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タイ国際航空(THAI)は、アメリカ市場への直行便再開を検討していましたが、経済的な採算が取れないとの判断から計画を見送る方針を明らかにしました。一方で、複数のアメリカ系航空会社との提携を通じて、引き続き米国からの観光客誘致に取り組んでいくとしています。2025年6月2日の各報道が伝えています。
タイ国際航空のチャイ・エアムシリ最高経営責任者(CEO)によりますと、アメリカ連邦航空局(FAA)がタイの航空安全格付けを「カテゴリー2(CAT2)」から「カテゴリー1(CAT1)」へと引き上げたことで、タイの航空会社は再びアメリカ本土への直行便を運航する資格を得ました。
しかしながら、実際に直行便を再開するにあたり事業性を精査した結果、長距離路線における燃料費の高さや運航コストの増大により、収益を確保するのが難しいとの結論に至ったとのことです。
「過去にはロサンゼルスやニューヨークへの直行便を10年以上にわたって運航していましたが、いずれの路線も赤字が続きました。途中に経由地を設けるなどさまざまな工夫を試みましたが、利益を出すには至りませんでした」とチャイCEOは述べています。
さらに、復路となるアメリカ発の便では燃料制限の影響で貨物の積載量が制限され、乗客数も100席以上削減しなければならず、運航効率が著しく低下する点も再開を見送る要因になったと説明しました。
ただし、タイ国際航空はアメリカ市場から完全に撤退するわけではありません。現在、収益全体の30%を欧州からの旅客が占めていますが、アメリカ市場も依然として有望と見ており、6社のアメリカ系航空会社と提携し、乗り継ぎを活用して旅客をタイへ呼び込む体制を維持しています。
「直行便がなくても、提携を通じてアメリカ市場でのプレゼンスを確保し続けることができます」と、チャイCEOは述べました。
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