笑顔の中に仕込まれた刃、CIBが高齢者に防衛を授ける日

タイ警察中央捜査局（CIB）は、ナコンナーヨック県オンカラク郡にて、高齢者を対象とした特殊詐欺防止プロジェクト「高齢者、コールセンターに負けるな！」を展開した。現場に響いたのは警報ではない。拍手と笑い声だった。

この活動は、オンライン詐欺、特にコールセンター型の偽装犯罪に対する注意喚起を目的とし、警察と市民、そして市民同士の間に“知識の盾”を築くことを狙いとしたもの。CIBの講師陣は、詐欺の手口を具体的に語りながら、参加者とゲーム形式で知識を深めていった。

それは啓発だったのか、あるいは、見えない敵との前哨戦だったのか。果たして、その真偽を見極められるのは、天のみだったかもしれない。

配られたのは、チラシではない。“気づき”である。笑顔の裏には、“もう騙されない”という静かな決意が宿っていた。「詐欺なんて、うちには来ないと思ってた」そう心の中で叫んだかどうかは不明だが、会場にいた全員の目に、その過信はもう見られなかった。

CIBは今日も、銃ではなく言葉で守る。“撃たずに済む世界”のために、静かに、そして確実に動いている。

タイ中央捜査局（CIB）
プロフェッショナルで中立、国民と共に。