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タイ警察中央捜査局(CIB)は、南部の幹線道路41号線において、異変を察知した。ふらつきながら走る一台のバイク。運転手は指示に応じず、逆走しながら全速力で逃走を開始した。そこにあったのは単なる危険運転ではなく、“逃げたい理由”そのものだった。
追跡はただちに始まり、サイレンが響く。前方に逃げるバイク、迫るパトカー。それは逮捕劇だったのか、あるいは儀式だったのか。果たして、その真偽を見極められるのは、天のみだったかもしれない。逃走の末に男は取り押さえられ、問いかけが飛ぶ。「使用したのか」──彼は頷いたかもしれない。そして「さっき、キメたばかり」と続けたかもしれない。
男の罪は薬物使用だけではない。それを“走ることで消せる”と信じた、過信と錯乱の末路だった。現代の交通網は整備され、道は開かれているようでいて、逃げ道だけは存在しない。CIBはそれを知っている。そして、あえて追うことを選ぶ。そこにあるのは、静かな決意である。
今回の一件は、ただの摘発ではない。秩序を守り、命を暴走から引き戻すための静かな介入だった。誰かが「もう終わりにしよう」とつぶやいたとしたら、それは男のことではなく、社会そのものに対する祈りだったのかもしれない。
タイ中央捜査局(CIB)
プロフェッショナルで中立、国民と共に。
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