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2025年に入って以降、タイ国内ではデング熱の感染が広がっており、バンコク都庁は市民に対して予防対策の徹底を呼びかけています。都の保健局によりますと、今年1月から5月末までにバンコクで確認された感染者は累計787人で、1人が死亡しました。人口10万人あたりの感染率は14.43人に達しており、全国的な増加傾向と一致しています。各報道が伝えています。
全国では、同期間中に12,144人が感染し、16人が死亡しています。致死率は0.13%と低い水準ですが、デング熱は重症化すると命に関わる恐れがあるため、保健当局は深刻な公衆衛生上の警告として注意喚起を強めています。
バンコク都庁は、市民一人ひとりが日常生活の中で実践できる感染予防策として、「5つのP」と呼ばれる対策を紹介しています。これは、蚊の発生を防ぐための行動5つを、英語の頭文字「P」で覚えやすくまとめたものです。日本語では頭文字が一致しませんが、それぞれの意味を知ることで予防のポイントが見えてきます。
・ひとつ目の「Cover(ふたをする)」は、水をためた容器にふたをして蚊が卵を産みつけられないようにすることです。
・ふたつ目の「Change(水をかえる)」は、花瓶や植木鉢の受け皿の水を週に一度取り替えて、ボウフラの発生を防ぐ方法です。
・みっつ目の「Release(魚を放つ)」では、グッピーなどボウフラを食べる魚を池や水槽に放つことで、自然なかたちで幼虫の増殖を抑えます。
・よっつ目の「Improve(周囲を整える)」は、古タイヤや使わなくなった容器を片付け、蚊の繁殖源をなくすことです。
・いつつ目の「Practice(習慣にする)」は、これらの行動を一時的なものにせず、日々の生活に取り入れて継続することを意味しています。
バンコク都庁は、「デング熱対策は家庭から始まります」と強調しており、市民がそれぞれの暮らしの中でできることを続けることが、感染拡大を防ぐ大きな力になると呼びかけています。これから雨季を迎えるタイでは、蚊の繁殖環境が整いやすくなるため、今のうちからの備えがより一層重要です。
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