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タイ政府、国籍を持たない子どもの就学支援を検討へ

2025年10月29日 配信

2025年10月28日、タイ政府は閣議で、タイ国内に住む「戸籍や国籍を持たない子ども」に対して教育を受ける権利を保障するための提言を了承しました。提言は国家人権委員会(国家人権委員会)がまとめたもので、教育省を中心に関係省庁と協議を進め、30日以内に検討結果を報告するよう指示しています。タイ政府広報局が伝えています。



背景:5つのグループが教育機会から取り残される

国家人権委員会の調査によると、国籍を持たない子どもや戸籍登録のない子どもは、教育だけでなく居住・医療などの基本的権利の面でも不利益を被っているといいます。
同委員会は、こうした子どもたちを以下の5つのグループに分類しました。

1.登録上の身分を持たない子ども
2,外国人労働者の子ども
3,教育目的で単身入国した子ども
4,国境地帯を往来する子ども
5,一時避難キャンプに住む子ども

このうち4と5のグループはすでに国から支援を受けていますが、最初の3グループは教育・医療へのアクセスが依然として難しい状況にあります。

国家人権委員会が求める制度改革

国家人権委員会は、すべての子どもに平等な教育機会を与えるため、次のような改善策を政府に提案しました。

・内務省と国家安全保障会議
 外国人労働者の子や単身留学生が一時的に合法的に滞在できるよう特別許可を設け、身分登録と身分証の発行を行う。

・教育省
 外国人児童学習センターでの在籍者に全国共通の学籍番号を付与し、内務省データベースと連携させて学習履歴を管理する。

・教育省と保健省
 外国籍の生徒にも加入できる医療保険制度を整備し、保護者が負担可能な保険商品を選択できるよう、保険委員会と協議する。

「教育はすべての子の権利」

国家人権委員会のワサン・パイリクリ委員は、「タイ憲法と教育法は、すべての子どもに少なくとも12年間の無償教育を保障している」と強調しました。

さらに、2005年7月5日の閣議決定でも、国籍を持たない子どもが全国どこでも教育を受けられるよう制度を拡大しており、学籍登録・修了証の発行・予算支援もタイ国籍の子どもと同等に扱うことが確認されています(ただし戦闘地域からの避難民は除く)。

国際的な人権基準にも合致

今回の提言は、タイが締結している以下の国際条約にも沿う内容です。

・市民的及び政治的権利に関する国際規約
・経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約
・子どもの権利条約

これらはいずれも、「国籍の有無に関わらず、すべての子どもが教育を受ける権利を持つ」と定めています。

 「教育こそ格差是正の鍵」

国家人権委員会は最後に、「教育は社会の不平等を是正し、人生の質を向上させる鍵である」と強調。
政府と関係機関に対し、法制度の障壁を取り除き、すべての子どもが真に教育の機会を得られる社会を実現するよう呼びかけました。

 

 

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