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©タイ国立天文学研究所(NARIT)
2025年8月3日深夜、タイ中部・東部・東北部を中心に「緑色の巨大な火の玉が空を横切り、大きな音が響いた」という目撃情報が相次いだ件について、タイ国立天文学研究所(NARIT)は8月4日、これは「爆発型の流れ星(ボライド)」であり、ペルセウス座流星群の一部とみられると発表しました。
この現象が観測されたのは、8月3日午後11時52分から55分頃にかけて。バンコク、アユタヤ、ナコンパトム、チョンブリー、コンケーン、ウドンターニーなど多数の県で、緑色に輝く火球が東の空から約10秒間飛来し、その後爆発音のような音が響いたとの報告が寄せられました。現時点で被害や負傷者の報告はありません。
NARITによれば、この火球は「ボライド」と呼ばれる非常に明るい流れ星で、マグニチュードが-14等級以上、つまり満月よりも明るく、地上から広範囲で観測される特徴があります。高度はおおよそ80~120kmとされ、音が発生するのも珍しくありません。
また、毎年7月17日から8月24日は「ペルセウス座流星群」の活動期であり、今年の極大は8月12日夜から13日未明にかけて、1時間あたり最大100個の流星が観測されると予想されています。今回の火球も、この流星群の一部である可能性が高いとしています。
「母の日流星群」とも呼ばれるこの現象は、スウィフト・タットル彗星の塵が地球の大気圏に突入して燃焼することで発生します。特にマグネシウムを含む粒子は明るい緑色に輝く傾向があり、今回の火球の色とも一致します。
なお、流れ星は毎日大量に地球に到達しており、1日あたり最大48.5トンもの隕石が地表に降り注いでいるとされますが、多くは人のいない地域に落下するため、目撃されることはまれです。今回のように音まで伴う大規模な火球現象は珍しく、注目を集めています。
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