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VARがゴールの歓喜を失くす… -第2節、ポートFC vs サムットプラカーンシティーFC-

2020年2月26日 配信

前節開幕戦での“サムットプラカーンシティーFC vs チェンライユナイテッド”戦、第2節“ポートFC vs サムットプラカーンシティーFC”戦とスクンビット近郊でのビッグマッチが続く。



比較的貧しい地区にあるポートFCのホーム“PATスタジアム”。10年程前であるが、ある選手の引退試合に出場した日本人選手達のスパイクやユニホームなど、試合後にグランドに雪崩込んできた観客に根こそぎ持って行かれた過去がある。

近年1部2部を行き来していたタイポートFCを2015年に“マダムペーン”が経営権を取得したと同時に一気にトップチームへ様変わりをした。現在はブラジル・スペイン・韓国の外国人助っ人の流れで、残念ながら日本人選手は所属していない。しかし実力が上がると共に、元々熱狂的なタイ人サポーターを抱えていたところへ日本人や欧米人のファンが増えている様だ。

キックオフ2時間前からサポーターがスタジアムへ集まり始め、さながらビアガーデンの様な光景が広がる。好きだね、この雰囲気。

クラブハウスでは新ユニホームを手に入れようと、サポーターでごった返していた。更に選手入場が行われている時点でチケット売り場は長蛇の列、最悪入場出来ないのでは!?…と思わされた程、さすが人気チームのホーム開幕戦である。

この試合の主役となったのは残念ながらVARであった。それぞれのチームの先制点がVAR判定によってノーゴールからの得点判定。しかも主審は画面を確認せずにインカムの指示で笛を吹く、表現は悪いが“主審はVARですか!?”と見えてしまう。だからサッカー観戦の醍醐味である“ゴール”に対し、素直に喜びの感情を爆発させられない…この日は4度ほどVAR判定で試合が止った。ロスタイムは前後半4分ずつ、VARが生んだ時間であった。
しかもペナルティエリアで取りあえず“VAR判定”を促すアピールをする選手が続出、あんまり見栄えが良くないというかね。

「ゴールかな!? オフサイドから!?…どっち!?!?」

「結局ゴールでしたぁ」…これじゃ喜べないよね(苦笑)。

開幕戦から2試合追いかけているサムットプラカーンシティーFCであるが、後半中盤になるとピタッと足が止まるのが気になるところ。“裏を突かれる”昨年の課題は解消されているのであるが、逆に特徴的であったサイドが突けない。ポゼッションの質は上がっているだけに、もう少し時間が掛かるのかなという印象。

タイでサッカー観戦したいな!!という方は、スクンヴィットから数10分のところにあるここPATスタジアムでの観戦をお薦めする。サッカー専用スタジアム・熱きサポーター…日本人選手は所属せずともタイサッカーの魅力を充分味わえる環境、そしてそれに応える戦いをしているポートFCに是非注目して欲しい。

新型コロナウィルスの影響で、日本ではルヴァンカップやリーグ戦延期などの措置が取られている様であるが…清水エスパルスへ完全移籍したタイの絶対的エースティーラシン選手のゴールなど嬉しい話題がバンコクへももちろん届いている。俺が現役時代に味わったタイ大洪水による“リーグ戦中断”という事が起きなければ良いのであるが…。

当時は基本給が抑えられてて、替わりに練習に参加すると貰える練習給という制度があった。リーグ戦は3ヶ月中断し、当然練習も行われない…だから、所属チームは貧乏球団だったため給料未払いが続いた。結局この中断期間の穴埋めをするべく、中2日3日の間隔で遠征も行いながら、本来10月で終了するリーグ戦は年を跨いで1月中旬まで続いた…正月3が日も試合をしていたからね。

そうなると、10年前と状況は違えど不景気にて身売りが噂されるチームが続出している昨今、給料未払いをする球団が出てくるだろうし、半年契約の選手なんかの扱いはどうなってしまうのだろうなどと懸念してしまう。

伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。https://www.thaich.net/itotaku
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