タイ農業省、21分野で大規模な農業法改正へ　競争力強化と持続可能な成長を目指す

タイ農業・協同組合省は、農業分野の国際競争力を高め、透明性の高い持続可能な農業システムを築くため、21の主要分野にわたる農業関連法の大規模な改正を進めています。老朽化した規制を現状に合わせて見直し、農家にとって利用しやすい制度へと改善することが目的です。2025年11月24日にタイ広報局が伝えています。

省内では、各分野ごとに専門委員会が設置されており、迅速かつ実効性のある改革を実現するための作業が進められています。

 作物分野（野菜・果物・ドリアンなど）

野菜や果物、生ドリアンに関する法律を改正し、生産者や輸出事業者の負担を減らす方針です。不要な規制や過度な罰則を見直し、輸出機会の拡大につなげます。

 漁業分野

水産物のサプライチェーン全体の透明性強化、水産飼料のコスト削減、生産履歴を把握できるトレーサビリティシステムの構築を進めています。

 畜産分野

家畜の健康情報を電子化した「電子アニマルヘルス証明書（e-AH Certificate）」を導入します。また、加熱加工品の定義を明確にし、特定の動物には健康証明書を発行する仕組みを整え、国際的な安全基準に沿った管理体制を強化します。

 農業サービスの近代化

農家が先端技術や高品質なサービスを適正価格で利用できる「Agriculture Service Provider（ASP）」制度を導入し、農業の機械化・デジタル化を後押しします。

 EU市場への対応

輸出先として重要な欧州連合（EU）の森林破壊防止規則（EUDR）への対応を支援し、高付加価値市場への安定供給を目指します。