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森崎ウィン・向井康二(Snow Man)W主演の日・タイ共同制作映画『(LOVE SONG)』の主題歌『Gravity』を手掛けた3人組のピアノ・トリオバンドOmoinotake。
既に大ヒットとなった代表曲『幾億光年』や、NHK紅白歌合戦の出演などでご存知の方も多いのではないだろうか。また、映画『(LOVE SONG)』で知ったという方もいるだろう。
そんな彼らが2025年12月10日(水)にバンコクのLido Connect(Hall 2)でワンマンライブを開催する。これまでもソウルや台北でのライブやフェス出演など、国際的な活躍を見せている彼らだが、タイでの公演はこれが初めて。
2026年3月15日には初の日本武道館公演が控えているOmoinotake。Lido Connect(Hall 2)のサイズでライブを堪能できるタイ在住の皆さんは幸せ者!
今回はそんな彼らに、バンド結成のエピソードや『Gravity』の制作秘話、バンコク公演の意気込みなどを語っていただいた。
[メンバー]
藤井怜央(レオ): ボーカル、キーボード
福島智朗(エモアキ): ベース
冨田洋之進(ドラゲ): ドラム
ーー歌詞も曲も琴線に触れます。どのように楽曲を作り上げているのですか?
福島(以下エモアキ):僕はベース担当ですが歌詞を担当しています。曲はボーカルのレオ(藤井怜央)が書いています。
ーーそして冨田さんがドラムですね
冨田(ドラゲ):はい。
ーー今年結成13年目なんですよね?出会いはどのような形だったのでしょうか?
エモアキ:3人とも中学の同級生だったんです。その後、僕はドラゲとバンドを始めてたんですけど、その時、レオはドラムだったので、地元では同じバンドになることはなかったんです。
ただ、レオがピアノが弾けて歌もすごく上手いのは地元にいたころから知っていたので、上京してから「ピアノとボーカルをやってみないか?」という形で誘いました。
ーー13年間ずっと同じメンバーでバンドを続けられる秘訣は何ですか?
藤井(レオ):やっぱり中学校の時からの付き合いなので、そこの下地はかなりでかいかなと思いますけどね。
ーー何でも言い合える関係が構築されてる感じですか。
レオ:そうですね。遠慮はないですね(笑)。
ーー13年の間に割と大きい喧嘩もあったんですか?
エモアキ:幾度かは(笑)。
ーーいちばん面白かった喧嘩のエピソードを教えてください(笑)。
レオ:ライブが終わって車で帰っている時に、後部座席に3人で座っていたんですけど真ん中が僕。僕が真ん中にいるのに、両端の二人がすごい言い争いを始めて、間にいる僕としては、ある意味面白かったです(笑)。
ーー(笑)想像したら笑ってしまう光景です。何の言い争いをしていたか覚えています(笑)?
エモアキ:もうその状況すら覚えてない(笑)。
ドラゲ:確か電池の話してたんだよね(笑)。
ーー(笑)電池の話で、そんなにヒートアップするんですか?
エモアキ:そうだね(笑)。
ドラゲ:まあちょっと..電池が切れかけてたからかな(笑)。
ーーOmoinotakeというバンド名の由来について教えてください。
エモアキ:これは僕がつけたバンド名です。自分の心を全てありのまま込められるバンドにしたいという意味で付けました。
――確かにこのインタビューが決まってから、毎日Omoinotakeの曲を聴いていたんですけど、自分の心情に重なる部分の歌詞は、途中でぐっときて泣いてしまいました。本当に心にしみるし、色々な人が心に抱えている思いの丈を吐露してくれる歌詞であり、メロディだなあって感動していました。
一同:ありがとうございます。

ーー2026年の3月15日には武道館が決定しているんですよね。武道館というと、やっぱり日本のミュージシャンにとっては憧れの場所だと思うんですけど、決定した時の率直な感想は?
レオ:僕たちは武道館に立つまでの活動が長かった方だと思うので、ここまで来られて良かった、っていう思いはすごく感じましたね。
エモアキ:僕は、大丈夫かな?って…。
ーー(笑)。
エモアキ:大丈夫かな?ちゃんとやれるかなっていう感じもあって、嬉しさ半分、不安半分。
ドラゲ:初めてワンマンライブをした時と同じような気持ちになりました。お客さん入るのかなーとか(笑)。
ーーそうはいっても、2024年末はNHK紅白歌合戦に出演されたり、春の甲子園(2025年選抜高等学校野球大会)の前年の大ヒット曲が選ばれる入場行進曲になったりと、武道館が埋まる要素はあるわけですよね。身の周りでも変化を感じるのでは?
エモアキ:そうですね。知ってくださっている方が、昔よりはずっと増えたので、それが一番感じる変化ですね。
ーー家族や友達の反応も凄いんじゃないですか?
エモアキ:これまで結構心配かけた部分も多かったと思うので、その分とても喜んでもらっていると思います。
ーー武道館は独特な会場の造りをしている訳ですが、こんなことしてみたいな、という計画はありますか?言える範囲で構わないんですけど。
レオ:武道館公演で初めてストリングスもホーンもパーカッションも全部一緒にステージで演奏します。生の芳醇なサウンドが聴かせられると思うので、僕らも凄く楽しみにしています。
ーー武道館でしかできないサプライズみたいなことも計画しているんでしょうか?
レオ:僕達はずっとストリートライブをやってきたバンドなので、その歴史みたいなものを出せる部分ができたらいいなあ、なんていうことは考えています。

ーー武道館ができてしまうアーティストとなると、島根を代表するアーティストの一組になっている感じがするんですけれど…。
エモアキ:いやー、まだまだ。島根県は本当にたくさんすごいバンドやアーティストがいるんですよ。自分たちもその中に肩を並べられるように、頑張らなきゃいけないと思っています。
一同:誰でも知っているレジェンドだと竹内まりやさんを筆頭に素晴らしいアーティストの方も多いですよね。よく交流している方はいらっしゃいますか?
レオ:Official髭男dismの小笹大輔とは中学・高校の時一緒にバンドを組んでいました。
ーーえ?そうだったんですか!同世代の同エリアでデビューできてしまうような実力のある人たちは、もう地元である程度、音楽で絡んだり友達だったりするんですね。

ーー現在日タイで公開中の映画『(LOVE SONG)』の主題歌『Gravity』が映画を見た方に大変好評ですよね。お気持ちは?

(LOVE SONG) ©2025『(LOVE SONG)』製作委員会 配給:KADOKAWA
レオ:やっぱすごく嬉しいです。今回は、ほぼ完成した状態の映画を観たあとに曲を作ったので、その映画の世界観のままエンドロールの最後まで見てしまうような曲にしたかったんです。
ーー今おっしゃった、エンドロールを最後まで見てしまうようにっていう狙いは本当にそのままだと思います。
私は前情報を入れないようにして試写を見たんですけど、何度もバンコクに行っているんですが、曲のサビの部分にバンコクの空がバーッと目の裏に浮かんだんですよ。強烈にバンコクに会いに行きたくなるというか。
そんなサウンドだったんですけど、どなたかバンコクに行ったメンバーがいるのかと思いました。
レオ:みんな行ったことがないですね(笑)。やっぱりほぼ完成に近い映画を見て、すごくイメージを膨らませた状態で作ったので、そう言っていただけるとすごく嬉しいですね。
今回、蔦谷好位置という方に、アレンジャーで入っていただいていて「タイの
風」を感じられるようなサウンドをどこかに入れたい、みたいな話もあったんです。相談しながら、どんな音がいいかな?っていうのを探っていったんですよ。
ーーなるほど。だからタイリピーターですらタイの空を音で感じられたんですね。
レオ:そうかもしれないですね。
ーー歌詞は監督(世界的タイBLドラマブームの火付け役となった作品『2gether』のチャンプ監督ことウィーラチット・トンジラー)とミーティングをしたんですか?
エモアキ:ミーティングというほどではないんですけれども「強い愛には引力がある」という言葉をいただきまして、そこから着想して書いてった感じですね。
映画の中で二人は幾億か、すれ違って離れてしまうけど、それでも惹かれあってしまう。
僕の好きな谷川俊太郎さんという詩人の方の作品『二十億光年の孤独』に、「万有引力とは ひき合う孤独の力である」と言う一説があるので、自然とそこは重ね合わせて書いていった感じですかね。
ーー引き合う孤独の力で納得がいきました。ソウタ目線の歌詞なんですけど、聴きようによっては主人公のソウタとカイどちらにも当てはまる世界観があって、凄くよく考えられてるなあって思いました。主演の森崎ウィンさんも向井康二さんも、チャンプ監督も『Gravity』を絶賛していましたよね。「やったぜ」的な気持ちになったのではないでしょうか?
エモアキ:そうですね。やったぜ。
ーー(笑)。
エモアキ:やっぱりそういう思いはありますね。うれしい。特に今回、劇中でも曲がかかるので、余計そう言ってもらえるとうれしいです。
ーー映画『(LOVE SONG)』のタイミングで、バンコク公演ということですけど、いかがですか?初めての国のライブは。

エモアキ:緊張しますね。これまでソウル・台北っていう割と近い都市の公演で、少し気楽な部分もあったんですけど、タイは結構しっかりと遠いですもんね。ドキドキします。海外公演は去年から始めたことなんですけど、ひとつずつ場所が増えて行くことが嬉しいなって思います。
レオ:やっぱり今回『(LOVE SONG)』という映画の縁がある丁度熱いタイミングでタイに行けるっていうことが凄い。それが嬉しいです。
ドラゲ:僕も去年、台北やソウルでのライブが、凄く楽しかったんで、タイもめちゃくちゃ楽しみだなって言う感じです。
ーー会場がサイアムスクエアっていう、バンコク中心部で若者が集まるようなエリアにあります。バンコクの今を感じられる場所なんですね。タイ人のお客さんも来ると思うんですが、タイ語は勉強していますか?。
レオ:まだできていないんですけど、しなきゃなあって思って(笑)。
ーー知っているタイ語はありますか?
一同:サワッディークラップ(笑)。
ーー(笑)…。こんにちは、はとりあえずOKと。ライブを含めて何日くらい行くんですか?
エモアキ:3泊4日ですね。
レオ:僕は数日タイに残ります。
エモアキ:実はバンコクでストリートライブをやる予定なんですよ。
ーーえー!すごいじゃないですか!ライブの前日ですか?それとも翌日?
エモアキ:前日ですね。翌日のライブの告知も兼ねて、収録もする予定らしいので、それもすごく楽しみです。今、場所や時間を絶賛調整中です。
ーータイで知っているアーティストはいますか?
レオ:Phum Viphurit(プム・ヴィプリット)さん。あと、Safeplanet(セイフプラネット)っていうバンドが気になります。結構色々な方とコラボしてるのを聴いて凄く良いなって思っています。

レオ:タイグルメ楽しみたいよね。
ーー好きなタイ料理は何ですか?
エモアキ:僕はガイヤーン。他にも好きな料理が沢山あります。
レオ:トムヤムクン。
エモアキ:この前行った店の、カレーラーメンみたいな、あの料理なんだっけ?
ドラゲ:あ、あれが美味しかった。
ーーカオソーイじゃないですか?
エモアキ:あ、そうだ、カオソーイだ!

ーータイで行こうと思っている場所はどこですか?
レオ:僕はプーケットに行ってみたいです!
エモアキ:僕は巡れるような距離感だったら『(LOVE SONG)』のロケ地に行ってみたいなっていうのはあります。2人が再会するシーンは結構印象的でした。通りが凄くタイっぽいなあと思ったのであのあたりに行ってみたいですね。
レオ:Snow Man向井康二さん演じるカイくんが歌うライブハウスが気になるよね。
ドラゲ:俺、映画に全然関係ないんですけど、ピンクガネーシャ像を見てみたいです。

ワット・サマーンラッタナーラームのピンクのガネーシャ
ーー出会いのシーンは、ソムテッドヤー公園近くの小路とその近くのJ-MARTです。ライブハウスはスワンナプーム空港の近くなので、到着日か帰国日に行くと良いですね。内部は通常ライブがないと見れませんけど、皆さんなら事情を話して事前に許可を取ると大丈夫かもしれません。どちらも方向が逆なので配車アプリでMAPを表示して行くといいと思います。ピンクガネーシャはチャチューンサオ県にあって、スワンナプーム空港から車で往復3時間。見学と渋滞を入れると半日以上は時間がないと厳しいと思います。

ーーこれまでに台北・ソウルなどでワンマンやフェスでパフォーマンスされていらっしゃいますね。日本とは環境が違いますか?
エモアキ:ファンからの熱量が分かりやすいです。熱くなってきたことをストレートに伝えてきてくれる。日本は胸の中で熱くなる感じですけど、声に出して爆発させる感じなんですよ。歌詞を覚えて歌ってくれますよ。
ーー台湾ではもう普通に歌詞を覚えてもらえるほどの土壌ができているんですね。タイのアーティストさんに聞くと日本のファンはおとなしいそうなのでタイもストレートに伝えてくると思います。
ドラゲ:最初は信じられなかったんですけど。
エモアキ:「売り切れた」って言われて嘘だろうと(笑)。

ーーそのレベルだと、SNSで台湾のファンの方から書き込みやメッセージが届いたりするんじゃないですか?
レオ:売り切れたっていう情報とSNSの反響があまり比例していなくて(笑)。嘘だろ?って言う疑惑があったんですね。Xとかインスタで「台湾にライブ行きます!」って投稿しても、台湾からのメッセージがあまり来なかったんで。
そしたら台湾の人たちはThreadsを使っていたんです。それがわかってから、台湾のライブの時だけThreadsに投稿するようにしています。
エモアキ:台湾のファンの方は、僕らのラジオ番組にメールを送ってくれたり、日本のライブを見に来てくれてたりもするみたい。
ーー台湾は近いですもんね。今年はZepp New Taipei(キャパ2,245人)って凄いですね。※2025年11月27日
レオ:前回の台湾は本当に感動したし楽しかったから、思い出がすごく強く残っています。今回はさらに去年より大きなステージになるのでワクワクしていますね。
ーー韓国ではどんな活動を?
エモアキ:去年ワンマン1回、今年フェス2回出演しています。
ーーSEVENTEENのジョンハンとコラボしてから割と韓国でも親しみを持たれてるような感じなんじゃないですか?
レオ:去年のワンマンでのライブは、まだリリースされていなかったですけど、今年リリース後はフェスで2回とも、その曲の韓国語バージョンの方を歌いました。やっぱり、韓国ならではのことが僕たちもできるのが凄く嬉しいので、そういうところも喜んでもらえているといいなという感じですね。

ーー最後に初のバンコクライブを見に行く皆さんにメッセージをお願いします。
エモアキ:『(LOVE SONG)』という映画があったおかげで、タイに行けることになって、これからどんどん繋がっていけるなっていう最初のきっかけができました。これを機に関係が深まればいいなと思っています。
レオ:今年はたくさんライブをして、僕たち自身も力をつけているのと『(LOVE SONG)』が公開中という一番熱いタイミングが重なった時期での初めてのタイライブ、ぜひたくさんの方に見ていただきたいなと思っています。
ドラゲ:日本で音楽活動をしていると、タイでライブができることはなかなかないと思うので、タイの皆さんにも僕らの演奏を届けられたらいいな。非常に楽しみにしております。
エモアキ:サマーソニックバンコクにも出てみたいよね!

来年の目標についてレオさんが「僕たちは毎年NHK紅白歌合戦に出演し続けることを目標にしているので、来年以降また出られるように頑張ります」と話してくれた。どんなに時代が変わっても紅白出場と言えば、やはりその年の顔。1年を締めくくる世代別を代表するアーティストが集う場所だ。昨年そういった場所に登場し、2026年は武道館という日本人のアーティストなら誰もが憧れる場所に立つOmoinotake。ご本人たちは謙遜するが、実力・人気ともに今非常に注目されているバンドであることは間違いない。
特にバンコク在住の方が映画『(LOVE SONG)』の主題歌『Gravity』を、活気溢れるサイアムで聴いたら、自分の住んでいる都市バンコクを、改めて好きになるかもしれない。タイの空や風を想像させる壮大なサウンドが、タイを好きになった頃や、住み始めた頃の思いを蘇らせてくれる。
歌詞の中に「遠い海へ 沈んでく 太陽の先に どうしてかな君が待ってる気がしたんだ」という一説があるのだが、筆者はつい大好きなタイを「君」に脳内置換してしまい、思わず泣いてしまった。
ハイトーンボイスと心の琴線に触れる歌詞、自由自在に伸びて行く壮大なメロディーが織りなす圧巻のステージを、ぜひバンコクで体感していただきたい。
[取材・文:吉田彩緒莉(Saori Yoshida/Interview・text)]
〇リリース情報
New Single「Gravity/イノセントブルー」 好評配信中
https://omoinotake.lnk.to/

〇バンコクワンマン告知 (Avalon Facebookより)
Omoinotake One Man Live in Taipei & Bangkok
วันที่แสดง : วันพุธที่ 10 ธันวาคม 2025 (วันหยุดราชการ)
เวลาที่แสดง : 18:00 น.
สถานที่ : Lido Connect (Hall 2)
วันเปิดจำหน่ายบัตร : วันเสาร์ที่ 6 กันยายน 2025 เวลา 11:00 น. ทาง ThaiTicketMajor
Buy ticket: https://go.avalon.co.th/

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