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マシリト川敦、初タイ一人旅の行き先はまさかのムクダハン<前編>【流浪シリーズ】 からの続き
マシリトのベースとして25年間ステージに立ち続ける、川敦さん。その存在は、アンダーグラウンド界隈において“知る人ぞ知る”特別な光を放ち続けています。最近は、音楽だけでなく社会活動も積極的に行っています。そのうちの一つ、こども達に会いたくても、会えない人や、その家族を支えるための自助グループ「再開の環」は、川敦さんが主催をしています。
そんな川さんに話を聞いたのは、ライブハウスやアイドル現場を渡り歩き、タイランドハイパーリンクスでも数々のアーティストを取材してきた“流浪のバンドマン” ケンジこと西田健児氏。今回はバンドマン仲間での呼び名であるキス健としてインタビューを行っています。
新宿の飲食店でタイ料理を前に、ふたりは笑い声を交えながら、9年前のタイ一人旅、そしてムクダハンへ向かった“あの長い長い初日”についてゆっくり語り始めました。
後編をご覧ください。

川敦(かわあつし)。マシリトのBass。時にはトラックメイカー。社会活動家。
https://lit.link/kawaatsushi
https://x.com/kawaatsushi
https://x.com/machilitt
川:……っていう、タイ一人旅の初日でした。
ケンジ:いやー、今のところホント、最高に面白いです。二日目も期待しかないですよ(笑)
店員:――お待たせしました。こちらガパオライスになります。
ケンジ:ガパオライスがきましたね。
川:めっっっちゃウマそう!
ケンジ:あ。ガパオライスと川さんの画像も撮りたいです。いいですか?
川:もちろんいいですけど……どうすればいいですか?(笑)
ケンジ:うーんそうですね…。こう、ガパオライス見て「美味しそうすぎて、わー、驚いた」みたいな。両手を広げるポーズをお願いします。
川:両手を広げるポーズ……(笑)
ケンジ:お願いします! 3,2,1、はい。

ケンジ:う~ん角度を変えてもう一枚…。3,2,1、はい。

川:今のでほんとに大丈夫ですか?
ケンジ:完全にやらされてる感が出てる画像になりましたが…、それがまた川さんの裏表がない人柄が感じられて良いです。大丈夫です。ダンディーです。
川:ダンディーですかね?(笑)
ケンジ:いや、なんとなく雰囲気でダンディーって言いました。深い意味はないです(笑)
川:はっはっは。そうなんですね。それじゃキス健さん、先にガパオライスをいただいてもいいですか?
ケンジ:もちろんです。食べてください。
川:それではまず一口……いただきます。
ケンジ:久しぶりのガパオライスの味はどうですか?
川:……ッ! ウマッ!!(笑)
ケンジ:おおー。良かったです。
川:この……豚肉のウマ味が凝縮されている味わいと、ちょっとピリッとするスパイシーとハーブがほんのり香る絶妙なバランスが美味しい。おなかが空いてたのを考えてもめちゃくちゃウマいッスねー。
ケンジ:タイ料理のこのクセの感じって、ハマる人はホントにハマりますよね。
川:あ。ここにナンプラーがあるじゃないッスか。ちょっとかけちゃおうっと。
ケンジ:ナンプラーも美味しいですよね。ただ、やっぱりナンプラーの魚醤の独特な臭いが強いので、使い方が難しいところがありますけど、醤油ラーメンの隠し味にちょっとだけ入れたりすると、スープに深みがでたりしますよね。――お、僕のグリーンカレーも来たので、それではいただきます。それとシンハを追加注文……。
***
川:それで……ムクダハンの二日目なんですが…。
ケンジ:お願いします。わくわくしてます(笑)
川:初日はホテルに到着してチェックインしたらすぐ寝ちゃったんで……ホテルのことをなんにも見てなかったんですけど、泊まったホテルが当時のムクダハンで一番高級なホテルだったんですよ。
ケンジ:へえー。そうなんですね。ホテルの画像ってありますか?
川:ありますよ。ええと……これです。プロイパレスっていうホテルで正面からとエントランスがこんな感じでした。

※ploy palace hotel
川:この画像が…、待合室みたいな空間。

ケンジ:あー、なんか懐かしくて上品な風情を感じますね。すごいタイっぽい。ってタイなんだからそりゃそうですね(笑)
川:雰囲気良いですよね。
ケンジ:この待合室の装飾壁、こういう雰囲気って、僕好きなんですよねー。無意味にこの待合室で渋く佇んでたいです(笑) ちなみにここってけっこう高そうな雰囲気がするんですが、一日いくらだったんですか?
川:それがそんなに高くもなかったんですよ。確かに……一日八千円くらいだったと思います。
ケンジ:多分ですけど…、部屋は広かったですよね?
川:部屋はめっちゃ広かったんです。それに朝食もスゴイ美味しくて…。

ケンジ:おっと。もしかしてこのオレンジジュース、なんだかかなり甘いオレンジジュースのでした?
川:そうなんです。めちゃくちゃ甘かったです(笑)
ケンジ:やっぱり(笑) 今でもこの色のオレンジジュースをタイで見かけるし、めちゃ甘いです。なんかちょっとノドに染みる甘さというか(笑) たぶん甘さを足してると思います。
川:そんな気がします(笑)
ケンジ:今はもう、このタイのオレンジジュースの甘さにも慣れたんですが、最初はホントにこの甘さに脳がバグりました(笑) このタイのオレンジジュースの色味って、日本だったらキャロットジュースみたいな、野菜ジュースの色合いに見えるじゃないですか。
川:確かに……野菜ジュースにも見えますね。
ケンジ:僕初めてこのオレンジジュースを飲んだ時に、野菜ジュースだと認識して飲んだんで、脳が予測した味と味覚情報がマッチしなくて「ブッ」って吹き出しました。で、むせたときに鼻からオレンジジュースがちょっと出ちゃって、その日は半日、鼻の奥がほんのり甘かったでした(笑)
川:はっはっは(笑)
ケンジ:このオレンジジュースがサーバーにあると(これって甘すぎて絶対に体に悪いよな…)って考えちゃうんですけど……。でも、飲んじゃうんですよねー。タイ効果かも(笑)
川:飲んじゃいますよね(笑)でもオレンジジュースが甘かっただけで、他はちゃんとした味付けでした。それでですねその知り合い、マシリトファンの彼女が務めているムクダハンの学校にこの日の午前中から行けることになったんですが、その学校の車がホテルまで迎えに来てくれたんですよ。
ケンジ:ホテルまで?
川:ホテルまで。
ケンジ:完全にVIP待遇じゃないですか。
川:「ただの部外者でVIPじゃないのにこんな待遇されちゃってイイのかな…」ってちょっと申し訳なく思って。申し訳なく思いながら車に乗りました(笑)

川:ムクダハンの風景を眺めて学校に向かってたら「アキバ系」って書いてある服を着てるバイカーをみつけたりして……道行く人を眺めてるだけでも楽しかったんですよね。

川:ホテルを出発してから20分……30分くらいで学校の正門に到着しました。なんか王女の名前がついてるって学校で、ピンクの正門がすごく優しい雰囲気を醸してたんですが…

※princess chulabhorn’s college mukdahan
https://www.facebook.com/PCCMukdahan
ケンジ:なんていう学校なんですか?
川:プリンセスチュラポーン・カレッジ、っていう学校でした。
ケンジ:プリンセス!
川:プリンセスです。そのプリンセスチュラポーン・カレッジの敷地がバカデカくて、正門から学校の校舎が見えないんですよ。びっくりしちゃって(笑)

ケンジ:これ…、マンガの世界じゃないですか(笑)
川:ホントそうなんですよね。
ケンジ:そうなると学生は毎日の送迎込みですよねそれ。…あ、住み込みの学生寮か。
川:なので正門から校舎までもそのまま車に乗って……数分は移動しました。

ケンジ:広いですねー。僕の学校なんて、正門から校舎まで車で5秒とかでしたよ。もちろん、車で送ってもらったことなんてないですけど(笑)
川:普通そうですよね(笑) それで校舎もめちゃくちゃ広くて…。広い廊下に子犬が放し飼いにされてたり、いつでもどこでもくつろげるような設計で椅子が設置されてたりして……その校舎の優雅な雰囲気を味わいました。

ケンジ:タイの上流階層の匂いがしますね…。
川:「めちゃくちゃいい学校じゃん」と知り合いと雑談してたら「クラスにも顔出しなよ」っていうから授業にも参加させてもらいました。
ケンジ:おー急展開。ということは…、やっぱりベースプレイを教える的な?
川:いやいやいや(笑) 俺が教えられることなんて何もないんで……普通に文化交流をさせていただきました。その……東京の駅とかにある街紹介のパンフレットのタイ語バージョンをたくさん持って行ってたので、それを配って日本のことを話して日本に興味を持ってもらったり、
ケンジ:おおー。準備万端ですね!
川:ただのパンフレットなのにすごく読み込んで喜んでくれて……あと、俺が相撲が好きなので相撲の話をしたりしたらすごく興味を持って話を聞いてくれてました。なんて言うんですかね、タイの生徒さんみんなすっごい純粋な雰囲気というか…。
ケンジ:あー、わかりますわかります。1ミリも人を疑うことなんてしないような雰囲気ですよね。
川:そんな感じなんですよね。それで学生さんたちが日本で流行ってる遊びも教えてほしいっていう話の流れになったので「いっせーの」っていうあの遊びを教えてきました。
ケンジ:「いっせーの」って、「いっせーのーせっ!」で親指を立てる本数をいい当てる、あの遊びですか?
川:そうそう。それです。
ケンジ:タイの生徒さんたちは、「いっせーの、せ」を知らなかった?
川:知らなかったですね。なので「こうやって遊ぶんだよ」ってレクチャーしてきました。

ケンジ:おおー、川さん、いっせーの先生じゃないですか(笑) ……そういえば「いっせーの、せ」って正式名称なんていうゲームなんですかね…。なんか一時期「指スマ」とかって言われてましたけど。大判焼きみたいに、地方ごとで呼び名が違いそうなパターンな気がしますね…。って、そんなことはどうでもいいか。「いっせーの、せ」は盛り上がりました?
川:盛り上がりましたね。そんなこんなでお昼になって、せっかくなのでチュラポーンの学食も堪能させていただきました。ベトナム料理でフォーってあるじゃないですか。あれのタイバージョンみたいな料理があって……これが美味しかったんですよね。

ケンジ:あー、米粉麺のスープ料理ですね。名前がわかんないですけど、これ系も美味しいの多いですよね。
川:あとビックリしたのが……寿司もあるよって言われて、
ケンジ:寿司? 学食なのに寿司?
川:校内コンビニみたいなのがってそこで売ってた寿司なんです。画像もあるんですけど…

川:……謎の寿司でした。
ケンジ:えーと、カリフォルニアロールみたいなのがメインなんですかね。これは赤身ですかね…。カニカマ軍艦?
川:わかんないです。
ケンジ:エビと…、この強烈な緑色のはなんですかね、海藻寿司…?
川:見た目に衝撃を受けちゃって……謎寿司を一つも食べられませんでした(笑) だから全然わかんないんです(笑)
ケンジ:ん? シュウマイ? この紫のは…。わからん……。基本の味付けにマヨネーズ率が高いっぽいですけど、……うん。もはや想像がつかない寿司になってますね。
川:そうなんですよ。味が全然想像つかなくて(笑)
ケンジ:タイにて独自進化を遂げた寿司達ですね(笑)
川:あと、この学食でペットボトルに入ったコーラみたいな見た目の飲み物を飲んだんだすけど……これは黒蜜か? っていうくらいに甘くてびっくりしちゃって。それも謎の飲み物でした。
ケンジ:確かに。タイって緑茶が甘いくらいですからね。なんだかわからない飲み物がなんでかわからないくらいに甘くても、それもまた文化ですよね。うん。
川:昼食後は校内を散策させてもらいました。音楽室に名前の知らない楽器がいっぱいあって……ワクワクしましたね。

川:そこにベースもあったので、こっそり弾いてみたり…。

ケンジ:ミニシンバルみたいなのが円状に並んでるコレは、半音ずつ音が決まってる打楽器でしょうね。神秘的な音が鳴りそう。これは胡弓みたいな弦楽器ですかね…。

川:職員室では見たことがない毛が生えたフルーツがあって、教員の皆さんが「食べろ食べろ」っておすすめしてくるので食べたんですけど……これはちょっと濃厚なライチみたいな味で美味しくてたくさん食べちゃいました。

ケンジ:あー、これはランブータンですね。この毛の生えた皮をむくと真っ白でみずみずしい果肉が出てきますよね。僕も最初のタイ遠征でランブータンをタイ人におすすめされて、ちょっと戸惑いました(笑) なんて言うんですかね…、フルーツなのに毛が生えてるこの見た目って、きんた……、闇落ちしたイチゴみたいな見た目の破壊力が日本にはない感じなので、一発で覚えました(笑)
川:チュラポーン・カレッジではこのくらいですかね……。貴重な体験をたくさんさせていただきました。
***
川:チュラポーン・カレッジのあとはプロイパレスホテルの周辺を散歩しつつ……近くの仏像と祠を観に行きました。

ケンジ:タイってこういう祠と仏像がどこにでもにありますよね。信心深い。
川:タイのスーパーマーケットでショッピングしたんですけど……そのスーパーマーケットもとんでもなくデカくて…、

ケンジ:あー。これは…、まごうことなき「BIG C」ですね。
川:へぇー。「BIG C」ってそんなに有名なんスか。
ケンジ:みんな大好きタイ発祥のスーパーマーケット「BIG C」。チェーン展開しすぎてていろんなパターンを試してるんだと思うんですけど「mini BIG C」っていう店名もあって、大きいんだか小さいんだか、軽く語義破綻してるところも個人的に好きです(笑) 日本でいうと何が似てるかな……
川:AEONみたいな感じですかね?
ケンジ:あ! そうですね。いや…、COSTCOの方が似てるかも。そんな感じで「mini BIG C」がコンビニですね。
川:へぇー。

ケンジ:ウキウキ川さんじゃないですか(笑)
川:店はデカいし量は多いし値段は安いしで……やたらとテンションがあがりました(笑)
ケンジ:共感しかないですね(笑) 爆買いしました?
川:爆買い……したくなったんですけど、なんせ数日しかいないので我慢しました(笑)
ケンジ:確かにそうですね(笑)
川:タイのセブンイレブンにも行きましたね。コンビニは日本とあんまり変わらない感じでしたけどペットボトルの水がやたらと安かったんですよね。

ケンジ:セブンイレブンに行きましたか。この時って、レジ清算が終わった後に、なんか切手みたいなモノをもらいませんでしたか?

川:あ~! もらったもらった! 切手をもらいました!
ケンジ:切手を10枚集めて応募するとお皿がもらえるみたいな、いかにもそういうデザインの切手、山崎秋のパン祭り実施中ですみたいな切手をもらうじゃないですか。僕も、これってそういうキャンペーンの切手だって思ってたんですよね。
川:秋のパン祭り(笑) 俺もそう思ってましたよ(笑) 違うんですか?
ケンジ:でも、タイのセブンイレブンで清算の時に一年中この切手をレジでくれるんで「ずいぶんと長い期間のキャンペーンやってるんだな、さすがタイだ規模感が違う」とか感心してたんですけど、ある日、これもしかしてキャンペーンじゃない? って思って調べたら、あの切手、タイのセブンイレブンだけで使えるクーポン券、お金でした(笑)
川:へー! そうなんだ!
ケンジ:切手の裏紙が剥がせてシールになってるので、多分何かの台紙に貼って使うんだと思うんですけど、まだ使ったことはないです(笑)
川:9年越しの真実だ(笑) ……ありがとうございます(笑)
ケンジ:最初は普通にこんなのいらんわと全部捨ててたので、もったいないことをしてましたねー(笑) たぶん、100バーツくらい捨ててます。
川:それはもったいない(笑)
それで、この日はもうさすがにセブンに寄って終わりですか?
川:いや、まだ続きがあります。
ケンジ:なんてアクティブなんですか。
川:ホテル近くの……小さいけど一年中お祭りをやってるみたいなところに知り合いと行って、タイの夜も堪能しました。
ケンジ:ナイトマーケットだ!

川:夜なのに屋台がたくさん出てて、すごい活気があって…。ビールを飲みながらウロウロしてるだけでも楽しかったんですけど、大きな鶏肉が乗った炒飯みたいな料理を屋台みたいなお店で発見して、それを知り合いと食べて…、

ケンジ:多分ですけど、その鶏肉炒飯、すごい安かったんじゃないですか?
川:値段ははっきり覚えてないんですけど……なんかやたらと安かったのは覚えてます。
ケンジ:こういうタイ現地の人が利用してるようなお店って、ボリュームもあるのにめちゃくちゃ安いですよね。炒飯だけなら40バーツ(200円くらい)とか、こういう肉が乗ってる料理でも75バーツ(375円くらい)とか、平気でありますからね。で、ちゃんと美味しいし。
川:確かそのくらいの値段感でした。この鶏肉のご飯もめちゃくちゃ美味しかったんですよね…。で、この後突然のスコールにあって……そのスコールが本当にバケツをひっくり返したような大雨だったんですよね。それで全然知らない人の家の軒先で知り合いと雨宿りしてたら、そこの家のおばあちゃんが「雨が止むまでゆっくり休んでいきな」みたいな感じで何も言わずにイスを2脚出してくれて…。なんかとても温かいものを感じましたね。
ケンジ:おおーいい話。最高のタイの夜、ムクダハンの夜ですね。……っていうかめちゃくちゃ濃い一日じゃないですか。朝からVIP待遇で学校に行って、生徒さんと文化交流して、いっせーのを教えて盛り上がって、謎寿司に謎めいて、謎の激甘黒糖ジュースを飲んで、仏像を眺めて、BIG Cで買い物して、ナイトマーケットを散策して、ドデカ激安鶏肉飯を食べて、スコールを体験して…。ムクダハンのホテルに到着するまでも様々なことがあったのに、到着してからも、これでもか、っていうくらいに余すことなくタイを体験してますね。疲れを感じたりしなかったですか?
川:疲れてたのかもしれないですけど……それよりも「楽しい」が勝っちゃって、なんかすごい動けたんですよね。
ケンジ:あー、それもわかります。でもさすがに、さすがに……。この後はもう、ベッドで泥のように眠りに落ちたんですよね?
川:それがですね、まだもう一つあるんですよ…。
ケンジ:まだあるんですか!(笑)
川:すみません…。
ケンジ:いやいや冗談です(笑) というかさすがバンドマン。ありとあらゆるイベントを堪能するつもりですね(笑) 後はなんだろう…。ホテルに帰りがけのタクシーでぼったくりに会う、くらいしかイベントが残ってないような気がしますが(笑)
川:ぼったくりじゃないです(笑) もうちょっとタイを体験したかったので……知り合いにお願いして一緒にパレスホテルに戻ってからの話なんですけど…。
ケンジ:ホテルに戻ってから? う~ん、日本じゃ到底見たことがないような、とんでもないサイズの巨大なゴキブリでも出ましたか?(笑)
川:知り合いはロビーで待っててもらって、俺は自分の部屋で……どうしようかなとちょっと考えてたんですよね。そうしたら…。
ケンジ:そうしたら?
川:……ホテルの部屋の電話が鳴ったんです。
ケンジ:まだそんな急展開があるんですか。
川:そうなんです。で、鳴ってるんで……電話に出て…。
ケンジ:なんかドキドキして来ました。電話は……
川:まぁ…、英語。簡単な英語だったんですけど……電話の声が男性で、
ケンジ:ミッションインポッシブルみたいな展開ですね。
川:その電話の男性は「今、プロイパレスの最上階のバーで飲んでるから、来ないか?」って言ってるんですよね。
ケンジ:間違い電話じゃなかったんですか?
川:間違い電話じゃなかったんです。
ケンジ:ほんとに映画みたいな、めちゃくちゃ気になる展開…。そんなことあるんですね。
川:そうなんですよ。
ケンジ:……その男性は誰だったんですか?
川:電話だけじゃ相手が誰だかわからなくてちょっと怖かったので……知り合いと一緒にバーに行く事にしました。
ケンジ:それは賢明ですね。
川:誰なんだろうって思いながらバーに行ってみたら……。
ケンジ:ミッションインポッシブル……。

川:タイの学校の先生だったんです。チュラポーン・カレッジの先生。
ケンジ:先生?
川:チュラポーン・カレッジでご挨拶させてもらった先生のうちの一人。職員室であの毛の生えた赤いフルーツ……なんていう名前でしたっけ?
ケンジ:えーと、きんた……、じゃなくてランブータンですね。
川:そうそう。そのランブータンを「食べろ食べろ」って薦めてくれた男の先生だったんです。
ケンジ:えーと、その、ランブータン男爵先生は、川さんと話したいだけでホテルのバーまで来たんですか? それとも日本語を話したかったんですかね?
川:ランブータン男爵先生って(笑)えーと。でもその男の先生は日本語は全く話せなかったんで……会話はずっと簡単な英語ですね。
ケンジ:あ、でもそうかそうですよね。川さんの知り合いの女性も日本語を喋れるんだから、もしそうならそこで事足りますよね。日本語を話したかったわけではない…。う~ん。ランブータン男爵先生はどうやって川さんが泊まってるホテルの部屋を知ったんですかね?
川:思い返してみると……ランブータンを勧められて食べている時に「どこに泊まってるんだ」「パレスホテルです」「そこっていいホテルじゃないか」みたいな会話はしてたんですよね。だからホテルを調べてフロントで俺の泊まってる部屋を聞いたんじゃないかなと。
ケンジ:あー、なるほど。それでその男爵先生とはどんな話になったんっですか?
川:お互いに簡単な英語でしかできなかったので……ちょっとした軽い会話がほとんどだったんですよね。
ケンジ:はい…。
川:ボクは日本に興味があって日本に行ったことがあるんだ、長野の白馬村に行ったことがあるよ、っていう話をまずされて……。
ケンジ:白馬村……。
川:日本って街にゴミが一つも落ちてなくキレイですごいよね。食べ物はどこで食べてもどれでも美味しくて、ボクは本当に日本が大好きなんだ、っていう話をされて……。
ケンジ:日本が大好き……。
川:この時はお酒もちょっと入ってたので、タイのムクダハンっていう田舎町でタイ人と日本についてこんな世間話をしてる……この状況がすごいうれしくなったんですよね。それでつたないながらも俺も積極的に会話をしてその状況を楽しめてて……男爵先生と話がすごい盛り上がっちゃっいまして。
ケンジ:すばらしい国際交流じゃないですか。
川:それで……パレスホテルの最上階のバーから見える夜景がまたすごいよかったんですよね……。えっと、この画像なんですけど、

川:男爵先生が遥か向こうに見える建物の光を指差しながら「ほら、遠くに見える、横一列に光が並んでるあの辺り、建物の光があるだろう? あの前には川があって、その向こうがラオスだ」って教えてくれたりして、俺も「へぇースゲー」ってなんか少年みたいに感動しちゃって、すごい純粋な気持ちになったりしたんですよね。
ケンジ:めちゃくちゃ良い話じゃないですか……。一生物のステキな体験談ですね。
川:そんな風に夜景を眺めてたら、「なぁ川、ちょっといいか?」って男爵先生が突然真顔になって俺の目を真っすぐに見ながら、
ケンジ:真顔?
川:「君は男は好きか?」って聞いてきたんです。
ケンジ:ミッションチンポッシブル!
川:はっはっは(笑) キス健さんなんすかそれ(笑)
ケンジ:あ、いや、すいません。つい脊髄反射的に……。
川:ミッションチンポッシブル(笑) はっはっは(笑)
ケンジ:それで、そのミッションはセイコウしたんですか?
川:いやいやいや。「俺はそっち方面は興味がなくて女性が好きなので……ごめんなさい」ってちゃんと男爵先生に断りましたよ。
ケンジ:なんだー。せっかくの海外で、一生に一度のあるかないかの貴重なミッションをしてきてもよかったんじゃないですかね?(笑)
川:いやいやキス健さん……俺は本当にそっち方面には興味がないから、男爵先生に興味がある降りをするのも申し訳ないじゃないですか。
ケンジ:川さん誠実。……でも確かにそうですね。そっち方面って興味がないならそのミッションはインポッッッシブルなままになって、それはそれで相手に申し訳なくなっちゃいますよね。
川:どういう意味ですか?(笑)
ケンジ:あ、いや、すみません。なんでもないです。独り言です忘れてください。そういえば、知り合いの女性もそのバーに同席してたんですよね。どんな顔してましたか?
川:あちゃー、って顔をしてました。
ケンジ:あー、なるほど。
川:思い返してみれば……男爵先生はバーで顔合わせした最初の一瞬、なんか予想外みたいな不思議な表情を一瞬したんですよね。多分、俺が知り合いと二人でバーに現れたから……今考えてみればそういうことかって思います。
ケンジ:う~んそうなってくると、学校で川さんにランブータンを勧めてきたのも、もしかしたら何かを測ってたのしれませんね。
川:……何かを測ってたってどういうことですか?
ケンジ:ランブータンの触り方とか皮のむき方とかじっくり見てたんじゃ……。あ、いや。いえいえ。うーん……。でも個人的には、男前な川さんがレディーボーイになってる未来も見てみたかったです。川さん身長高いし、化粧映えする顔立ちしてるなと思いますので、すごい美人なレディーボーイになってそうですよね。いやー、見てみたかった。トップオブレディーボーイな川さん(笑)
川:はっはっは。キス健さんやめてください(笑)
ケンジ:いやー、それにしても、すごい濃い一日でしたね……。もうさすがにこの後はもう何もないですよね?
川:さすがにもう何もないです。このまま3人で飲み続けて……バーで朝をむかえました。
ケンジ:朝まで飲んだんですか! 体力オバケ!

川:というムクダハンの二日目でした。三日目は…。
ケンジ:そうかまだ二日目だったんですよね……。川さん、そろそろインタビューの終了時間かなと思いますので、三日目の話はまた今度ということにしたいんですが……。一応探らせてもらうと、三日目はムクダハンから日本への帰国日程の日でしたよね。この二日目の話を越える山場ってありそうですか?
川:えーっと。そういう意味では三日目には山場はないですね。三日目はムクダハンを離れてバンコクに行って……バンコクを散歩しながら夜まで楽しんでLCCで帰りました。
ケンジ:あーよかった、普通でホッとしました。それじゃ三日目の話は省略させてください。三日目にこれ以上の山場があったらどうしようかと思いました(笑) 今の時点でも川さんのこのムクダハンへのタイ遠一人旅は、とんでもない面白体験談で、ボリュームもたっぷりですよ(笑)
川:まさかこの時のムクダハンへの一人旅がインタビューされるとは思ってなかったですが……お役に立ってよかったです。
ケンジ:……なんか次の僕のタイ遠征、川さんと一緒に行ったら楽しそうだなァ、なんて考えてました。
川:確かに。キス健さんとタイに一緒に行ったら何かすごいことが起こるかもしれませんね(笑)
ケンジ:とんでもない出来事が起こりそうです。例えば……、まさかの二人ともレディーボーイになるとか!(笑) いや、もう今ならボーイとは呼べない年齢なので、レディーダンディーか。真の語義破綻!
川:それは完全に語義破綻してますね(笑)
ケンジ:とにもかくにも、まァそうなったらその時はその体験もまたここで記事にさせてもらいますけど(笑)
川:俺はレディーダンディーにはならないです(笑)
ケンジ:そうですよね(笑) 川さんは川さんのままで、レディーのついてないダンディーのままで居てください。というわけで川さん、タイランドハイパーリンクスの独占インタビュー、ありがとうございました。マジで本当に面白かったです(笑)
川:キス健さん……こちらこそありがとうございました。


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