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タイ内閣は2025年6月17日、FIAフォーミュラワン世界選手権(F1)の開催に向けた誘致計画を原則的に承認しました。開催期間は2028年から2032年までの5年間を予定しており、タイ国際会議展示促進局(TCEB)、タイスポーツ庁(SAT)、バンコク都庁による実現可能性調査を経ての決定です。今後は予算局の指針に沿って最終的な予算案をまとめ、内閣の正式承認を目指します。タイ政府メディアNNTが伝えています。
開催予定地はバンコク・チャトゥチャック地区で、クルンテープ・アピワット中央駅や近隣の公園など8か所の公共エリアが想定されています。開催時期は毎年3月または9月の3日間で、観客席は93,000席以上、パドッククラブには4,000席を設け、ファンゾーンも複数整備される計画です。
アクセス手段としては、MRT(地下鉄)、BTS(スカイトレイン)、SRT(国鉄)、バス路線の利用が見込まれ、統一された入場ルートにより混雑を緩和する方針です。
年間の観客数はおよそ30万人と予測され、そのうち約30%が海外からの来場者となる見込みです。イベントによる年間の経済波及効果は1,600億バーツ、付加価値は1,400億バーツと試算されており、およそ8,000人の雇用創出が期待されています。また、税収は年間14億バーツ、新たな投資は年間70億バーツに達する見通しです。
この計画にはスマートインフラの整備や、タイ文化・食・音楽・芸術の魅力を世界に発信する観光振興の取り組みも含まれています。さらに、モータースポーツやSTEM(科学・技術・工学・数学)分野への関心を若年層に広げることも目的としています。
今後はソラウォン・ティアントン観光・スポーツ大臣が、F1グループおよびTCEBと連携しながら、誘致実現に向けたワーキンググループの指揮を執ります。総予算は5年間で最大400億バーツが想定されています。
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