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1964年に違法搬出された仏像4体、米国からタイへ返還へ

2025年5月4日 配信

Prasat Khao Plai Bat IIから持ち出された文化財が約60年ぶりにタイの地へ

1964年にタイ東北部ブリラム県の遺跡から違法に持ち出された4体の青銅仏像が、アメリカ・サンフランシスコのアジア美術館(Asian Art Museum of San Francisco)から返還されることが決まりました。返還対象は、菩薩像3体と仏像1体で、いずれもクメール様式の13~14世紀の作品です。2025年5月4日にタイ政府メディアNNTが伝えています。



これらの文化財は、ブリラム県チャロームプラキアット郡にあるPrasat Khao Plai Bat II(ปราสาทเขาปลายบัด 2)から1964年に盗掘され、長年にわたって米国の美術館や個人コレクターのもとに所蔵されていました。

タイ芸術局(กรมศิลปากร)によると、アメリカの国土安全保障調査局(HSI: Homeland Security Investigations)との連携のもと、2017年から本格的な返還交渉が進められてきました。2024年9月には、アジア美術館の理事会が返還の是非を正式に検討。6か月にわたる調査と関係者からの意見収集を経て、2025年4月22日に除籍を正式決定しました。

今回返還されるのは以下の4点です。

・Avalokiteshvara Bodhisattva(พระโพธิสัตว์อวโลกิเตศวร)
青銅製、高さ94センチ、13~14世紀、プラコーンチャイ様式

・Avalokiteshvara Bodhisattva(พระโพธิสัตว์อวโลกิเตศวร)
青銅製、高さ69.9センチ、13~14世紀、プラコーンチャイ様式

・Bodhisattva(พระโพธิสัตว์)
青銅製、高さ22.9センチ、13~14世紀、プラコーンチャイ様式

・Standing Buddha(พระพุทธรูปยืน)
青銅製、高さ21.6センチ、13~14世紀、プラコーンチャイ様式

これらの仏像は、クメール美術の影響を受けた「プラコーンチャイ様式」の代表的な作例であり、タイ国内の美術史において非常に重要な位置を占めています。

今後は、タイ芸術局がHSI、在ロサンゼルス・タイ王国総領事館、アジア美術館と協力しながら、返還に向けた最終的な法的・物流面の手続きを進めていきます。返還は今後数か月以内に完了する見通しです。

なお、これらの仏像は古美術商ダグラス・ラッチフォード(Douglas Latchford)氏によって不正に発掘・流出させられたものとされており、今回の返還は、国際的な文化財保護の観点からも大きな意義を持つものです。

タイ政府は今後も、国外に流出した文化財の回収と保護を積極的に進めていく方針です。

  

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