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第100回 契約書はティッシュペーパー(Part2)

2013年3月9日 配信

2013年3月9日 掲載

「夢追人」のタイサッカー珍道中

 タイサッカーリーグ、今季の外国人登録枠はTPL・Division1が7人で、Division2は5人。例年より早い昨年12月の時点で選手獲得のニュースが多数転がり込んできていたから、”1月にトライに参加するのでは遅いのかもしれない”と感じていた。実際2月に入る前に外国人枠を埋めてしまったチームは沢山あった。それでも獲得したい選手がいる場合は、契約してから兄弟チームに移籍させたりリーグ戦には登録しないカップ戦要因にしたりと昨年までチームは工夫をしていたのだが…。
今季は既にリーグが開幕している。しかし移籍マーケットは今月中旬まで開いているみたいで、トライを続けている外国人選手達は未だ大勢いる。しかもこの時期外国人枠が埋まっていると聞いていたチームと契約している選手達がチラホラと出てきている。よく調べてみると、契約済みの外国人選手を解雇して獲得しているみたいなのである。そう、これは完全な契約違反な訳で、相変わらず契約に対するチーム側の見解は怠慢極まりないということだ。
「一ケ月分の給料を払うから出て行ってくれ」「お前がサインした契約書は仮の物だった」これらは契約期間中に解雇された選手がチームから実際云われたセリフなのだが、選手を退いた俺でさえこれを聞いて怒りの感情が溢れ出してくる。
今年から全てのチーム対象に“所属外国人に対してVISAのケアをチームがしないと外国人選手は獲得出来ない”と決定したというが…これは当たり前の事でしょう、「今更ですか!?」と呆れてしまった。しかも全てのチームが守っていると信じている人はいないんじゃないかな。
“アフリカ人選手がチームを解雇された後、国に帰るお金も無くタイ国内で犯罪に手を染める”事が問題となっている。これを重く見た外務省が全チームを対象に昨年講習会を行ったというのだが…出席は任意だったみたいで、実際どれだけの関係者が足を運んだのか定かではない。
俺の個人的な意見なのだが、毎年毎年が勝負のプロサッカー選手達はもっとサラリーを貰っても良いと思う。将来の生活の保証が無い、ましてやタイはいつ解雇されるか分からない状況のだから。今季もタイの特徴でもあるのだが、前期と後期で全く違ったメンバーになるチームが多く出てくるのであろう。タイは縦社会、チームのオーナーにタイ人代理人は意見出来ない故、頼りにしたい代理人はあてに出来ないのが現実。タイでは代理人を付けないで自分で交渉する日本人選手が増えている、何とも頼もしい事であるのだが…何とか選手を守ってやれる環境、サッカーに集中出来る環境をタイで構築出来ないものか。俺は微力である事は十二分に承知しているが、この選手を守る戦いに立ち向かって行かなければいけないと思っている。やれる事を1つ1つ、綺麗事ではなく動き出す時期に来ていると実感している。


伊藤琢矢(いとたく)

アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand

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