|

タイ・バンコク都は2026年11月、BTSグリーンラインの管理運営をタイ大量高速輸送公社(MRTA)へ移管する計画について、2027年1月の実現を目指して手続きを進めていることを明らかにしました。移管によって鉄道事業の管理を一元化し、路線間の乗り継ぎで発生する初乗り運賃の重複解消や、共通運賃制度の導入につなげる方針です。
BTSグリーンラインは、バンコクを走る高架鉄道「BTSスカイトレイン」の主要2路線の総称です。アソーク、プロンポン、トンロー、オンヌットなどを通るスクンビット線と、サラデーン、チョンノンシー、サパーンタクシンなどを通るシーロム線で構成されています。両路線はサイアム駅で接続しており、日本人旅行者や在住者にも利用機会の多い路線です。
バンコク都のウィサヌ・サップソムポン副知事によると、バンコク都とMRTAは、グリーンラインの移管に関する覚書(MOU)の草案を共同で作成しました。
草案は法律関連の小委員会と政策推進委員会の承認を受けており、現在はタイ司法長官府による内容の審査が進められています。審査を経て両機関が署名し、2027年1月にMRTAへ管理権を移す予定です。
移管後はMRTAが運賃収入を受け取り、列車の運行・保守に関する費用も負担する仕組みとなります。ただし、資産や負債の移管には別途査定などの手続きが必要で、既存の運行事業者が直ちに変更されるということではありません。
今回の移管計画には、グリーンラインの本線と延伸区間に加え、ゴールドラインも含まれています。
グリーンラインの延伸区間では、運賃収入が運行費用を下回り、バンコク都が不足分を補填する状態が続いています。
補填額は毎月4億~5億バーツ近くに達し、2026年の年間負担は約57億バーツになる見通しです。
管理運営がMRTAへ移管されれば、バンコク都はこうした財政負担を軽減でき、道路や公共設備などの整備に予算を振り向けられると期待されています。
タイ政府は2026年11月3日の閣議で、バンコク首都圏の都市鉄道に共通運賃制度を導入する方針を承認しました。
2027年1月1日から12月31日までの1年間を対象に、初乗り部分を最大17バーツ、1回の移動にかかる合計運賃を最大45バーツとし、異なる路線への乗り継ぎ時に初乗り運賃が重複する問題の解消を目指します。
ただし、この運賃優遇措置はタイ国籍者が対象です。利用には政府のアプリ「Paotang(เป๋าตัง)」での登録と、対応する非接触型決済カードなどの条件が設けられる予定です。
当初は通常運賃を支払い、対象者に差額を後から返金する方式が想定されています。このため、改札で支払う運賃が直ちに最大45バーツとなるわけではありません。
また、BTSで広く利用されているRabbitカードと新たな共通決済システムの連携についても、関係機関が対応を進めています。
政府は2027年1月1日の運賃制度開始を目標としていますが、実際の導入にはシステム整備や関係機関の手続き完了が必要です。
バンコク都とMRTAの管理運営の一元化が、今後の都市鉄道の利便性向上と運賃負担の軽減につながるかが注目されます。
※出典
バンコク都・事業進捗資料
タイ運輸省交通政策計画事務局(OTP)
タイ政府・2026年11月3日閣議発表
タイ政府・共通運賃制度に関する発表
Bangkok Biz News(2026年11月8日)
Siamrath(2026年11月6日)
関連記事
新着記事