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著作権に対する理解や対応が、まだ十分とは言えない面も残るタイ。そんな中、商務省知的財産局(DIP)が立ち上がりました。バンコクのクイーンシリキット・ナショナル・コンベンションセンターで2025年10月9日 ~ 10月19日に開催の「第30回ナショナル・ブックエキスポ(Book Expo Thailand 2025)」に出展し、作家や出版社に向けて著作権法の正しい知識を共有するセミナーを行いました。
今回の取り組みは、商務省の「Quick Big Win」政策の一環。クリエイティブ産業の中心を担う出版業界において、権利意識と法的リテラシーを高め、持続的な収益モデルを築くことを目的としています。
オルモン・サップタウィータム知的財産局長は「コロナ禍を経て、タイの出版業界はデジタル化とオンラインプラットフォームの成長により大きく変化した」と説明。タイ文学の多言語翻訳や映像化が進み、2025年の市場規模はついに2万億バーツ(約820億円)を突破。今後も成長の余地が大きいと強調しました。
イベントでは、著作権と産業財産権(特許・商標など)の違い、保護期間や翻訳権の扱い、SNSやオンライン上での利用時の注意点など、実務的なテーマを分かりやすく紹介。多くの作家、出版社、読者が参加し、活発な質疑応答が交わされました。
同局はこれまでも、ウェブトゥーン制作講座や脚本コンテスト「T-Toon Script Contest」など、クリエイター育成プロジェクトを継続して実施。入賞作品『ゲーム・ラングカム(業を洗うゲーム)』は小説やドラマとして展開されるなど、著作権ビジネスの好例となっています。
知的財産局は今後も、創作の自由と権利保護の両立を目指し、出版・コンテンツ産業のさらなる発展を支援していく方針です。
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