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偽りの美を裁け、CIBが暴いた顔のない化粧品帝国

2025年5月4日 配信

タイ警察中央捜査局(CIB)傘下の消費者保護警察は、バンコク都内5カ所に一斉踏み込みを実施し、偽造ブランドの化粧品を大量に押収した。対象となったのは化粧水、美容液、未登録品、模倣ラベル──いずれも“美しさ”の皮をかぶった、正体不明の液体たちだった。押収品は計34,806点、被害総額はおよそ436万バーツ。だが、失われた信頼は数字では換算できない。



捜索先はラートブーラナ区およびトンブリー区の倉庫群と、中国人の男が拠点とする高層住宅。CIBはすでに3月、偽製品を販売していたタイ人を摘発しており、そこから浮かび上がった“仕入れ元”が、今回の標的だった。黒幕は、中国から粗悪品を輸入し、タイ語の表示を意図的に省き、合法風に見せかけた商品を市中にばらまいていたという。

容器は本物に酷似していた。だが中身は、違った。それは健康を蝕む毒だったのか、あるいは“見えない嘘”だったのか。果たして、その真偽を見極められるのは、天のみだったかもしれない。

調べによれば、決済にはカンボジア人名義の“口座”が用いられ、商品の流通は倉庫間を転々とする形で分散管理されていた。ネット販売と路面店舗を使った大量拡散。その仕組みは、完璧に“偽物の帝国”だった。

化粧品とは何か。肌に触れる液体か、信用を売る約束か。CIBが押収したのは、商品だけではない。“信じるという行為”そのものだったに違いない。

タイ中央捜査局(CIB)
プロフェッショナルで中立、国民と共に。

 

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