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第145回 バンコクでサッカーをしている子供達へ -いとたくからのメッセージ-

2013年09月03日

2013年9月6日 掲載

 タイで指導者して本格的に活動を始めて早5ヶ月、何本か取材を受ける事で改めて自分が記してきた足跡を振り返る機会があった。久しぶりに会う友人に最近良く言われるのであるが、”良い顔をしている、イキイキしているね”と…多分好きな事を仕事に出来ているからなのかな。振り返ってみる事で俺、ハッキリ言って今まで自分に対して自信を持てていなかったように思った。

20代の頃は”サッカー選手”だったけど、プロを目指していた訳では無かった。だから自分を紹介する時には結構困っていたんだよね。

30代前半の頃もそう、プロサッカー選手になってJリーグを目指して毎日練習に励んでいたけど…Jリーガーでは無いんだよね。だから胸を張って”サッカー選手です”とは言えて無かったかな。

30代後半にやっとJリーガーになれたけど、試合にはちょこっとだけ出場…本当にJの舞台では何にもしていない。タイでもTPLでは無くDivision 1でのプレーだったからね。Jリーガーと名乗ることが正直後ろめたかった。

タイで一般企業で営業の仕事を1年間やったんだけど、その時に”元Jリーガー”ということで話の糸口には使えていたんだけど、そこはサッカーとは全く別の世界…「今の俺ってどうなの!?」って、力の無さを痛感しながら生活していた。

今はね、”元プロ選手にサッカーを学びに来る”という姿勢で練習に来てくれる子供達・選手達が多くて…ほんと1人1人可愛くて仕方がないんだよね。いとたく、現在39歳…「バンコクの子供達にサッカーを教えています!!」と胸を張って、自信を持って言えているかな。

そしてバンコクで俺にサッカーを学びに来る選手達にはこう伝えている。
「折角プロ選手を目指すのであれば、俺のような中途半端な選手にはなるなっ。俺なんか軽く越えていけるような選手を目指せ。胸を張って”サッカー選手です”と言えるような選手になれっ!!!」

そんな子供達・選手達をスタジアムに将来応援に行くのが、今の俺の夢かなぁ。


伊藤琢矢(いとたく)

アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand
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