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タイ特別捜査局(DSI)が2025年7月9日に明らかにしたところによると、ナコーンシータンマラート県のトゥンソン地方裁判所が下した判決内容を、2025年5月22日に発表しました。同判決は、タイ国内で最大規模とされるコールセンター詐欺組織に関与した70人に対し、有罪を言い渡したものです。
この事件は、2023年11月頃、タイ人と中国人のグループがタイ国内の建物を拠点に詐欺活動を行っていたことが発端。グループは同県のホテル形式の建物5棟(全22室)を事務所として使用し、外国人をターゲットとした詐欺行為を電話やチャットを通じて展開していました。使用言語は中国語、日本語、ロシア語、タイ語で、翻訳ツールを駆使して会話を行っていたとされます。
2024年3月28日、DSIは複数の機関と連携して同県内の3カ所を一斉に捜索し、さらに捜索中にもう1カ所を追加。中国人52人、タイ人19人の計71人を拘束しました。押収品には、パソコン223台、スマートフォン1,001台、iPad14台、SIMカード298枚、銀行口座の通帳86冊、その他の物品が含まれています。また、中国のパスポートが多数確認され、うち一部はカンボジアへの出入国歴や、滞在超過の形跡も見つかっています。
その後の捜査で、中国人52人、タイ人16人、法人2社の計70名(1名は不起訴)が起訴され、組織犯罪、詐欺、コンピュータ犯罪法および技術犯罪対策令に基づく複数の罪状で裁かれました。
裁判所は、首謀者に対して懲役24年の実刑判決を下すなど、被告人1〜68(個人)に対しそれぞれ懲役刑を言い渡しました。また、法人2社に対してはそれぞれ88,000バーツの罰金を科しました。
さらに、被害に遭った日本人2人への返金も命じられており、1人には1,067万円、もう1人には45万円の支払いが命じられました。あわせて、押収された証拠品は没収されることになりました。
タイ特別捜査局(DSI)は今後も国際的な詐欺組織の摘発に取り組む姿勢を示しています。
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