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タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は、2025年最終四半期の社会状況報告の中で、近年の子どもの発達問題に警鐘を鳴らしました。特に2010年から2024年生まれのいわゆる「Gen Alpha」「Gen Beta」世代において、発達の遅れがみられるケースが指摘されています。2026年2月24日にタイ政府メディアNBT Connextが伝えています。
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調査によると、タイの就学前児童のうち「年齢相応の発達」と評価された割合は81.6%で、政府目標の85%を下回りました。とくに遅れが目立つのは「言語の使用」と「言語理解」の分野で、社会的相互作用の基盤となる重要な能力です。こうした遅れが、自閉症に類似した行動、いわゆる「疑似自閉症(Pseudo-autism)」のような状態として現れることがあるとしています。
背景の一つとして挙げられたのが、年齢に見合わない長時間の画面使用です。1歳未満の子どもの44.1%が1日1時間以上画面を使用しており、2~4歳ではその割合が72.44%に上ります。世界保健機関(WHO)は4歳未満の子どもについて、画面使用は1日1時間未満とするよう推奨しており、タイの子どもたちの多くがこの基準を超えている実態が浮き彫りになりました。さらに、接するコンテンツの内容や形式も注意力や行動面に影響を与える可能性があると指摘されています。
もう一つの要因は、子どもが親と同居していない家庭の増加です。15歳未満の子どもがいる世帯のうち約26.5%、およそ180万世帯で、子どもが親と暮らしていない状況にあります。高齢者が養育を担うケースでは、健康上の制約などからスマートフォンやゲーム機が“代替的な子守役”となる傾向もみられるといいます。
海外では、子どものデジタル機器利用に関する規制や指針が進んでいます。シンガポールでは18か月未満の画面利用を避けるよう求め、6歳までは1日1時間以内としています。日本では「Protection of Children Online(PCO)by Design」の考え方に基づき、子どもに配慮した技術設計と制度的管理が進められています。英国でも「Online Safety Act 2023」によりオンライン上の安全対策を強化しています。
報告は、タイでも子どもの画面利用をめぐる明確な政策や支援策の検討が必要な時期に来ていると提言。親子が質の高い時間を共有できる環境づくりを進めなければ、将来的な発達リスクが拡大する可能性があるとしています。
子どもは国の重要な人的資源であり、その健やかな成長をどう守るかが、今後の社会課題として改めて問われています。
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