米国でH5N5型鳥インフルエンザの人への感染を初確認、死亡例も～タイ保健当局が警戒強化

タイ保健省の発表によりると、米国で鳥インフルエンザ「H5N5」型の人への感染例が初めて確認され、死亡が報告されました。H5N5が人に感染した例は世界で初とされています。2025年11月23日の各報道が伝えています。

H5N5型は通常、動物間で感染するタイプで、人への感染はこれまで確認されていませんでした。タイ疾病対策局の報道官を務める医師によると、今回の患者は高齢で基礎疾患があり、自宅で家禽を飼育していたことが分かっています。米国当局が接触者を調査した結果、現時点で二次感染は報告されていません。

専門家は「H5N5が人に感染したのは初めてであり、ウイルスが動物から人へ跨って感染した可能性がある」と指摘しています。ただし、H5N5型が人から人へ感染した証拠はなく、H5N1型と同様にヒト感染は極めて稀とみられています。

これまでH5N5型はカナダで家禽に、英国でアザラシに感染した例が報告されていましたが、人での感染例はありませんでした。今回のケースについて、タイの専門家は「病気の家禽に防護なしで接触した場合、感染のリスクがある可能性が示された」と説明しています。

なお、H5N5型とH5N1型はウイルスの「Nタンパク質」が異なるものの、予防・治療の基本は共通しており、H5N5型に関する臨床データは現時点では非常に少ないとしています。