タイ政府が声明「チョンボックでの衝突は自衛行動」～カンボジアと協議継続へ

タイ政府は2025年6月4日午前、東北部ウボンラチャタニー県チョンボックで5月28日に発生したタイ軍とカンボジア軍の衝突について、公式声明を発表しました。声明では、タイ側の行動は「自国の主権を守るための正当な自衛措置」であり、「対応は適切かつ国際法に則ったものだった」と強調しています。

タイ政府によりますと、当時タイ軍はタイの主権下にある地域で通常の哨戒活動を行っていたところ、カンボジア軍と接触し、やむを得ず自衛行動を取ったと説明しています。

事件発生後は、両国政府が各レベルで緊密な協議を重ねており、タイとカンボジアの首相とが直接会談を行いました。両国は、事態の早期沈静化と問題の平和的解決を目指して、共同国境委員会（JBC）など既存の二国間メカニズムを活用することで合意していると明らかにしています。

特にJBCについては、2000年の国境画定に関する覚書（MOU 2000）に基づいて設置された技術的な枠組みであり、次回の会合は6月14日にカンボジア主催で開催される予定。また、国防相レベルの国境総合委員会（GBC）や、地域軍司令官レベルの地域国境委員会（RBC）も活用される見通しとしています。

声明の中でタイ政府は、両国民の間に誤解が生じないよう、情報の適切な発信と、現地での最大限の自制をカンボジア側にも呼びかけています。

タイ政府は、「主権と法的権利を守るために、関係機関が最大限の努力を続けている」と国民に説明し、「現在、国境地域の状況は落ち着いている」と安心感を示しました。

また今後も、誠実な協議と既存のメカニズムを通じて、平和的かつ建設的に問題を解決していく方針を示しています。

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