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本来は強い痛みの治療に使われる医療用鎮痛薬「トラマドール(Tramadol)」が、タイでは若者の間で乱用され、社会問題となっています。咳止め薬や清涼飲料などと混ぜて服用し、精神作用を得る目的で使用するケースが多発しており、当局はついに規制を強化しました。2025年10月15日から、17歳未満への販売が全面的に禁止されます。
タイ食品医薬品局(FDA)は、2025年9月29日付の官報で「トラマドールの販売に関する基準・方法・条件」を公布しました。対象となるのは、トラマドールの単剤(純粋な成分)と他の薬剤との配合剤の両方で、いかなる場合でも17歳未満への販売は禁止されます。今回の規制は、不正使用や乱用を防ぎ、適正な医療利用を確保することが目的です。
薬局では、薬剤師が処方箋に基づいて厳格に販売を管理する必要があり、錠剤・カプセルの販売は1回につき最大20錠(カプセル)までと制限されます。注射薬や配合薬などの販売についても、適正な使用目的に限られます。販売対象者の年齢確認も必須となり、違反した場合は薬事法に基づく罰則が科される可能性があります。
製造・輸入業者や卸売業者については、販売先を許可を受けた薬局や医療機関などに限定し、卸売数量を1か所あたり月1,000錠(カプセル)までと定めています。これを超える場合は食品医薬品局への申請・承認が必要です。また、すべての販売・流通は「Track and Trace」と呼ばれる医薬品追跡システムを通じて報告しなければなりません。
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