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タイ警察中央捜査局(CIB)は、パトゥムターニー県の青果市場にて、違法に持ち込まれたアボカド約10.5トンを一斉に押収した。段ボールには「Mango」と記され、スプレーで塗りつぶされた文字も見えた。だが、箱の中にあったのは、紛れもなくアボカド。言葉を偽り、姿は隠せず――それは“果実の仮面”だったに違いない。
小型トラック、鉄柵つきの荷台、無造作に積まれた421のバスケット。そこに詰められた緑の重量は10,500キロ。総額120万バーツの密やかな運搬。それは果たして、市場への“普通の納品”だったのか、または“計算された密輸”だったのか、いや、そんな問いなど意味はなさない。
CIB傘下の消費者保護部隊は、農業省、税関当局、特別任務隊“パヤナークラーチ”と連携して現地へと踏み込んだ。12の果物販売店。その背後に潜む輸送ルート。ベトナムから届いた緑の波は、静かに国境を越え、商品棚へと並ぶ寸前だった。
「マネして書いただけだ」そう心の中で叫んだかどうかは不明だが、現場にいた誰よりもその目は動揺していた。スプレーで塗りつぶされた表示、上から貼られた別のラベル、税関の視線をかすめた小型配送。すべてが、意図的な偽装だったに違いない。
果物は語らない。だが、その沈黙は、確かに“流通の歪み”を告げていた。CIBは、その声なき訴えを聞き取った。
タイ中央捜査局(CIB)
プロフェッショナルで中立、国民と共に。
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