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タイ警察中央捜査局(CIB)は、静かに忍び寄る3台の“重圧”を見逃さなかった。パッタニー県の幹線道、石や砂を満載した大型トラックが、検問を回避するかのように進んでいた。それはただの偶然だったのか、あるいは用意された逃避行だったのか。果たして、その真偽を見極められるのは、天のみだったかもしれない。
CIB傘下の高速警察隊はすでに動いていた。事前に得た情報をもとに、包囲するように布陣。やがて姿を現したのは、白のミツビシ、そして青のいすゞ2台。6輪の巨体が列をなし、ゆっくりと進行していた。警察官は一歩前に出て、合図を送った。その瞬間、事態は止まった。
即時の検査で明らかになったのは、全車両が15トンを超過していた事実。最大で16,515キロ。さらに、運転手はいずれも運転免許を所持しておらず、輸送の資格すら持っていなかった。数字の羅列は、法の境界線を越えた静かな証拠となった。
「越えてはならぬ道を、彼らは選んでしまったのか」そう心の中で叫んだかどうかは不明だが、3名はそのまま現場で身柄を確保され、証拠車両と共にコークポー署へ送致された。どこから来て、どこへ向かっていたのか──それを知る者はいない。ただ、CIBだけが“その時”を待っていたという事実だけが、記録として残った。
タイ中央捜査局(CIB)
プロフェッショナルで中立、国民と共に。
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