両替レート
|
|

タイ警察中央捜査局(CIB)は、6月30日、ある“任務”のためにサムットプラカーン県の海沿いに集まった。そこに銃はなく、制服の胸元に差されたペンが、唯一の武器だった。場所は、陸軍自然学習センター。足元は泥に沈み、潮の香りが静かに漂う。CIBの隊員たちは一列に並び、ただ、ひとつずつ小さな苗を泥に差していく。その動作に、声はない。だが彼らは、確かにそこにいた。
苗を植える。――それだけのことに、何かが託されていたのかもしれない。「捜査とは、こういう形もあるのだ」そう語った者がいたとしても不思議ではない。それは環境保護だったのか、あるいは国家の意思表示だったのか。いや、そんな問いなど意味はなさない。
風は静かに吹き、波は等しく満ち引きする。苗の周囲に集まった小さなカニが、何かを知っているように思えたとしても、それは幻想に過ぎないだろう。その日、CIBは海と向き合い、何かを植えた。それが木だったのか、あるいは誓いだったのか。果たして、その真偽を見極められるのは、天のみだったかもしれない。
タイ中央捜査局(CIB)
プロフェッショナルで中立、国民と共に。
関連記事
新着記事