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タイ北部のチェンマイ県では、6月中旬に予想される降雨に備え、都市部の冠水リスクを軽減するための対策が強化されています。とくに低地にある住宅地では少量の雨でも水がたまりやすく、県当局は排水能力の向上を目的に、新たに高性能の排水ポンプ3基を追加配備しました。2025年5月31日にタイ政府メディアNNTが伝えています。
5月30日、チェンマイ副知事は、チャンクラン地区スリウォン路地に設置された新型排水ポンプの点検を行いました。このポンプは毎分2万8000リットルの排水能力を持ち、同地区のクローンクルーワイ運河近くに設置されました。今回の配備は、すでに県内で稼働中の4基のポンプに加えられる形で、対象地域には県都ムアン地区のほか、シーピン、チャンプアック、ハンドン区ノントーンパッタナー、そして冠水リスクの高いカットコム地区も含まれています。
これらの措置は、知事の指示のもと、防災局との連携により実施されています。
同日午前には、副知事がサンサーイ郡メーテー村を訪れ、ピン川の水位観測地点であるP67ステーションを視察。同行した郡職員や地域ボランティアとともに、同地点での水位が0.60メートル、流量が毎秒90.70立方メートルであることを確認しました。現在の水位は緊急対応レベルには達していませんが、季節的な降雨の傾向から警戒は続けられています。
P67ステーションは下流域、特にナワラット橋近くの中心部にあるP1水位観測所の予測にも影響を与える重要地点とされており、今後も水位の継続的な監視が行われます。
チェンマイ県内では現在、緊急指定地域は確認されていないものの、各自治体には水路の清掃、設備の点検、緊急対応計画の準備などが指示されています。県当局は、予期せぬ豪雨や冠水に対して万全の体制で臨むとともに、住民生活への影響を最小限に抑える方針です。
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