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ネスカフェの商標権を巡って、食品大手ネスレが元パートナー企業を相手取り、5億7,700万バーツ(約23億円)の損害賠償を求める訴訟を起こしました。各報道が伝えています。
この訴訟は、2025年4月上旬にタイ民事裁判所(ミンブリー)が緊急命令を出し、ネスカフェのインスタントコーヒー製品の製造や販売を一時的に禁止したことに端を発します。この命令により、ネスレは8日間にわたり製品の流通を停止せざるを得ず、多額の損失が発生したと主張しています。
ネスレは2025年5月30日付の声明で、訴訟の相手方として、クオリティ・コーヒー・プロダクト社(QCP)の共同出資者2人の名前を挙げています。
現在、訴訟はバンコクの中央知的財産・国際貿易裁判所で進行中で、5月28日には調停が行われましたが、当事者間の合意には至らず、6月9日に争点整理と審理が予定されています。
また、ネスレは今年3月14日、QCPの経営方針を巡る対立により、南バンコク民事裁判所に対してQCPの清算を申し立てており、資産保護と債務整理を目的として管財人の任命も求めています。5月19日には原告側の証人尋問が終了し、6月26日には被告側の証人尋問が予定されています。
ネスカフェの販売は現在すでに再開されていますが、タイ国内の一部小売業者によれば、観光需要の低迷が市場全体の売上に影響を与えているとのことです。とはいえ、主要店舗では迅速な在庫補充により、顧客の離反は回避できたといいます。
ネスレ・タイが今後も輸入に頼るのか、あるいは生産体制の再構築を目指すのか、訴訟の行方が注目されます。
◆Nestlé launches B577m coffee lawsuit
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