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森の静寂を掘り崩す音、CIBが切り裂いた“侵略のスコップ”

2025年9月21日 配信

タイ警察中央捜査局(CIB)は、チェンマイ県オムコイ郡の国有林内で違法な土地占拠を試みていたグループの摘発に踏み切った。捜査にあたったのは天然資源環境犯罪対策部隊。現場では重機を用いた掘削作業が進められており、森林に大穴が開けられようとしていた。



摘発されたのは、国有林に無許可で入り込み、人工の貯水池を造成していた男。警察はこれを、森林を農地へと転用する“布石”と見ている。もし放置されれば、貯水池を起点に水利を利用して、周囲の森林が次々と開墾される危険性があったという。破壊された林地はわずか1仕事弱だが、その裏にある計画は、はるかに巨大だった。

現場に残されていたのは、2百万バーツ超の重機と逃げ去った作業員たちの足跡。警察はこの掘削が単なる個人の犯行ではなく、組織的な違法開発の一環であるとみて、背後関係の追跡を続けている。森林に残された轍は、今も捜査員たちの心に焼き付いている。

担当者によれば、森林を破壊しての農地転用や別荘開発は、洪水や土砂崩れといった災害の原因になるとされ、長期的には地域社会全体に影響を及ぼす。今回のようなケースは氷山の一角に過ぎず、国家全体の森林管理に警鐘を鳴らす事例でもある。

だが、掘り返されたのは土地だけではない。そこに眠っていた欲望と欺瞞、そして環境という言葉の重みが、今ようやく日の下にさらされたのだ。

タイ中央捜査局(CIB)
プロフェッショナルで中立、国民と共に。

 

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