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タイ南部スラタニ県の観光地・パンガン島とサムイ島で、イスラエル人による違法な土地取得や名義貸し(ノミニー)を通じたビジネス運営が問題視されています。観光客や地元住民の間で不満が広がり、タイ当局が本格的な調査を開始しました。各報道が伝えています。
近年、パンガン島ではイスラエル人観光客や滞在者が急増しており、一部では「セカンド・テルアビブ」とも呼ばれているそうです。SNS上では「Save Koh Phangan(パンガン島を守れ)」というキャンペーンも立ち上がり、イスラエル人による土地保有やビジネス拡大への懸念が高まっているのだとか。
また、同島にはユダヤ教施設「シャバド」が約3ライ(約4,800㎡)の敷地に建設され、イスラエル人コミュニティの拠点となっているといいます。イスラエル人向けのレストランやヴィラ、ツアー会社なども増加しており、観光業への影響が指摘されています。

10月9日、スラタニ県のティーラット・スパウィブーンポン知事は、関係機関を集めた緊急会議を開き、外国人による不法な土地所有や事業運営の実態解明に向けた「特別調査チーム」の設置を発表しました。
県内の入国管理局によりますと、現在スラタニ県に在留するイスラエル人は約4,000人で、そのうちパンガン島に約2,500人、サムイ島に約1,200人が居住しています。987人が長期滞在ビザを持ち、349人がビジネスビザ保有者だということです。

10月10日、タイ警察庁のキッティラット・パンペット警察庁長官は、第8管区警察に対し、関係機関と連携して事実調査を行うよう指示しました。調査方針として、
外国人による土地・企業所有の実態調査
外国資本を含む企業の資金・株式構成の精査
入国管理局と労働省による労働許可の厳格化
違反者および関与した公務員への処分
の4項目を掲げています。
警察当局によりますと、パンガン島やサムイ島ではすでに、無許可のレンタカー事業やツアー運営、無資格ガイド業務などで複数のイスラエル人が摘発されているということです。

パンガン島ホテル・観光業協会のナリモン・マイソーパ会長は、「過去1〜2年で観光客が200%以上増加し、地元の管理能力を超えています」と話し、「観光は歓迎しますが、質の高い観光客を受け入れるべきです。外国人による事業運営は、法に基づき厳格に管理する必要があります」と述べました。
スラタニ県当局は今後、オーバーステイや不法就労者の摘発を強化するとともに、土地の所有や建設許可に関しても、すべての国籍を対象に調査を進める方針を明らかにしています。
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