悟」です。いいですか、よく聞いてください。あなたが何か新しいことを始めようとしたり、周りと違う生き方を選ぼうとしたりすると、必ず批判してくる人が現れます。これはもう、100%です。断言します。

梅田: なぜそれほどまでに断言できるのでしょうか。

変: 人間は本能的に「変化」を嫌う生き物だからです。今まで通りのやり方の方が楽だし、安心できる。新しいことを理解しようとするよりも、それを批判する方がよっぽど簡単で気持ちがいいんです。他人を批判して、愚痴、文句、悪口、非難の言葉を口にすることで、自分がまるで偉そうな、優位に立ったような錯覚に浸れますからね。でも、皮肉なことに、これだけ変化の激しい時代において「変化しないこと」こそが、最大のリスクなんですよ。

梅: 変化しないことがリスク……。ただ、さきほど「初心を忘れるな」とおっしゃいましたよね?それと「変化する」ということは、矛盾しないのでしょうか。

変: 素晴らしい。良いツッコミです!実はそこが、今回の一番のキーポイントなんです。私たちの中には、「絶対にブレてはいけない軸」と、「時代に合わせて柔軟に変化させていくべき部分」が同時に存在します。変えてはならないものと、変えていかなければならないものの二つがあるということです。

梅: その二つの切り分けについて、詳しく教えてください。

変: まず「変えてはならないもの」。それは、感謝の心、誠実さ、愛情、友情、そして人間力の核となるあなたの信念です。これはいわば、あなたの人生という船の「碇(いかり)」です。一方、「変えていかなければならないもの」。それは、仕事のやり方、使っているツール、情報の集め方、そして固定観念や常識です。これらは船でいうところの「帆(ほ)」や「舵(かじ)」にあたります。時代の風を読まずに古い帆を張りっぱなしにしていたら、船は進まないどころか転覆してしまいますよね。

梅: なるほど。内面の信念(碇)はしっかりと保ちながらも、手法や環境への適応(帆や舵)は柔軟に変えていく必要があるのですね。

変: そういうことです。碇を降ろして自分の軸をしっかり保ちつつ、時代の風を読んで帆や舵を柔軟に操る。この二つを両立させる覚悟。そして、新しい航路に進むときには、必ず港から「やめておけ!」という野次が飛んでくる。それを振り切って進む覚悟。これらの覚悟が、あなたを「その他大勢」から「かけがえのない存在」へと引き上げてくれるんです。

今日からできる、人生を変える小さな一歩

梅: 非常に深いキャリア論であり、生き方のアドバイスですね。私たちが今日から実践できる具体的なアクションはありますか?

変: これからの時代、多くの人が便利さの中で人間力を失っていきます。「ありがとう」は「あたりまえ」に変わり、人の心は少しずつ乾いていく。そんな時代だからこそ、あなただけが意識して「人間力」を磨き続ける。その大切さを知っていれば、社会は、世界は、必然的にあなたを必要とするようになります。周りから見たら、ちょっと変わった「変人」に見えるかもしれませんが、その先には、誰かの役に立っているという確かな実感、自分の存在意義を感じられる日々、そして心から「生きててよかった」と思える満たされた人生が待っています。

梅: そのために、まず何から始めればよいでしょうか。

変: 明日から、いや、このインタビューを読み終えた直後からできる、魔法のような習慣を一つだけお伝えします。それは、「一日一回、あたりまえに『ありがとう』を添える」ことです。

梅: あたりまえに、ありがとうを添える…。

変: はい。コンビニで買い物をして、お釣りを渡してくれた店員さんに、少しだけ顔を上げて「ありがとう」。毎日使う駅のホームを掃除してくれている方に、心の中で「いつもありがとう」。当たり前のように届く宅配便の配達員さんに、「雨の中、ありがとうございます」。声に出すのが恥ずかしかったら、最初は心の中だけでも構いません。今まで素通りしていた「あたりまえ」の出来事に、意識的に「ありがとう」というスポットライトを当ててみる。

梅: それなら、今すぐにでも始められそうです。

変: その小さな、本当に小さな意識の変化が、乾いた心に潤いを与え、錆びつきかけた人間力を呼び覚ます最初の、そして最も重要な一歩になります。その一歩が、いずれあなたを、社会から、世界から「有り難い」と思われる存在へと変えていくのですから。

変人ポー
本名:苅部俊雄
YouTubewww.youtube.com/@curly-uni
1978年、神奈川県生まれ。専門学校神田外語学院(KIFL)卒業。2002年に初めて来タイ、以降は主にタイ在住。。2000~2015年までの下積み時代には27回転職、26回引越、5ヶ国に住み、5社の起業を経て現在に至る。2010年、NPO法人日本PR(東京都)理事長。2017年、一般社団法人全国龍馬社中第189番加盟タイ龍馬会会長。2022年、『変人ポーの人間力』『変人ポーの平和論』(共に幻冬舎)を二冊同時出版。2023年、プーケット移住に伴い隠居。

<内容紹介>
変人ポーの人間力
もっと早く読んでいれば……!母国日本の未来を圧倒的スケールと独自哲学で綴る啓蒙書。テクノロジーの現代に必見の英知を凝縮した一冊。葉装家 稲荷重藏氏推薦!

変人ポーの平和論
世界80億人が必見!”それ”を維れ新めるにはこの本にあるような教育が必要だ。教育は、全てである。 郷士坂本家十代目 坂本匡弘氏推薦!

全国の書店、Amazon、Kindleにて好評発売中!

『変人ポーの人間力』『変人ポーの平和論』二冊同時出版をしたその理由とは!?
別書『人間力』はこれからの時代における自己啓発がテーマとなる。具体的にはテクノロジーとグローバル社会においての“超実践的”自己啓発本で、本書『平和論』 はその“超具体的”方法論の一つをまとめた内容となっており、両書は“対”になっていることが特徴だ。そしてこれは“知識”と“知恵”の対のことであるとも言えよう。つまり、知識の『人間力』、知恵の『平和論』ということにもなり、どちらか一方が欠けてもその魅力は半減してしまう。

ここで知識と知恵の違いについては、変人ポーの言葉をそのまま引用する。

「知識はあくまで知識だ。知識は行動を伴うことにより知恵となる。そして、この知恵は答そのものだ」

よって書籍『人間力』だけでは単なる自己啓発本に過ぎず、これでは従来の自己啓発本とともに単なる知識で終わってしまうこととなる。書籍『人間力』は、知恵の『平和論』という背景があってより現実的な哲学として完成する。

また書籍『平和論』だけでは机上の空論、あるいは“事実と意見の違い”もわからぬままに誤解され兼ねない。書籍『平和論』は、知識の『人間力』という裏付けがあってはじめて現実的な方法論となる。

本書を読み終える時にはこの意義が本当の意味で理解していただけることを祈念しつつ、ここに紡いでいく。

<『変人ポーの平和論』はじめにより抜粋>