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すべての仕事はサービス業?AI時代に生き残る「人間らしさ」の価値|タイの変人ポーにインタビュー

2026年5月22日 配信

インタビュアーのひと言

便利さと引き換えに、どこか血の通った温もりが失われつつある現代社会。セルフレジやAIチャットボットが日常に溶け込む中で、「自分の仕事、本当にこのままで大丈夫か?」と、漠然とした不安を抱えている人は少なくないはずだ。テクノロジーの進化は私たちの生活を劇的に変えたが、同時に「人間の存在意義」という重い問いを突きつけている。



「感情を制する者は人生を制す」と豪語するタイの怪人・変人ポーは、この時代をどう見据えているのか。彼が語る「すべての仕事の本質」と、AIに決して代替されない「人間力」の正体について話を訊いた。私たちが明日からヒーローになるための、シンプルかつ深遠なキャリア論がここにある。
(インタビュアー:梅田隼人)

すべての仕事は「人件費」であり、「サービス業」である

梅: ポーさん、現代はAIやテクノロジーの進化が凄まじいですが、そんな時代において「私たち人間にしか生み出せない価値」とは何だと思われますか?

変: それを考えるために、まずは私たちが普段何気なく手に取る商品の値段や、利用するサービスの料金の裏側を見てみましょう。そこには、想像以上に多くの人々の労力と時間が詰まっています。例えば、コンビニで買う缶ビール一つを例にとってみてください。

梅: 缶ビールですか。身近なものですね。

変: ええ。まず、ビールの原料である麦を育てる農家の人々がいます。彼らは天候の変動に耐えながら、丹精込めて麦を栽培します。次に、その麦を使ってビールを製造する工場の人々がいます。大きな機械を操作し、品質を厳しくチェックする技術者やスタッフたちの存在が不可欠です。さらに、ビールを醸造するための設備を製造する鉄鋼業者や部品メーカー、その工場を設計する設計士、整備するエンジニア、清掃するスタッフ等々も関わっています。

梅: 一本のビールを造るだけでも、バックグラウンドには膨大な職種の人たちが関わっているわけですね。

変: それだけではありませんよ。製造されたビールは、物流会社のドライバーや整備士、事務員によって運ばれます。そして、ビールを入れる缶や瓶は、デザイナーがデザインし、印刷業者が印刷し、ライン作業員が組み立て、品質管理担当者がチェックしています。

梅: 確かに、パッケージ一つとっても人の手が加わっています。

変: さらに言えば、ビールを冷やすための冷蔵庫も、それを製造する工場の人々、輸送するトラック運転手、販売する営業担当者や販売員の努力の結晶です。その冷蔵庫を動かす電気は、発電所の職員や電力会社の送電スタッフ、保守チームが供給しています。そして最終的に、私たちにビールを売ってくれるコンビニの店員さんがいます。彼らはレジで笑顔を見せ、商品を棚に並べ、発注し、受け取った商品を管理しています。

梅: そう考えていくと、私たちが支払っているお金の行き先が見えてきますね。

変: その通りです。これらすべてを考えてみると、ビールの値段は、実に「人間の労力の集合体」であることがわかります。この視点から導き出される重要なキーワードが、「この世の仕事は、すべてがサービス業だ」という私の考え方です。

突き詰めれば、誰もが誰かのために動いている

梅: 「すべての仕事はサービス業」ですか。一般的にサービス業というと、接客業や飲食業をイメージしますが、そうではないと?

変: 一般的にはそう思われがちですが、この言葉が指す本質としては、もっと広い意味合いを含んでいます。どんな業種であっても、突き詰めれば「誰かのために、何かを提供している」という共通点があるのです。売り手がいて、買い手がいる。これが、商売の原則です。売り手が提供する商品、あるいはサービスに価値を見出した買い手が、その対価としてお金を出している、ということなのです。

梅: 具体的には、どのような職種にもそれが当てはまるのでしょうか。

変: 職種を問わず、すべてに当てはまります。例えば、このような仕事ではどうでしょう。

プログラマーは、システムという見えない道具を作り、業務効率化や新しい体験を提供します。

インフラエンジニアは、インターネットが快適につながるように裏で支え、情報へのアクセスというサービスを提供します。

翻訳家は、文化の橋渡し役となり、異なる言語間のコミュニケーションを円滑にするサービスを提供します。

レストランは、おいしい料理とくつろげる空間を提供し、顧客の満足を満たします。

ホテルは、安らげるベッドと時間を提供し、旅の疲れを癒やす場を提供します。

ミュージシャンは、心が震えるような音楽という感情の体験を提供します。

芸人は、笑いという癒やしと気づきを提供し、人々に喜びを与えます。

土木作業員や建築業者は、私たちが安全で快適に暮らせるインフラを提供し、社会の基盤を支えます。

広告代理店は、企業の魅力をうまく伝える手段を提供し、商品やサービスの認知度向上に貢献します。

医者は、健康という命に直結する価値を提供し、人々の命を守ります。

教師は、未来を担う子どもたちに知識と希望を与え、社会の発展に寄与します。

政治家は、社会のルールや制度を整え、より良い暮らしを導くサービスを提供します。

作家や漫画家も、物語や世界観で人の心を揺さぶり、感動や娯楽を提供します。

梅: なるほど。一見すると「モノを作る仕事」に見えるものでも、その先にあるのは誰かへのサービスなんですね。

変: その通りです。そして、主婦(主夫)や介護職、保育士、ボランティア、地域の活動に尽力する人々まで、みんな誰かのために動いています。ある介護士の女性が、認知症のおばあちゃんの同じ話を毎日笑顔で聞き、「あなたがいてくれてよかったわ」という言葉に報われたという話がありますが、これらも立派な社会貢献であり、誰かの心を支える仕事なのです。

梅: かつては「モノを作る仕事」と「サービスを提供する仕事」は区別されていましたが、本質は同じだと。

変: はい、実はすべてが「サービス=誰かのためになる行動」という共通点で結ばれているのです。そして、そのすべての行動の背後には人が存在し、社会に貢献していた…のです。「社会貢献」と聞くと大げさに聞こえるかもしれませんが、自分の作った資料で誰かがプレゼンを成功させたり、自分が棚に並べた商品が売れて家族の食卓を豊かにしたり、自分が笑顔で接客したことでお客さんが少し元気になったりするような、小さな貢献の積み重ねが社会を形作っているのです。

テクノロジーの進化と「人間らしさ」の重要性

梅: しかし、現代は「X-Tech(クロステック)」という言葉に代表されるように、金融(FinTech)、教育(EdTech)、医療(MedTech)など、さまざまな分野がテクノロジーと融合していますよね。これによって人間の仕事が奪われるのではないか、という懸念もあります。

変: それは素晴らしい進化である一方で、人が不要になる仕事が急速に増えている現実も突きつけています。セルフレジ、AI診断、ロボット配送、チャットボットなど、人件費削減のために機械に任される業務は枚挙にいとまがありません。このような状況は、私たち人間に「人間の価値とは何か?」「あなたの存在意義はどこにあるのか?」という根源的な問いを投げかけています。

梅: その問いに対して、私たちはどう立ち向かえばいいのでしょうか。

変: テクノロジーがいくら進化しても、決して代替できないものがあります。それは人間の「思考」「感情」「共感」「温もり」「想像力」、つまり「人間らしさ」です。

梅: その「人間らしさ」について、もう少し具体的に教えていただけますか?

変: 一言で言えば「他人の立場になって考え、動ける力」です。思いやり、ユーモア、気遣い、熱意、これらすべてが、人間にしか出せない「味」であり、人間ならではの強みなのです。
例えば、海外を旅する日本人バックパッカーが、カフェ前の道端で困っている現地のお年寄りを助けた翌日、そのカフェでコーヒーが無料になったというエピソードがあります。これは、人間らしさが言葉の壁を超えて伝わることを示しています。お年寄りの笑顔が店主の心を動かしたように、人間の感情や行動は、時に計り知れない価値を生み出すのです。

梅: グローバルな視点で見ても、その「人間らしさ」こそが、今後世界中で求められる力になりそうですね。

変: 間違いありません。AIやロボットがどんなに進化しても、あなたの笑顔や、あなたの何気ない一言に救われる人がいます。あなたの声でしか届かない誰かが、必ず存在するのです。だからこそ、今こそ私は「人間力」を磨くべき時なのだと強調したいのです。あなたが誰かのために動くその瞬間こそが、仕事の本質であり、自己実現への第一歩となります。

誰もが仕事を通して「ヒーロー」になれる

梅: 自己実現、というと少し難しく捉えてしまう人も多そうですが。

変: 自己実現とは、決して難しいことではありません。「自分が納得できる生き方をすること」です。そして、そのためには「人のために、自分の力を使うこと」が、最も近道だと私は考えています。その為にも「社会貢献」がキーワードとなってきます。

梅: 私たちが明日から実践できることは何でしょうか。

変: まず「自分の仕事が、誰のどんな役に立っているのか?」を意識することです。もし今の仕事に疑問があるなら、「自分はどんなふうに人の役に立ちたいのか?」を考えてみましょう。その問いが、あなたの未来を変える第一歩となるはずです。あなたが誰かを思って動くとき、その価値は、すでに人件費以上のものとなるでしょう。
どんな仕事も、どんな行動も、誰かの役に立っている限り、それは「サービス業」です。そして、その「サービス」を提供することで、私たちは誰かの生活を豊かにし、社会をより良くしていくことができます。つまり、私たちは誰もが、自分の仕事を通して「ヒーロー」になれる可能性を秘めているのです。

梅: 自分の仕事の先にある「誰かの笑顔」を想像することが、AI時代を生き抜くキャリア論の核になるのですね。

変: その通りです。しかしながら、テクノロジーの進化によって人間社会のなかでさまざまな「X(クロス)テック」が生まれ、これまで当たり前のように現場にいた人間が存在しなくなってきている・・・ということは、先ほどもお話しした通りですが、存在がなくなってきているのは何も人間だけではありません。

(次回のインタビューでは、その「人間以外の消えゆく存在」について深掘りしていきます)

変人ポー
本名:苅部俊雄
YouTubewww.youtube.com/@curly-uni
1978年、神奈川県生まれ。専門学校神田外語学院(KIFL)卒業。2002年に初めて来タイ、以降は主にタイ在住。。2000~2015年までの下積み時代には27回転職、26回引越、5ヶ国に住み、5社の起業を経て現在に至る。2010年、NPO法人日本PR(東京都)理事長。2017年、一般社団法人全国龍馬社中第189番加盟タイ龍馬会会長。2022年、『変人ポーの人間力』『変人ポーの平和論』(共に幻冬舎)を二冊同時出版。2023年、プーケット移住に伴い隠居。

<内容紹介>
変人ポーの人間力
もっと早く読んでいれば……!母国日本の未来を圧倒的スケールと独自哲学で綴る啓蒙書。テクノロジーの現代に必見の英知を凝縮した一冊。葉装家 稲荷重藏氏推薦!

変人ポーの平和論
世界80億人が必見!”それ”を維れ新めるにはこの本にあるような教育が必要だ。教育は、全てである。 郷士坂本家十代目 坂本匡弘氏推薦!

全国の書店、Amazon、Kindleにて好評発売中!

『変人ポーの人間力』『変人ポーの平和論』二冊同時出版をしたその理由とは!?
別書『人間力』はこれからの時代における自己啓発がテーマとなる。具体的にはテクノロジーとグローバル社会においての“超実践的”自己啓発本で、本書『平和論』 はその“超具体的”方法論の一つをまとめた内容となっており、両書は“対”になっていることが特徴だ。そしてこれは“知識”と“知恵”の対のことであるとも言えよう。つまり、知識の『人間力』、知恵の『平和論』ということにもなり、どちらか一方が欠けてもその魅力は半減してしまう。

ここで知識と知恵の違いについては、変人ポーの言葉をそのまま引用する。

「知識はあくまで知識だ。知識は行動を伴うことにより知恵となる。そして、この知恵は答そのものだ」

よって書籍『人間力』だけでは単なる自己啓発本に過ぎず、これでは従来の自己啓発本とともに単なる知識で終わってしまうこととなる。書籍『人間力』は、知恵の『平和論』という背景があってより現実的な哲学として完成する。

また書籍『平和論』だけでは机上の空論、あるいは“事実と意見の違い”もわからぬままに誤解され兼ねない。書籍『平和論』は、知識の『人間力』という裏付けがあってはじめて現実的な方法論となる。

本書を読み終える時にはこの意義が本当の意味で理解していただけることを祈念しつつ、ここに紡いでいく。

<『変人ポーの平和論』はじめにより抜粋>