冷凍ドリアンの輸出管理を強化、農産物基準の国際信頼性向上へ

タイのアッタコン・シリラッタヤーコン農業・協同組合大臣は、農産物の信頼性を高めるため、冷凍ドリアンの輸出入に関する規制を強化すると発表しました。2025年9月8日にタイ政府メディアNBT Conncetが伝えています。

9月に開催された農産物基準委員会（第3回会合）で、輸入・輸出業者に対し、許可証取得後も取引ごとに関連書類を提出することを義務付ける新規則案が承認されました。これにより、外国産ドリアンを再包装して「タイ産」と偽装する行為を防止し、タイ農産物のブランド保護を図ります。

すでに農業省は「冷凍ドリアンの良好な生産実践基準（GAP）」や「集荷・梱包施設での検査基準」を制定しており、2025年2月からは輸出時に病原微生物4種、重金属カドミウム、禁止色素BY2の検査報告書を全輸送便に添付することが義務化されました。これは貿易相手国の輸入基準に対応し、貿易障壁を減らす狙いです。

さらに同会合では、新たに5つの農産物関連基準案が承認されました。

1. 無焼却農法の基準 ― コメ、トウモロコシ、サトウキビを対象に、栽培から収穫まで「野焼きゼロ」を徹底する指針を策定。大気汚染やPM2.5問題に対応します。

2. サツマイモ基準 ― 生サツマイモの品質・包装・安全性を規定し、消費者への信頼を強化。

3. コメ中のヒ素汚染対策基準 ― 生産から検査・リスク情報の伝達まで包括的に規定し、国内外の市場で信頼確保を図ります。

4. 農産加工食品分類基準（第2巻） ― コーデックス分類を基に、国内で流通する植物由来加工食品を追加整理。国際的な残留農薬検査にも対応。

5. 家畜精液生産センター基準 ― 牛、水牛、ヤギ、ヒツジ、豚を対象に、精液の品質・衛生・遺伝病リスク管理を徹底し、安全性を保証します。

アッタコン大臣は、「今回の取り組みは農産物の国際競争力を高め、世界市場における“タイ農産品”の信頼を一層強化するものだ」と述べました。